ヴァルハラ・オチンチン館
イングリット 前編


 褐色銀髪ポニテお姉様を見た瞬間、僕は思った。
 この人を逃がしてはいけないと。

「あ、アイタタタ! アシクビヲクジキマシター!」

「えぇっ!? だ、大丈夫ですか!?」

 実際痛いのは足よりもお尻だけど、僕はそれを隠してアピールする。
 気分は相手ペナルティーエリア内で何とかPKを貰おうとするサッカー選手だ。

「……ちょっと歩けそうにないんで、肩を貸してもらえませんか? 僕の部屋はすぐそこなので」

「は、はい。解りました」

 そう言って僕に寄り添う褐色お姉様の身体からは、何とも言えない良いニオイがして。
 花のニオイか、果物のニオイかは解らないけど、そんな甘い香りに包まれて、僕はますますそのお姉様に恋をしてしまっていた。
 ついでにオチンチンもおっきっきしてる。



 そうして僕の部屋まで連れて来てもらって、僕はベッドに座らせてもらった。
 褐色お姉様は所在無さげに僕の部屋を見渡してる。

「ありがとうございます。ちょっと休めば大丈夫だと思いますので……えっと、僕は翔太です。一応ここの男娼で、ランクは『地』です」

「あ、はい……えっと、私は……イングリットと申します……ご覧の通り……熱砂の、民です……」

 イングリットさんは僕と目を合わせずに自己紹介する。
 熱砂の民ってのがどんな人達なのかはよく解らないけど、とりあえず僕のイメージでは砂漠に住んでる褐色の人達って事になった。
 それから僕は、立ち話も何ですからとイングリットさんに椅子に座る事を薦める。

 イングリットさんはしばらく悩んだ後、チョコンと椅子に座った。
 今僕の目の前には、露出度激高の褐色銀髪ダイナマイトバディーお姉様が居る。
 こんな美人さんと御近づきになれるチャンスなんて滅多に無い。何としても距離を縮めないと!

「イングリットさんはおいくつなんですか?」

「わ、私ですか? 今年で20歳になります……」

 20歳かぁ……童顔だから年齢より幼い印象がある。
 身体はすっかり大人ですけどねグヘヘヘ。

「ちなみに僕は今年で15才です」

「え、えぇっ!? マールと同い年なのですか!?」

 驚かれた。マールっていうのはイングリットさんの知り合いかな?
 そら今の見た目で15才には見えないよなぁ……

「ちょっと事情があって、人より成長が遅いんです。ちなみに僕の特技はお菓子作りです。出来れば今度、イングリットさんに僕の手作りのお菓子を召し上がってほしいです」

「え、あ、はい……わ、私の特技は……う、占い、です」

 へぇ、占いかぁ。
 あれでしょ? 水晶玉とか使ったりとか?
 丁度この部屋には監視玉があるから、あれを水晶玉代わりにして占えないかな?

「占いですかぁ。じゃあ僕の恋愛運も占ってもらおっかな~なんてね」


  
  

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