文部科学省前次官が会見「文書なかったことにできない」
これについて、当時の文部科学省の事務次官だった前川喜平氏が記者会見を開きました。
この中で、前川前次官は一連の文書について「私が在職中に専門教育課で作成されて受け取り、共有していた文書であり、確実に存在していたものだ」と述べて、文部科学省で作成された文書だと主張しました。そして、「私が発言をすることで文部科学省に混乱が生じることは大変申し訳ないが、あったものをなかったことにはできない」と述べました。
そのうえで、「官邸、内閣官房、内閣府という政権中枢からの要請に逆らえない状況があると思う。実際にあった文書をなかったことにする、黒を白にしろと言われるようなことがずっと続いていて、職員は本当に気の毒だ」と話しました。
また、特区制度のもと、今治市と加計学園が選考されたいきさつについては、「結局押し切られ、事務次官だった私自身が負わねばならない責任は大きい」と発言したうえで、「極めて薄弱な根拠で規制緩和が行われた。公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられたと思っている」と述べました。
さらに、「証人喚問があれば参ります」と述べ、国会でも一連の経緯について証言する意向を示しました。
会見は、弁護士が同席して1時間以上続き、前川前次官は、時折、汗を拭いながら、質問に答えていました。
前川前次官は、文部科学省の天下り問題の責任をとり、ことし1月、辞任しています。
官房長官 怪文書の認識変わりない
また、菅官房長官は、文部科学省による再調査の必要性について、「文部科学省で1回調査し、『文書の存在は確認できなかった』と松野大臣が言っているので、それ以上でもそれ以下でもない」と述べました。
さらに、菅官房長官は、記者団が、「政府としては、文書の存在は無かったということか」と質問したのに対し、「そういうことではないか」と述べました。
松野文科相「会見の様子知らない」
自民 小此木国対委員長代理「国会招致 必要性感じない」
公明 大口国対委員長「何らかの意図感じる」
民進の調査チームに文科省「文書は確認できず」
これに対し、文部科学省の担当者は、「前川氏の発言は確認していない。すでに調査したが、文書は確認できなかった。われわれとしては調査したので、それに尽きる」と述べました。
調査チームは今後、前川氏から直接、事実関係について話を聞きたい考えで、会合への出席を求めていくことにしています。
民進 山井国対委員長「政府の隠蔽明らかに」
共産 穀田国対委員長「文書の信ぴょう性高まった」
維新 遠藤国対委員長「証人喚問か参考人招致必要」
問題となった文書とは
「内閣府の回答~総理のご意向」
このうち、「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」と書かれた文書は、今治市に獣医学部を設置する時期について、「最短距離で規制改革を前提としたプロセスを踏んでいる状況で、これは総理のご意向だと聞いている」と書かれています。
「内閣府からの伝達事項」
別の文書では、内閣府側が、平成30年4月にこの学部を開学するのを前提に文部科学省側に最短のスケジュールを作成するよう求めたと記されています。さらに、内閣府側が「これは官邸の最高レベルが言っていること。山本大臣も『きちんとやりたい』と言っている」などと述べたと書かれています。
「内閣幹部メモ」
さらに、内閣官房の幹部からの指示をまとめたとする10月7日の日付のメモには、「四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明がつく」という発言のほか、「加計(かけ)学園が誰も文句が言えないようなよい提案をできるかどうかだ」という発言が記されていました。
「9/26メモ」
去年9月下旬の日付が書かれた文書には、内閣府と文部科学省との打ち合わせとされる内容が記されていて、このなかで内閣府の幹部は「平成30年4月にこの学部を開学するのを大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」と文部科学省側に要請しています。これに対し、文部科学省側が、「今治市の構想を実現するのは簡単ではない」と答えると、内閣府側は「できない選択肢はない。やることを早くやらないと責任をとることになる」と述べたと記されています。
「11/8のメール」
メールの画面を印刷したと見られる文書には、文部科学省の担当者が加計学園について省内の関係する部署に一斉にメールを送信したとされる内容が書かれています。この中では、獣医学部の設置場所が決まる前に、担当課の職員が大臣や局長から、「加計学園に対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨、早急に厳しく伝えるべき」と、特定の学校法人の申請内容について指示を受けたと記されています。
これらの文書やメールについて、松野文部科学大臣はいずれも「調査の結果、確認できなかった」としています。
文部科学省前次官が会見「文書なかったことにできない」
学校法人「加計学園」が愛媛県今治市に設置する計画の獣医学部をめぐり文部科学省の前川前事務次官が記者会見を開き、「総理の意向だ」などと記された一連の文書について、「確実に存在していた。あったものをなかったことにできない」と述べたうえで、「極めて薄弱な根拠で規制緩和が行われた。公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられた」と訴えました。
国家戦略特区により、学校法人「加計学園」が愛媛県今治市に来年4月に設置する計画の獣医学部をめぐり、先週、国会でその選考の途中に内閣府が文部科学省に対して「総理の意向だ」などと発言したとする複数の文書の存在が指摘されました。文部科学省は調査した結果、「該当する文書は確認できなかった」と説明しています。
これについて、当時の文部科学省の事務次官だった前川喜平氏が記者会見を開きました。
この中で、前川前次官は一連の文書について「私が在職中に専門教育課で作成されて受け取り、共有していた文書であり、確実に存在していたものだ」と述べて、文部科学省で作成された文書だと主張しました。そして、「私が発言をすることで文部科学省に混乱が生じることは大変申し訳ないが、あったものをなかったことにはできない」と述べました。
そのうえで、「官邸、内閣官房、内閣府という政権中枢からの要請に逆らえない状況があると思う。実際にあった文書をなかったことにする、黒を白にしろと言われるようなことがずっと続いていて、職員は本当に気の毒だ」と話しました。
また、特区制度のもと、今治市と加計学園が選考されたいきさつについては、「結局押し切られ、事務次官だった私自身が負わねばならない責任は大きい」と発言したうえで、「極めて薄弱な根拠で規制緩和が行われた。公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられたと思っている」と述べました。
さらに、「証人喚問があれば参ります」と述べ、国会でも一連の経緯について証言する意向を示しました。
会見は、弁護士が同席して1時間以上続き、前川前次官は、時折、汗を拭いながら、質問に答えていました。
前川前次官は、文部科学省の天下り問題の責任をとり、ことし1月、辞任しています。
官房長官 怪文書の認識変わりない
また、菅官房長官は、文部科学省による再調査の必要性について、「文部科学省で1回調査し、『文書の存在は確認できなかった』と松野大臣が言っているので、それ以上でもそれ以下でもない」と述べました。
さらに、菅官房長官は、記者団が、「政府としては、文書の存在は無かったということか」と質問したのに対し、「そういうことではないか」と述べました。
松野文科相「会見の様子知らない」
自民 小此木国対委員長代理「国会招致 必要性感じない」
公明 大口国対委員長「何らかの意図感じる」
民進の調査チームに文科省「文書は確認できず」
これに対し、文部科学省の担当者は、「前川氏の発言は確認していない。すでに調査したが、文書は確認できなかった。われわれとしては調査したので、それに尽きる」と述べました。
調査チームは今後、前川氏から直接、事実関係について話を聞きたい考えで、会合への出席を求めていくことにしています。
民進 山井国対委員長「政府の隠蔽明らかに」
共産 穀田国対委員長「文書の信ぴょう性高まった」
維新 遠藤国対委員長「証人喚問か参考人招致必要」
問題となった文書とは
「内閣府の回答~総理のご意向」
このうち、「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」と書かれた文書は、今治市に獣医学部を設置する時期について、「最短距離で規制改革を前提としたプロセスを踏んでいる状況で、これは総理のご意向だと聞いている」と書かれています。
「内閣府からの伝達事項」
別の文書では、内閣府側が、平成30年4月にこの学部を開学するのを前提に文部科学省側に最短のスケジュールを作成するよう求めたと記されています。さらに、内閣府側が「これは官邸の最高レベルが言っていること。山本大臣も『きちんとやりたい』と言っている」などと述べたと書かれています。
「内閣幹部メモ」
さらに、内閣官房の幹部からの指示をまとめたとする10月7日の日付のメモには、「四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明がつく」という発言のほか、「加計(かけ)学園が誰も文句が言えないようなよい提案をできるかどうかだ」という発言が記されていました。
「9/26メモ」
去年9月下旬の日付が書かれた文書には、内閣府と文部科学省との打ち合わせとされる内容が記されていて、このなかで内閣府の幹部は「平成30年4月にこの学部を開学するのを大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」と文部科学省側に要請しています。これに対し、文部科学省側が、「今治市の構想を実現するのは簡単ではない」と答えると、内閣府側は「できない選択肢はない。やることを早くやらないと責任をとることになる」と述べたと記されています。
「11/8のメール」
メールの画面を印刷したと見られる文書には、文部科学省の担当者が加計学園について省内の関係する部署に一斉にメールを送信したとされる内容が書かれています。この中では、獣医学部の設置場所が決まる前に、担当課の職員が大臣や局長から、「加計学園に対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨、早急に厳しく伝えるべき」と、特定の学校法人の申請内容について指示を受けたと記されています。
これらの文書やメールについて、松野文部科学大臣はいずれも「調査の結果、確認できなかった」としています。