近鉄グループホールディングスは25日、三菱総合研究所と組んで、仮想通貨を使った実証実験を近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店(大阪市)で始めると発表した。スマートフォン(スマホ)のアプリを活用し、買い物時に店舗のタブレット端末に送金するだけで決済ができる。
仮想通貨「近鉄ハルカスコイン」はあべのハルカス内の店舗約200店や展望台で使える。抽選で選ばれた参加者5千人は店頭で5千円を払うと、スマホのアプリに1万円相当のコインがもらえる。実験期間は9月1日から1カ月間。
電子データの改ざんを防ぐため基盤技術「ブロックチェーン」を活用し、複数のコンピューターで取引記録を管理する。実証実験により実用化に向けた技術や運用面の課題を洗い出す。吉田昌功社長は「将来は仮想通貨を沿線に導入して活性化につなげたい」と述べた。