私は、あとほんの数日の出社で四年半勤めた会社を退職します。
29歳の時に入ったこの会社、気が付けば33歳になりました。
この退職を機に、田舎でフリーランスのアーティストとして仕事をすることになります。
当分は会社勤めをすることはないでしょう。
もしかして、これが最後の会社勤めかもしれません。
いや、そうであってほしい。
次の宮城での田舎暮らしは僕たち夫婦の第2の人生のスタートともいえます。
そのけじめとして、新たな生活を始めるに至った僕自身の「人生の時間の使い方」や「働き方」について、色々と思う事をまとめてみることにしました。
自分の働き方と自分が費やした時間
私の職歴は浅く、一般の人の経歴と比べると、ジャンルもバラバラで、フリーでずっと絵の仕事を続けてきた以外は、自身のキャリア形成にとって特に効率的に歳を重ねてきたとは言えません。
現在の会社に勤めた四年半という勤続期間も、僕にとっては最長ですが、一般的にみると全然短いと思います。
絵の仕事をする時間をいかに確保するか
という視点で、絵の仕事をする時間も捻出できそうな仕事を選んできました。
そのため、絵以外の仕事については、特に自身のキャリア形成は考えず選んできたこともあり、四年半という時間を振り返ってみると、とても長い期間のようにも感じられました。
四年半という人生の時間
仕事に費やした時間で、自分の人生を切り取ると、四年半という時間はとても長く感じます。
人生80年のうちの4年半
長いですよね。
僕はとてつもなく長い時間だと思います。
その四年半で色々なこともしましたが、あくまで「絵の仕事の補助的仕事」としていたため、その四年半で培った専門知識や能力は、その業界を離れた時点で廃れていってしまう可能性が高いです。
こうやって勤めた年数で振り返ると、自分の限りある人生の時間の中から「4年半」という時間だけが切り取られ、自分が費やしたこの時間は、良い時間だったのだろうか?正しい使い方をした時間だったのだろうか?
なぜかそう考えてしまいました。
人は物を買う時は、お金で買っていないのです。そのお金を貯めるための人生の裂いた時間で買っているのですよ。
世界一貧しい大統領といわれる、ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領の言葉です。
まさに、自分の人生を割いた時間で収入を得て、家族を養っていたわけですが、「自分の人生の時間の使い方」は果たしてそれでよかったのだろうか!?と、ふと立ち止まった時に思うのです。
実際、この会社での四年半は僕にとって必要な時間でした。そして、これから先の僕の人生の時間の使い方は、もう少し違った使い方をしてみよう、そう考えて行動をしてみることにしました。
会社勤めをして得た事
※妻の実家の庭で見つけた五つ葉のクローバー
僕が勤めていた会社は、製薬専門のマーケティング会社でした。
医療専門職の国家資格を持つ自分にとっては、近いジャンルの様で「マーケティング」という全くの別の職種でもありました。
担当した薬や疾患に関する知識は、専門医や製薬会社のプロダクトマネージャーと話ができるほど身につきましたし、担当した疾患の中には、小児白血病やワクチンなどがあり、子を持つ親として有益な情報も多く、我が事の様に仕事に取り組むこともできました。
もともと理系で、一時は研究するために大学院に進もう考えたこともある自分にとっては、「もしかしたらこの仕事、絵描きよりも向いてるかも」なんて思うこともありました。
しかし、息子が生まれ、育児休暇を取得して、育児の大変さ、楽しさを知ってからは、「妻と息子との時間」を中心に、仕事の在り方を考える様になりました。
この会社に勤めて良かったと思うのは「育児休暇をすんなり取得させてもらえたこと」です。
育児の大変さと楽しさに気づく事が出来たのも、1年半近くこの育児ブログを続けてこられたのも、育児休暇を取得させてくれたこの会社のおかげなのですよね。
この会社にいた四年半で得たものは、薬や病気の知識、マーケティングについてなど、仕事に関わることだけでなかったというのは、自分は良い職場にいたなと思わせてくれました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
働き方について考えるようになったのは育児休暇取得が大きな要因
※最初は子供といたい一心で取得した育児休暇。その結果、自分が想像していた「親になる」という事は、生半可な気持ちじゃいけないという事に気づき、生き方を変える決心をするまでになりました。
僕にとっては、息子が生後三か月になるころに取った一か月間の「育児休暇」が、働き方について考え直す大きなきっかけの一つになりました。
パパが育休を取得して感じた育児休暇を取って良かった7つの事! - 絵描きパパの育児実験記ロクLABO
僕は、
男性の育児休暇は
「お母さん一人では育児が大変だから取得するためのもの」ではなく、「男性も育児の大変さを同じ目線で理解するために取得すべきもの」
だと思っています。
育児休暇は、皆が皆、簡単に取得できるものではないことは重々承知です。
しかし、お子さんが生まれて間もないころに、一か月でいいから「育児に専念する」という時間を持つことで、日頃ツイッターなどで目にする「夫が使えない」「育児に主体性がない」等の問題は解消されるように思います。
男性の育児休暇取得のメリットは、人手が増えるという点よりも、「父親の育児の理解(楽しさ、大変さ)」が進み、母親のサポート役としてではなく、主体的に育児をするマインドが形成されるという点にあるように思います。
いずれにせよ、僕にとって育児休暇の取得は「育児の大変さと楽しさ」の両面を知ることができたいい機会となりました。
そして、ワンオペ育児ではどうしても無理が生じてきてしまう事、妻のストレスが溜まり体調を崩しがちになってしまう事、(僕たち夫婦にとっては)収入よりも一緒に育児をする時間の確保することの優先度が高くなった事に気が付きました。
ワンオペ育児中の妻が風邪でダウン!我が家に修羅場が訪れた - 絵描きパパの育児実験記ロクLABO
育児と絵の仕事をするため、毎日定時退社をお願いし、出張も断ってる自分は、出世や昇給も期待できません。残業をすれば収入は増えるけど、妻の育児負担も増え、僕も育児ができなくなり、本末転倒。それでは何のために働いているのかわからなくなる。
こんな時にいつも思い浮かぶ漫画の一コマ↓
※今の暮らし方、働き方が間違っているというわけではありませんが、 なぜか妙に納得してしまいます
生活を成り立たせるために一生懸命働いていますが、育児へ時間を割くと収入は減る。もう一人子供が欲しいけど、現状の収入、育児の方法では妻の負担が大きく難しそう。さてどうしよう?
僕の場合は、現状の働き方では「仕事と育児の両立」という課題を根本的に改善することが難しいと判断をしました。
「じゃぁ、働き方を変えるしかない」
と決断するまで、そう時間はかかりませんでした。
まぁ、もともと奥さん大好き、子供大好き、でこのようになることはある程度想像できていましたが、「妻の実家にお世話になってもっと育児をやりたい!!!」となるとは思ってもみなかったかも。
他人の人生をとやかく言う権利は誰にもない
※僕たち夫婦はここで息子を育てると決めました。そして、それが正解かどうかは誰にもわかりません。
ここまで書いてきたのは、僕自身の人生の時間の使い方について僕がどうしたいと思っているかであって、他の方の生き方についてどうこう言っているわけではありません。
僕とは違い、遅くまで残業していたり、土日も仕事をしている友人を何人も知っていますが、本当にすごいと思いますし、さらに、彼らの奥さんが、ほぼすべての家事と育児を一人でやっているというのも知っています。本当にすごいです。
皆さん、それぞれの環境下において、めちゃめちゃ頑張っています。
ただ僕はそっち方面の頑張りはできませんし、妻も「ムリ」とはっきり言っています。
僕たち夫婦には僕たち夫婦なりの頑張り方がありそうです。でもそれは、僕たち夫婦が理想の暮らしを実現するために、本当に死ぬ気で頑張らないといけないことばかりです。
何かあった時に責任を取るのは自分たち自身です。
そんな僕たち夫婦に、現在突きつけられている「耳をすませば」の雫の父親のこの言葉
人と違う生き方は
それなりにしんどいぞ
何が起きても
誰のせいにもできないからね
ごもっともです!
さて、移住の準備に取り掛かろう! 第2の人生のスタートです!
引き続き、僕たちの子育てがどうなっていくか、当ブログにてお付き合いください^^
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ブラックバスはNGで錦鯉は綺麗だから許されるって発想は、NZ留学中に出会った「クジラは賢いから殺すな」しかし「カンガルーは別に」って主張をしていた人間と発想が同じ気がする。 / “錦鯉の放流は何故「絶対に」あってはならないのか …” https://t.co/cADdZFUKU3
— ロクパパ (@ekakipapa) 2017年5月6日