00478
credit:LOUDNESS

日本は数多くのヘヴィメタルバンドを輩出しており、海外にも多数のファンがいます。
海外のとあるヘヴィメタルファンが80年代の日本のヘヴィメタルバンドを紹介していました。

引用元:reddit.com

スポンサードリンク



●投稿主
60年代後半から70年代初頭、日本人は西洋のハードロックとフォークロックを吸収して独特のものをリリースし始めた。
この流れは有名バンドが世界ツアーを行う時に日本が東洋での開催地となる70年代終わりまで続いていた。
スコーピオンズ、ジューダスプリースト、ヴァン・ヘイレンは軒並みソールドアウトとなり、これらのバンドに影響を受けたバンドが日本中に溢れかえった事は想像に難くないだろう。
それらのバンドは大抵西洋の幾つかのバンドに影響を受けていて、その異なるサウンドが1枚のアルバム、ひいては1曲の中で共存するという奇妙な坩堝を作っていた。
もちろんその中にバンド独自の味も加わっていたし、日本語で歌われているという要素も彼らのシーンをユニークにさせる手助けになっていた。
イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、スウェーデン程数が多い訳じゃないが、日本のヘヴィメタルシーンには少なくない絶対的な珠玉バンドが存在している。
80年代日本のヘヴィメタルは大きく分けて関西と関東の2つのシーンがある。
関西シーンは西日本の大阪を中心にしていて1980年代が来る頃には既に確立されていた。
最初は1970年代の西洋のバンドに影響を受けていて関西のバンドはブルージーでメロディック、ヘヴィメタルサウンドに真っ直ぐ向かったサウンドだ。
一方の関東シーンは東日本の東京を中心にしていて、関西シーンの数年後に形成された。
後年のバンドに影響を受けていて、更にはビジュアル系など日本独特の音楽現象もあり、そういったバンドはより奇妙でプロジー(プログレッシブ)でヘヴィメタルサウンドに対して面白いアプローチをしている。

追記:第1層が第2層、3層より優れているという訳じゃない。
自分の好きなバンドで第2層に入れてるのもあるし。
この層は人気度/影響度の事
追記2:ここに挙げてるバンドは80年代に少なくとも1枚のEP(シングル盤)ないしアルバムをリリースした事のあるバンドのみ

※以降のバンド紹介は抄訳です

■第1層:より影響力があるバンド
・X Japan(youtube
間違いなく日本国外で一番人気のあるメタルバンドで、みんなにも馴染みのあるバンドだと思う。
関東シーンのほとんどのバンドと同じように、彼等も自身のヘヴィメタルブランドに非伝統的な要素を取り入れている。
2曲のスピードメタルに挟まれた壮大なバラッドがあるのはX Japanのアルバム位だろう。

・ラウドネス(youtube
おそらくみんなにとって馴染み深いであろうもう1組のバンドで、ラウドネスは1981年に解散したバンド、レイジーから生まれた。
レイジーの音楽の方向性は消え、よりヘビーな方向に行ってはいたがそれでもかなりハードロックの影響は受けていた。
が、ハードロックの影響もアルバムを出すごとになくなっていき、3枚目のアルバムではハードロックの影響は消え去り、キラーなメロディックヘヴィメタルが残っている。
1983年に日本のバンドとして初めて全米ツアーを行ったバンドでもある。

・アースシェイカー(youtube
結成は1978年、シーン最初期のバンドの1つだ。
(アメリカのハードロックバンド)Y&Tのアルバム名から取られたバンド名が示す通り、当初は70年代のハードロック/ヘヴィメタルがベースにあった。
同時期にNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)も取り入れ、1983年に発売されたファーストアルバムは初期のヘヴィメタルとしてかなりの逸品となっている。
中には(アイアン・メイデンの)エイドリアン・スミスが書いた曲もある。

・アンセム(youtube
こちらも日本国外で人気を集めたバンドで、アンセムはラウドネスと同年に結成されたがこちらは関東出身でフルアルバムを出すのにもう少し時間がかかった。
関東の他のバンドと違い、リフと作詞作曲はよりシンプルで、関東で結成されたより奇妙なバンドにかなりの影響を与えていた事の証明になるだろう。
高速でキャッチーなリフと重なり合ったボーカルは1度聞けば止まらなくなると思う。

・バウワウ(Bow Wow)(youtube
初期の関東バンド(フラワー・トラベリン・バンドの後)で、バウワウは1975年に結成され、多種多様なバンドに似たサウンドを演奏している。
ブラックサバスからビートルズまで、彼らは当時流れていたロックサウンドからあらゆる角度で影響を受けていた。
少なくとも当初はオリジナル過ぎてはいなかったがそれでもキラーサウンドだ。
80年代に多くのアルバムをリリースしていて、Vow Wow名義でリリースされてる物もある。
自分が好きなのは『Warning from Stardust』。

・44マグナム(youtube
最初期の関西バンドの1組で結成は1977年、44マグナムの演奏はバウワウとラウドネスが初期に演奏していたサウンドとよく似ており、よりスコーピオンズの影響が見られる。
最初のEPと2枚のアルバムはかなりしっかりしていて、以降はよりAOR(wikipedia)へと向かっていった。

・サブラベルズ(youtube
サブラベルズは当時のシーンで最もユニークなバンドの1つで主にマーシフル・フェイト(デンマークのへヴィメタルバンド)の影響を受けている。
時にゆっくり、時に早く、常に激しい。
更にオカルトに魅了されたところや歌詞を重視したる部分、コスチュームなど日本版マーシフル・フェイトに最も近かっただろう。

・X-RAY(youtube
こちらもハードロックに影響を受けた大阪のバンドだ。
最初の2枚のアルバムは様々な影響を受けた奇妙で不思議な作品だ。
1枚目のアルバムより2枚目の方が良いけど大きな差はなく、興味深いカバー曲も入っている。
3枚目と4枚目はより洗練され、特定の音楽性を持っている。
キーボードが加わり、よりアンセミックなヘヴィメタルとなって、それがうまく機能している。

・聖飢魔II(youtube
1982年に結成された関東のバンドでキラーデビューまで3年かかっている。
更にユニークで他の関東系のバンドに従いリフが怪物的でボーカルもそれに引けを取らない。
自分が好きなのはセカンドアルバムだ。
余分な曲が全くなく、中でも『The End of the Century』が好きだ。

・フラットバッカー並びにEZO(youtube
フラットバッカーとして結成したのが1982年、当初は凄く荒くて脅迫的だった。
ツインギターのハーモニーが機能していて80年代初頭のヘヴィメタルが詰まっていた。
フラットバッカー名義の2枚のアルバムとデモはどれも凄く良い。
1986年に名前をEZOと改めて拠点をアメリカに移し、中程度の人気となってより商業的なサウンドになっていった。
EZO名義のファーストアルバムはジーン・シモンズがプロデュースしている。

・デッドエンド(youtube
他の第1層のバンドよりも遅い1984年の結成で、デビューとなる1986年のファーストアルバムはキラーなスピードメタルだ。
他の『レストレス・アンド・ワイルド』世代と同じようにアグレッシブなボーカルだ。
※『レストレス・アンド・ワイルド』はドイツのヘヴィメタルバンド・アクセプトのアルバム
日本ツアーを行う事で人気を博し、80年代にかなりの地位を築き上げた。


■第2層:第1層よりは影響度の低いバンド
・テラ・ローザ(youtube
このシーンの初期のバンドの1つで、関西と関東両シーンに関わっている。
一番の名作はデビューアルバムで、このバンドが関西シーンにいた時のもの。
無駄曲が一切ない珠玉のアルバムで、レインボー(イングランドのロックバンド)に影響を受けた独特な風味のリフをしている。

・アクション(youtube
大人気とはならなかった初期のバンドの1つ。
影響を受けてきた様々なバンドの音がアルバム全体を通して現われている。

・リアクション(youtube
リアクションはアンセム、バウワウ、サブラベルズ等関東シーンのパイオニアバンドの1つで、そこまで大人気にはならなかったが曲は同じ位凄い。
高速でメロディックなリフ、キャッチーな作詞作曲で、総合的に見てフィフスエンジェルやヒットマン、レザーウルフ同様軽めのUSパワーメタルの類似点が見られる。

・SHOW-YA(youtube
1982年に結成された女性バンドで初期はクラシックロックやハードロックに影響されていた。
80年代を通して人気になり、コカ・コーラのCMにも出演した
人気が出たグラムバンドとしてSHOW-YAはそれに合わせてスタイルを変えていき、AORの影響も受けていった。

・スナイパー(youtube
スナイパーも初期のバンドで結成は1981年。
解散するまでにまっすぐで楽しいアルバムを2枚リリースした。
サクソンや初期のレインボーのようなヘヴィメタルアルバムをリリースし、ファーストアルバムには凄いリフも含まれている。

・ベルゼルブ(youtube
当初は最高級のドゥーム・レイデン・ヘヴィメタルで、強烈なリフに打ち立てられた絶望的なフィーリングに満ちている。
ボーカルのReiの声は精神的な問題を抱えているような響きを持っている。

・ブリザード(youtube
このバンドはあまりにもはみ出さな過ぎたのだろう。
真っ直ぐで当時のグラムバンドから色んなサウンドを取り込んでいて、モトリー・クルーやドッケン等々有名バンドの持つ力に欠けていた。
とは言え最初の3枚のアルバムはキャッチーで凄くしっかりしている。

・ウルフ(youtube
おそらく当時のシーンで自分が一番好きなバンド。
1987年に出された同名のEPは当時もっとも強力な作品だ。
USパワーメタル的なリフ、強烈でハイピッチなボーカル、キャッチーな作詞作曲は初めて聞いた時から数えきれないほど耳を傾けてきたものだ。

・ヘレン(youtube
こちらも好きなバンドで、おそらく解散前に出したEPは1枚のみ。
(幾つかのシングルとデモ以外は)
EP『TALON OF KING』はウルフのEP程ではないかもしれないけど同じくらい良い作品だ。
パワーメタル系のリフとネオクラシックに影響を受けた旋律、最高な技術のギターがあり、珠玉のEPだ。

・ジェノサイド(youtube
シーン最初期のバンドの1つで結成は1979年、リリースしたのはフルアルバム1枚だけのはず。
だがこれが凄い。
究極にヘビーなリフで、ともすればドゥームメタルの領域に入ってもいるけどそこまで多くはない。
ボーカルも素晴らしく、超ハイピッチなボーカルは時にやり過ぎな部分もあるけど素晴らしいリフが即座に解決してくれる。

・クロウリー(youtube
素晴らしくユニークなバンドの1つで最高のリフとオペラのようなボーカルで構成されている。
オカルトテーマのファッションはヨーロッパで人気が出て、ヨーロッパでツアーをする計画もあった。

・ブリーズ・リースト(youtube
これも個人的に好きなバンドで、スウェディッシュメタルサウンドな時もあり、ネオクラシックな時もあった。
80年代に出したフルアルバムには最高のリフが入っている。
当時最高のバンドの1つだ。

・ファスト・ドロウ(youtube
マニラ・ロード(アメリカのバンド)、レジェント(イギリスのバンド)に影響を受けたエピック・ヘヴィメタル。
デモが最高に良い。

・マインカンプ(youtube
面白い名前(※マインカンプは『我が闘争』の原題)を持ったバンドで、デモ1枚、EP1枚を出して消滅し、数年後に再評価されてカルト的な人気を得た。
問題のEPには2曲しか収録されておらず、驚異的なスピードメタルだ。

・ザドキエル(youtube
80年代、ベノムに影響を受けた数多あるバンドの1つ。
シングルとEPしか出していない。
EPが凄い良作でそこかしこにベノムの要素が入っている。

・プローラー(youtube
強烈で荒っぽいスピードメタル。
プローラーはEPを1枚、Yoke of Steelと共同のEPを1枚出している。
ともかくそのEPは1回でも100回でも聞く価値がある。


■第3層:他の特記する価値のあるバンドと作品
Tabbasa:有角神舞踏
Eliza:Something Like Hot
Jewel:Jewel I
Heavy Metal Army:Heavy Metal Army I
Vanishing Point:Twilight Zone
Mell Rose:Slight Difference
Ageless:Barbed Wire EP
Ex Danger:Tyrant into the West
Rose:Rose EP
Van Veen:Over the Universe
Zinc Alloy:Heavy Metal Panic "Live" EP
Rajas:Turn It Up
Cry-Max:Cry-Max EP
Tilt:Stick into Yours EP
Hurry Scuary:Break It Up
Paranoia:Come From Behind
Saber Tiger:Rise EP, Crush & Dush EP
横須賀サーベルタイガー:Saber Tiger EP
Dancer:Violent Emotion
Majoran:Majoran EP
D'erlanger:La vie en rose
5X:Human Target
Marino:Target
United:Beast Dominate EP
Diass:Masters of Your Mind
Shella:Listen!
The Datura:One Night Dream



●comment
ありがとう。
ラウドネスは大好きだけど他のジャパニーズトラッドなヘヴィメタルバンドは知らなかったから、これから聞いていくのが楽しみだ。
ナイスワーク!

●投稿主
↑楽しんでくれ!

●comment
ありがとう。
最近80年代後期の日本のヘヴィメタルシーンが大好きになって、”もしデッドエンドが無かったらあり得んぞ”と思いながらスクロールしてた。
これは完璧だ。
今でも活動してるバンドもあるし、凄い新人バンドもあるね。
サーベルタイガー(youtube)、兀突骨(youtube)、リチュアル・カーネイジ(youtube)、キングス・イーブル(youtube)なんかが思い浮かぶかな。

●comment
素晴らしい一覧だ!
ウルフに対して自分と同じ感想なのが嬉しいね。
1987年のEPは良過ぎる。
英語ボーカルなのが更に良い。

●投稿主
↑その通り!
リフがあんなに良過ぎなかったらボーカルが一番好きなパートになってた。

●comment
素晴らしいね!
凄く良く調べてあるし、初めて名前を聞くバンドが多かった。
自分もデンマークのヘヴィメタルシーンについて書きたくなってきたよ。

●投稿主
↑ありがとう!
是非頼む!

●comment
これは良いね。
当時の音楽に興味がある人にはヘビーメタルアーミーをお勧めするよ。
基本的にはシンセを組み込んだアメリカの80年代コマーシャルヘヴィメタルに日本のエッセンスを取り入れたものだ。
初期の日本のメタルとしては珍しくボーカリストが日系アメリカ人だ。
結果として、若干ずれた英訳の歌詞を英語ネイティブスピーカーが歌うというユーモラスなものになっている。
このバンドのレコードが大好きで(後のイースタン・オービットも)、彼らの音に近いバンドは全然いない。

●comment
素晴らしい!
自分が知ってるのはラウドネスとX Japanだけだな。
両方共好きだからこのリストは間違いなく参考になると思う!

●comment
日本から出たバンドで一番人気が出たのはラウドネスだと思うぞ。
X Japanよりもワールドツアーを行ってるし1980年代にはアメリカのメジャーレーベルと契約してて、アクセプトやサクソンと同系列だと考えられてたし。
サイドノート:1980年代、日本のLPレコードはアメリカや西洋諸国のLPよりも質が良くて、日本のLPコレクターに見出されて人気が出たバンドもある。
ラウドネスの『THE LAW OF DEVIL'S LAND ~魔界典章~』はアクセプトの『レストレス・アンド・ワイルド』の人気に引っ張られてかなりの人気になったし。

●comment
デッドエンド?…ありきたりなバンド名だし実はたいしたことが無いんじゃ……と思っていた。 
この手のファンだったら絶対にデッドエンドのアルバムは聞くべきだ。
ファーストアルバムはここで紹介されてる通りだし、『GHOST OF ROMANCE』はドッケン(アメリカのヘヴィメタルバンド)の最高にヘヴィなアルバムみたいだ。
(つまり…『Back for the Attack』)
『shambara』も同じ位良い。
サウンドがユニークじゃなくてもこれ程いいバンドになれる。

●comment
アウトレイジがないだと?
むしろ驚きだぞ。
活動期間はたしか80年代中盤から後半だったはず。
サウンドが素晴らしくてある意味1984年頃のメタリカにも匹敵してる。

●投稿主
↑アウトレイジはちょっとスラッシュに入り過ぎてるんでこのリストに入れるのはそぐわないと思ったんだ。

●comment
↑それなら納得。

●comment
日本は俺の好きなトラッドシーンにかなり近い。
中でも最高に好きなのがクロウリー。

●comment
日本のメタルは大好きだけど子供の頃に見てたアニメの最高なOPを思い出すからちょっと贔屓目かも。
アンセムはチェックしてみないと。

●comment
X Japan最高!
2年前の横浜ライブを見に行ったよ。
滅茶苦茶良かった!

●comment
マジでサンクス!
チェックするバンドがかなり増えたぞ。
数年前に聖飢魔Ⅱの『FIRE AFTER FIRE』のライブ音源を知ってから大好きになった。
聖飢魔Ⅱについて語った人がいるのは今回が初めてだから気分が良いね。
投稿主に敬礼!

●comment
X Japan…
完璧なスピードメタルだ。

●comment
聖飢魔Ⅱの歌は海外にはブロックされてたような。
ちなみに彼らは90年代のアニメ『MAZE 爆熱時空』のOPを担当している。
凄くスレイヤーっぽいぞ。
仕事から帰ったらここで紹介されてるバンドをチェックしよう。

●comment
日本のメタルについて詳しい訳じゃないけど兀突骨、Intestine Baalismは良いアルバムをリリースしてるね。

●comment
70年代初頭に活動していた紫を忘れてはいけない。

●投稿主
↑忘れるわけない。
大好きだ。

●comment
ラウドネスは本当に素晴らしいバンドだ!
高崎晃のギターはいつも最高!
ボーカルが二井原実からマイク・ヴェセーラに変わってから聞くのを止めちゃったんだよな。

●comment
素晴らしいリストをありがとう。
日本はメタルシーンでかなり過小評価されてると思うし、そのせいで有名でよく取り上げられてるバンド以外の情報を掘り起こすのが凄く難しい。
他の時代、他のスタイルについてもまとめてくれる人がいると嬉しいんだけど。
絶対にチェックするよ。





X Japan、ラウドネスは海外でも頻繁にライブを行っていて高い人気を誇っています。
今の日本の音楽シーンに多大な影響を与えたバンドも少なくありません。




「WE ARE X」オリジナル・サウンドトラック
「WE ARE X」オリジナル・サウンドトラック