FP3級、FP2級と独学用のおすすめテキストを紹介してきましたが、今回紹介するFP1級(きんざい)の独学用おすすめテキストでFP試験に関するおすすめテキストの紹介は最後になります。
FP1級は、FP2級と比べると格段に難易度が上がっており、合格するためにはかなりの勉強時間が必要だと思います。
ですが、勉強さえしっかりすれば合格できる資格であることは間違いないので、しっかりと勉強時間を確保できる方は挑戦してみてはどうでしょうか。
FP1級の受験資格に注意
この記事を読むほとんどの方はFP1級に興味があるか、挑戦しようと考えている方だと思うので、自分に受験資格があるかどうかはすでに知っているはずです。
なので、細かな受験資格の説明はしません。
ただ、それだとあまりに不親切なので、簡単に注意点だけを説明しますね。
FP1級は、FP2級やFP3級と比べて、受験資格が厳しくなっています。
何が厳しくなっているかというと、「FP1級を受験するには実務経験が必要」だというところです。
ここが厳しくなっているので、実務経験がない方はFP2級の資格を持っていても受験ができないことになります。
私は会計事務所等で実務経験があったので受験することができました。
実務経験にはアルバイトも含まれたりと、けっこう幅広く認めてくれたと思うので、自分に実務経験があるかどうか気になる方は、「一般社団法人金融財政事情研究会」のホームページのQ&Aに詳しく書かれてあるので確認してみてください。
これからFP2級、3級を取得する予定だという方はこちらの記事を読んでみてください。
FP1級受験時に使用した独学用教材
まずはFP1級受験時に購入した教材のすべてを撮った画像を貼っておきます。
正直な話「これは必要なかったなぁ」という教材もありますが、ここに用意したくらいのテキストや問題集をやり込めば、合格ラインに到達することは可能だと思います。
実際、私も画像にある教材だけで合格することができましたし。
それではテキストや問題集の中身を説明していきますね。
必要ないと感じた教材もFP業務をやっている方にとっては有用な気がしたので、いちおう紹介しておきます。
FP1級の基本テキスト
私が使用したテキストはこれです。
FP1級に合格するために私が使用したテキストはTAC出版の「よくわかるFPシリーズ」で、「合格テキストFP技能士1級の①~⑥」というテキストです。
ここで以前から私のブログを読んでくれている方は「あれ?」と思われたかもしれません。
そうです。私が好きな「みんなが欲しかったシリーズ」ではないのです。
それもそのはずで、私が受験した当時は「みんなが欲しかったシリーズ」のFP版は2級までで、1級は出版されていなかったんですよ。
当時の私も残念に思いながら仕方なく「よくわかるFPシリーズ」を購入しました。
仕方なく購入した「よくわかるFPシリーズ」ですが、テキストの内容自体に問題はなく、これだけでしっかりと合格に必要な知識を身につけることはできました。
「よくわかるFPシリーズ」の基本テキストの特徴を簡単にまとめます。
- TACが長年にわたり試験を分析した結果、合格に必要だと判断した知識がつまっている。
- 図解が豊富で解説も分かりやすい。
- 各章末には、その章に関するチェックテストがあるので、そこで理解度を確認できる。
- 個人的にありがたかったのは、テキストが薄いこと(笑)。6冊もあって大変ではありますが、1冊が薄いのでなんとかやる気が失せずに頑張れました。
- 最後は不満に思った箇所で、テキストが薄いのは良いのだけれど、その分1ページに字を詰め込みすぎている感があるので、人によっては好き嫌いがありそう。
「よくわかるFPシリーズ」のテキストの特徴はこのぐらいですかね。
私は「みんなが欲しかったシリーズ」のFP1級版は使用したことはないのですが、もし今から受験するとしたらやはり「みんなが欲しかったシリーズ」を使用すると思います。
でも「よくわかるFPシリーズ」もすごく良いテキストですから、どちらを選ぶかはその人の好みによって違ってくると思います。
一度、両方のテキストを実際に手にとってから決めるのもいいかもしれませんね。
後、注意してほしいのは今から購入を考えている方は、6月頃に最新版が発売されるので、そちらを購入してくださいね。
FP1級の問題集
次に使用した問題集の画像を貼ります。
問題集も「よくわかるFPシリーズ」のもので、「合格トレーニングFP技能士1級」という問題集です。
問題集の特徴を簡単にまとめますね。
- TACが過去の試験問題の出題傾向を分析し、過去問から頻出されている問題を厳選している。
- 問題が表に書かれてあり、ページをめくった裏に解答・解説が書かれてあるので、解答を隠して問題を解いたりする必要がなくて便利。
- 節目で「重要ポイントをまとめ」として最重要論点が書かれているので、試験前にチェックするのに役立つ。
- 解説はあっさりしているが、分かりやすくて良い。
とりあえず、こんな感じでしょうか。
私はこの問題集を1回だけ全部解いて、2回目は間違えた問題だけを解きました。
人によって違うと思いますが、3回くらい解けば十分に合格レベルに達すると思います。
FP1級の直前予想模試
次は直前予想模試です。
直前予想模試はTAC出版の「試験をあてるTAC直前予想FP技能士1級」です。
私はこの直前予想模試を3回分やって、間違えた箇所を繰り返し解いて本番の試験にのぞみました。
直前予想模試が1冊だけだと不安に思う方もいると思うので、時間のある方は他の大手専門学校が出版している直前予想模試も購入してやってみてはどうですかね。
私も時間があれば、3冊くらいは直前予想模試を解いてから本番の試験にのぞみたかったですから。
FP1級の実技試験(きんざいが実施する口述試験)に必要な教材
まずはFP1級の実技試験(口述試験)に使用した問題集を貼ります。
FP1級の場合、学科試験に合格した後に、別の日に実技試験があります。
面接官と向かい合っての口述試験(面接試験)です。
実技試験は合格率が高いこともあり楽勝だと思う方もいるかもしれませんが、決して舐めてはいけません。
油断すると不合格になってしまいますよ。
私のように・・・
私は学科試験を1発で合格して調子にのっていたのか、実技試験も受かるだろうと、ほぼ勉強せずに受験して不合格になりました。
おかげで25,000円という高い受験手数料を無駄にしてしまいました。
これから受験する皆さんには私と同じ過ちを犯してほしくないので、絶対に油断することなくこの「FP技能検定1級実技対策問題集資産相談業務」をしっかりと解いてから受験してください。
実技試験対策の問題集は何故かこれしかなかったような気がします。
なので、独学者はこの問題集で対策するしかないかも知れませんね。
それにもかかわらず、この問題集は毎年発売されないんですよね。
いま発売されているので一番新しいのは、2014年に発売されたもの(画像のもの)です。
確か、3年に1度のペースで発売されていたような気がします。
もしかすると、2017年の12月あたりに新しい実技対策問題集が発売されるかも知れないので要チェックです。
次の画像はあまり必要ないなと思った教材です。
これは「FPマニュアル」という教材ですが、実技試験対策にもなるとは思いますが、それよりも実際に仕事でFP業務をされている方におすすめしたい教材です。
実技試験は、「FP技能検定1級実技対策問題集資産相談業務」だけで十分です。この問題集をしっかりとやることが大事です。
FP1級の実技試験(日本FP協会が実施する筆記試験)に必要な教材
FP1級の実技試験(日本FP協会が実施する筆記試験)に使用した「1級FP技能検定実技試験(資産設計提案業務)精選過去問題集」の画像です。
実は、FP1級の実技試験には2通りの合格方法がありまして、ひとつは「きんざい」が実施する実技試験で、もうひとつは「日本FP協会」が実施する実技試験です。どちらの試験を合格しても「1級FP技能士」です。
特にこだわりのない方は合格しやすい日本FP協会が実施する実技試験を受験してはどうでしょうか。
受験手数料も20,000円ときんざいが実施する面接試験よりも5,000円安いですし、この問題集も毎年のように出版されていたと思うので、新しいものが手に入りやすいですから。
私もきんざいが実施する口述試験(面接試験)に落ちた後、日本FP協会が実施する筆記試験を受験して合格しました。
この問題集をしっかりと解けば、FP1級の学科試験に合格した人は実技試験も合格できるはずです。
FP1級の合格率
ホームページを確認すれば、簡単に調べることができるので書く必要もないような気がしますが、いちおうFP1級の合格率を書いておきますね。
FP1級の学科試験の合格率は最近だと5~15%なのですが、12%くらいと考えておけばいいと思います。
そして学科試験に合格した後に待っているのが実技試験です。
その実技試験の合格率は、きんざいが実施する口述試験(面接試験)でなんと80%もあります。
私はこの数字にだまされて、何の試験対策もせずに受験して不合格になったんです。
試験後に実技試験対策の問題集を解いて、「試験対策にFP技能検定1級実技対策問題集(資産相談業務)をやっておけばよかった」と悔しい思いをしたのを今でも覚えています。
よく考えると、合格率約10%の学科試験に合格した人のうちの80%が合格するということは、学科試験に合格した猛者のうち20%も不合格になるんですよ。
こう考えると決して油断してはいけない数字なんですが、当時の私は「合格するでしょ」みたいな軽いノリで受験をしてエライ目にあいました。
その後、気を取り直して日本FP協会が実施する実技試験を受験したのですが、その合格率は96%(私の受験時)です。
これにはさすがに受かるだろうと思ったのですが、前回の口述試験で痛い目にあっているので、今度はしっかりと「1級FP技能検定実技試験(資産設計提案業務)精選過去問題集」を解いて試験に挑みました。
試験後の感想は、合格率96%の実技試験でさえ、しっかりと試験対策をしていなかったら不合格になっていたというものです。
もし試験対策をしていなかったら、と思うとゾッとしました。
それに日本FP協会の実技試験の合格率が最近80%台まで下落しているので、これから受験する人は絶対に油断せずに試験対策をするべきです。
FP1級ともなれば、合格率だけをみて判断してはいけないようですよ。
これから受験される方が私と同じように油断してしまわないように願っています。
FP1級の口述試験(面接試験)での苦い思い出
さきほども言った通り、私は学科試験は1発で合格したものの、実技試験(口述試験)は1度不合格になっています。
学科試験に合格された方が実技試験の80%という高い合格率に油断しないように、私の口述試験での苦い経験を書いておこうと思います。
どのように試験が実施されるかはきんざいのホームページをみてもらえれば分かるので、ここでは書きません。
私が主に書いておきたいのは試験の雰囲気です。面接官の雰囲気と言ってもいいかもしれません。
私の受験地が大阪だったということもあるのかも知れませんが(別に悪意はありませんよ)、面接官がちょっと機嫌が悪い感じでですね、私を動揺させるような話し方をしてくるんですよ。
言葉を選ばずに感じたとおりに言えば、「アップをかます感じ」なんです。
面接で相談内容にしっかりと正しく答えてるときはまだ良いのですが、ちょっとでもあやふやな答えを言うと、そこを早口で問い詰めてくるんですよ。
しかも、ちょっと態度も悪いんですよね。
まぁ、これは私が問題を理解していないせいだと思うんですけどね。
はじめからしっかりと答えていたら、優しく応対してくれていたと思います。たぶん(笑)。
結局、私は動揺してしまい面接官の質問に上手く答えることができずに、恥ずかしい思いをしただけで終わってしまいました。
なので、皆さんはしっかりと実技試験対策である「FP技能検定1級実技対策問題集資産相談業務」をやってくださいね。
暗記するだけでは駄目ですよ。しっかりと理解しないと。
暗記しているだけでは面接官の質問に答えるのは難しいと思います。
面接官もプロですから、「あっコイツあんまり分かってないな」っていうのはピンとくると思うんですよね。
面接官にアップをかまされても動揺しないくらいまで、問題集をやりこむのが合格へのカギだと思います。
FP1級に合格するのに必要な勉強時間の目安
こればかりは個人差があるのでなんとも言えませんが、一般的には学科試験と実技試験合計で400~500時間程度必要だと言われているようです。
私は勉強時間を計るクセがありまして、FP1級の受験時もはじめから勉強時間を計っていたんですね。
それが167時間です。
一般的な必要勉強時間と比べてもずいぶん少ない時間で合格しています。
これは、何も私が頭が良いとかそういうことではなくて、私自身、簿記の資格を取得していたり、趣味で株式投資なんかもしていて、事前にFPに関する知識がかなりあったからなんですよ。
仕事でFP業務をやったり、保険を売ったりもしましたしね。
なので、167時間という少ない勉強時間でも合格することができたんです。
普通の方なら、やはり最低でも300時間くらいは勉強時間が必要だというのが私の実感です。
まぁ、こういうのはあくまでも目安ですから、それほど重要ではありません。
重要なのは「試験に合格する」ということです。
これからFP試験に挑戦される方の合格を祈っています。
特にこの記事を読んでくれた方の(笑)。