国連 平和運動議長の勾留に懸念
アメリカ軍施設の建設に反対する活動を行っていた、沖縄平和運動センターの議長が公務執行妨害の罪などで逮捕・起訴され、5か月余りにわたり勾留されていたことについて、国連人権理事会の特別報告者など4人が、日本政府に送った緊急の声明が公表されました。
声明では、逮捕や長期間の勾留に懸念を示しています。
この声明は、各国の人権状況を調査する国連人権理事会の特別報告者など4人が、今年2月28日付けで連名で出したもので、このほど公表されました。
声明は、アメリカ軍施設の建設に反対する活動中に、沖縄防衛局の職員にけがをさせたなどとして、沖縄平和運動センターの議長、山城博治被告が傷害や公務執行妨害の罪で逮捕・起訴され、今年3月まで5か月余りにわたり勾留されていたことについて、日本政府に懸念を伝える内容となっています。
声明では、山城議長の活動は、表現の自由や平和的な集会の権利に基づくものと考えられるとして、犯罪として摘発されたことに懸念を示しています。
さらに、長期間の勾留に関し適切な法的手続きが欠けているという指摘があるとして、国際人権規約に基づき、裁判の前に恣意的に自由を制限しないよう日本政府に求めています。
これに対し日本政府は、今年4月、「山城議長の逮捕、勾留は日本の刑事訴訟法に基づき適切に行われた。恣意的に勾留したという指摘は完全な間違いだ」として、批判は当たらないとする回答を送っています。
声明を受けて、沖縄平和運動センターの山城博治議長は、NHKの取材に対し「長期勾留は私たちの運動に対する弾圧に他ならない。
国連が私たちの運動を正当に評価してくれたことは、大きな励みになった」と話しています。