クモの巣の1本目はどうやって張っているのか?

心から憤りを感じざるを得ませんクモの巣には。しょっちゅうですよ。家の裏口を歩いてると無防備な顔面にブワァー!回数にして3ケタ行くぐらい右肩あがりで成績を伸ばしてます。『怖い!本体が!本体が今僕の体の!どこかに!いるんじゃないのか!?』と一人でキョロキョロ取り乱し謎の民族ダンスを踊る形になります。気持ち悪い&虫と接触の恐怖。本当に最悪です。

 

しかしクモは害虫を食べてくれると聞きますので、殺すようなことはしません。僕はもう、殺しはやめたのです。でも気持ち悪いものは気持ち悪い。あのプニプニしたお腹とか本当無理。確かに嫁さんのお腹もプニプニしてますが、少しだけ事情が異なります。飲食店のブログで虫の話をするのも気が引けて来たので本題に入りたいと思います。

 

クモは一体、どうやって巣を作っているのか?もっと突き詰めれば、最初の1本目はどうやって張っているのか?顔面巣ブアーは大嫌いなのですが、芸術品としての巣は好きです。めっちゃきれいです。『すげー』と思って見入ってしまう事もあるのですが、ちょうどその時にこの『最初の一本は?』という疑問が生まれました。

 

皆様ご存知の通り、クモは空を飛ぶことができません。いや、あんな未確認生命体に飛ばれたらたまったもんじゃありません。『飛べないとしたら、、、』ここで思考は停止。いくら考えても答えは出ません。僕はこの疑問を自宅へと持ち帰り、研究に没頭しました。考え続ける事3日。僕は5つの仮説を立てる事に成功しました。2008年、夏の出来事です。

 

 


・A地点からB地点へ最初の1本を張るのが目的

・両地点の幅は1メートル

・両地点の間には深さ3メートルの溝

 


【仮説1】Aに糸をくっつけて一度下まで降り、Bまで登る。単純計算で糸の長さは7メートルになります。掃除機みたいに糸を体に巻き取る機能がついていないと無理なので却下。


【仮説2】Aに糸をくっつけてBにジャンプ。1メートルもジャンプできるわけありません。確実に落ちます。全く勉強せずに英検準2級うけるくらいの確率で落ちます。却下。


 

【仮説3】Aに糸をくっつけて50センチくらい伸ばし、自分自身を振り子の玉にして、最大瞬間風速を記録した瞬間にあと50センチ伸ばす。これを行うには体を振れる十分な両サイドのスペースが必要です。逆に言えば壁と壁の間に巣を張ることが不可能。クモはそんな可能性の狭い進化をしてきたワケじゃない。却下。

 


【仮説4】Aに糸をくっつけず、糸をたらし、自然の風に乗らせてBに引っ付くのを待つ。どう考えても先にAの下らへんに不時着『あーもう!なんでそこにくっつくの!?』ってイライラしそう。却下。

 


【仮説5】AからBへ糸を飛ばす。こ、これは!そうだ確かにスパイダーマンも糸を飛ばしていたじゃないですか。一昔前の結婚式で使われそうなスプレー缶みたいな感じで!これっぽい!でも実際見たことない。可能性が一番あるのはこれと思うけど、こう、決め手となるような根拠がない。うーん。

 


 

  

いくら考えてもキリがないのでわたくし、ユメニティ直方と合併している図書館まで調べにいきました。このデモンズウォールの様な壁にぶち当たった当時は、今の様にインターネットは普及しておらず、というより使いこなせていなかっただけなのですが。要するにグーグル先生に聞くという選択肢がなかったので、休日を半日潰してまでこの問題に真摯に取り組んだのです。 

 

 

クモの文献を探すこと10分。ついにクモの糸の特性についての書籍を発見。なんとクモの糸には色々な種類がある事が発覚!クモの銘柄にもよりますが、一番多いクモで6種類くらいの糸を使い分けているとの事。巣の縦糸と横糸はそれぞれ別の性質を持っており、獲物を巻く糸も専用の物を使っている。すごすぎる。

 

そして気になる、最初の一本目の張り方は!?まさかの『風にまかせる』だったのです!奇跡的に【仮説4】が大当たりしてしまったのです!要するにクモの巣は運任せで完成している芸術品だったのです!でも風に任せて、クモ自身がやる気のでない変な場所に糸がついてしまったらどうするんでしょうかね。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦で、納得いく場所にくっつくまで、延々とやり続けるのかもしれません。大変ですよ、クモの人生も。ただ、せっかく頑張って作るのですから、人間の通り道には張らない方がいいですよ。一瞬で壊されますから顔面という武器で。