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♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
お米屋さんで働く三男君にはどんなお盆休みが訪れたのでしょうか。
(三男)♪「お店の仕事は 辛いけど」
♪「胸にゃ でっかい 夢がある」と。
ただいま 戻りました。
(さおり)つらいんだ? お店の仕事が。
あっ いや あれは歌ですから。
あの つい その 鼻歌が…。
思わず 歌いたくなるぐらいうれしいんだ? お盆に帰るのが。
いや そんなこと…。
(善三)お盆休みか。いいよな 帰れる所があって。
えっ… あ…。
(ため息)
死んだ女房なお盆だから あれだろ魂が うちに帰ってくるだろ。
はい。でもな いねえんだよな おめえは。
帰るんだよな。
会ってやってほしかったな…。
あの…奥様には 改めて お墓参りに…。
(舌打ち)ダメか。
最低。何がだよ?
おめえだって 嫌だろうが。
三男が いなくなって3日間も 2人になるのは。
それと これとは 別。
お母ちゃんを だしに使うとか許せない。
顔も見たくないわ。三男君と一緒に 茨城 行けば?
あぁ そうするよ。いやいやいや!
あっ じゃ 私が行く。いやいやいや!
嫌なんだ? 私じゃ。いや 何で そうなんですか?
もう 無理ですから。切符が取れませんから!
絶対 取れません!
♪~
まっ そんなこんなでやっとの思いで 奥茨城村に帰った三男君ですが…。
(きよ)何で帰ってくんだおめえだけ。あ?
(きよ)みね子も時子もいろいろ忙しいし金も かがっから 正月まで我慢するっつうじゃ
ねえが。何で 帰ってくんだよおめえだけ。母ちゃん 立場ねえわ。
奥茨城母の会の会長としての立場どうしてくれんだ!
何だよ。せっかぐ帰ってきたのによ…。
(3人)ハハハハハ!
(征雄)元気そうだなや。えっ? 父ちゃん…。
(太郎)顔が ちっとは男っぽぐなったんじゃねえのが。
兄ちゃん… そう?
そうでもねえが。(3人)ハハハハハ!
何だよ もう…。
あどで 美代子と君子が来る。みね子と時子のこど 話してやれ。
(美代子)元気そうだね 三男君。
(君子)頑張ってんの?はい おがげさんで…。
あっ みね子と時子ですけど…。(2人)うん。
工場は日曜休みで 俺が日曜休みじゃねえもんだがらそんなに会ったりはでぎねえんで
すけど。
元気で頑張ってます 2人とも。うん。
心配してっかもしんねえけど東京さ 行って変なふうに変わったりとが浮がれたりとが全
ぐしてねえです。
ちゃんと 俺たぢ地に足つけで頑張ってます。
そう。
みね子は 最初 仕事あんまし うまぐでぎなくて苦労したみたいです。
詳しくは分がんねえけど 何か寮の仲間が すごぐいいみたいでみんなに応援されでち
ゃんと 自力ででぎるようになったみたいです。
あ~ そう…。あっ!
お母ちゃんにもらったっつう服大事に着てましたよ。
で 時子は 聞いてっかどうか…。
何にも言ってこねえのよあの子は!
あっ そうですか…。
俺が言っていいのがどうが分がんねえけど何か 一度 テレビ局とがのオーディション?
とがっつうのに行ったけど緊張しちまって全然ダメだったみたいで 落ちて。
そう…。
あっ でも劇団とがいうとごろで芝居の稽古に 仕事 終わってから行ってるみたいで。
大丈夫ですよ 時子は。そうけ。
そうけ… そうけ…。
これからも よろしくお願いします三男君。
よろしくね 三男君。いや とんでもねえです…。
(美代子)ありがとう 会長!何 言ってんだ 副会長!
(君子)ありがとね 会長。だから 何 言ってんだ 副会長。
(美代子)会長のおかげだよ。何だ それ!
何 言ってんだ副会長いればこそだよ。
会長と副会長しかいないんですね。
そして 三男君は 大忙し。
なぜだか この人まで。
あっ どうしたんですか?宗男さん。
(宗男)いや おめえが帰ってるって聞いたがらよ。
あっ みね子のこどが心配で?
いや あいづは大丈夫なんだっぺ?あ… まぁ…。
あっ じゃ 実さんのこど?
いや そんなこど お前に聞いでもしゃんめえ。
まぁ そうですけど。
どうだ? 東京。どうって?
おめえよ ビートルズ 聴いでっか?
ビートルズ? 何ですか? それ。
はぁ!?
もう やんなっちゃうな~奥茨城の若者は!
何で そんなに おくれてんだ?音楽だ 音楽! ロックンロール!
「抱きしめたい」とが聴いてねえのが?
すみません…。
あっ 分がった!
アメリカだがイギリスだが フランスだがの音楽?
テレビのニュースで見ましたよ 一度。おう おう おう!
すばらしかっぺ?かっこいがっぺ? しびれだっぺ?
いや とぐには何も。(舌打ち)
あれでしょ? あの…髪の毛 女みだいに伸ばして軟弱な感じの いげ好かない…。俺
のこどが? それ!
おっ!? いや!
まっ いいわ。
あのな みね子がな東京 行ぐとぎによビートルズに関する情報とがあったら教えてくれ
って。
手に入るもんがあったら金は払うがら 買っててくれって言ったんだけどよあいづよ忘れ
てんじゃねえがと思うんだ。
「元気です」って手紙は時々 来んだけどよ。
ビートルズの「ビ」の字もねえんだわ。はぁ。
東京の若者の間では ビートルズ旋風が吹き荒れでんじゃねえのが?
俺よ それを読んでよ居でも立っても居られなぐなってんだよ。
いや とぐには吹き荒れではいないような…。
はぁ? おがしいなぁ 何だっぺ…。
(ため息)
すみません お役に立でなくて。
まっ いいんだけどな…。
…で どうよ? 仕事の方は。
いや 今更 聞かれでも。ハハハハハ!
うわっ! いや ちょっと!
東京 来ても俺んとこ 来ないで下さいよ。
何 言ってんだよ!寄るよ 寄るに決まってっぺ!
いや いいですよ! だって それに毎朝 パンに納豆ですよ。
あぁ 俺 それ 好きだ。毎朝 それだ。
えっ!?おう! おう!
頑張れよ お前 三男俺が行くまで。
いいですよ 来なくて!何 言ってんだよ!
いたたたた! いたたたた!いだい! 何で!?
というわけで三男君の里帰り編でした。
ちょっと長かったですかね。
そして 季節は 秋から冬へ。
(みね子)寒ぐなってきたねえ。(時子)んだねぇ。
幸子さん 山形じゃないですか。
寒いのには強いんですか?やっぱし。
(幸子)そんなごどないよ。北の方の人間でも 寒いの平気なわけじゃないがらね。私
あんまり好きじゃないし。
(豊子)私んところは すごいですよ 雪。私より高いぐらい。時子さんよりも高ぐ積もりま
すよ。
(澄子)え~! んだか?(豊子)んだ。
(澄子)すげぇな!(豊子)んだべ?
(時子)そういう例に私 使うの やめて。
しかも それで驚くの やめて。(2人)すいません…。
でも すごいんだね 雪。
(時子)ね! そんな雪 見たこどねえよ。
んだねえ。
フフフ! フフフ!
給料日だね 明日は。
んだねえ。そうだった。
あ…。
(幸子)松下さん?
(松下)おっ! 銭湯?
(幸子)はい。
(優子)こんな時間までお仕事だったんですか?
えっ? あ…。
うん まぁね。
あっ 銭湯?
はい。(松下)そう。じゃ 気を付けて帰って。
はい。ご苦労さまでした。
何か 疲れてるっつうが元気ないよね 松下さん。
(幸子)うん…。工場で 何か あっだのがな?
えっ?何か 難しい顔とか多いですよね。
そうそう!(澄子)そうなのがぁ?
あんた ぼんやりしてんねえ。
のんきだねえ。
♪~
(松下)ちょっと すいません皆さん 注目。え~ 今月から 皆さんのお給料が1割程度
減額となりました。
(どよめき)申し訳ありません!
原因は アポロン社が生産台数の調整に出たことです。それに伴い 我が社の売り上げ
も落ちてしまいました。皆さんに落ち度はありません。
(どよめき)
<お父さん…。お給料が今月から 下がりました>
いつまで耐えればいいんですか?
何かさ 納得できねですよね。
んだよね…。仕事は ちゃんとやってるもんね。
そんですよ。
幸子さん 大丈夫なんですかね?
うん 困ったね…。(ノック)
(幸子)はい。・いいかな?
(幸子)はい。
愛子さん今 私 伺おうと思っでたんです。
(愛子)うん 分かってる。
(優子)はい…。
(ドアが閉まる音)
松下さんの説明のとおり業績が今落ちてしまったみたいでね。
苦しいんだね…。
あなたたちのせいじゃないのにね。ごめんね。
でもね何度もあった こういうこと。
経験してきた。
でも 向島電機は持ち直した。
そんだけの力がある会社だと私は思ってる。
だからここは我慢して 頑張ろうね。
大丈夫! 向島電機はねそんなやわな会社じゃないよ。
私は そう信じてる。 ね!
はい。はい。
はい。はい。
はい。はい。
♪~
じゃ ちょっと隣の部屋に行ってきます。
♪~