毎日毎日ぐーたらしていてナマケモノってうらやましいなぁ
『あ~ぁーナマケモノになりたい!!』
そんな風に考えているナマケモノさん予備軍の方に読んでいただきたい記事です。
ナマケモノになりたい、そんな願望を持った全ての人へ
七花「名前の由来もズバリ怠け者、英語名もSloth(怠け者の意)という事ですが、それについてはどうお考えですか?」 ナマケモノ「そぉ~~だねぇ~~~~、いぃ~~~んじゃな~~いかなぁ~~。」 七花「めまぐるしく動く現代を生きる社会人にとって、ナマケモノさんは時折羨望の眼差しで見られたりすることもおおいそうですが、それについては?」 ナマケモノ「zzzz・・・・・」 七花「…………」 |
という感じでマイペースの象徴とも言えるナマケモノ。なんと睡眠時間は約1日15時間~20時間。
寝過ぎたってきにしない、だって君はナマケモノなんだから!働き者じゃあいけません。
しかし時々、現代社会の歯車となりせっせと働く働き者の僕達は彼らを見て「い~なぁ気楽で…うらやましい」なんて思ってしまうものですよね、
でもね、ナマケモノって意外と悲しい宿命を背負っているんですよ。
ここからは涙なくしては語れない、ナマケモノ一匹人生譚です。
悲しきナマケモノの宿命
ナマケモノさんって本当地上生物で最弱レベルの戦闘力しかありません。まず上のナマケモノの写真を見てください。どこか笑ってるようなかわいらしい顔をしてますよね?
これ実はただ顔面に筋肉がないからこういう顔になってるだけなんです。表情筋が無いんですよね。だからだるんだるんなのです。
実はナマケモノは身体全体でみても筋肉がほとんどありません。そのため『彼らは筋肉が少なすぎるため動かないのではなく、動けない』というのが実際の所なのです。
よくナマケモノが木にしがみついている映像を目にする事が多いと思いますが、あれは木に爪を引っ掛けてぶら下がっているにすぎません。
飛ばされた洗濯物が木にひっかかってるのとほぼ同じと考えて良いかと思います。
ナマケモノの爪は武器にあらず!
捕食者に見つかった時点でほぼ終わりのムリゲー人生
動きの遅さは自然界では死のリスクにつながります。草食動物や小型の動物は他の肉食動物に見つかったら基本的にアウトなマジキチルールです。
更に運の悪いことに、ナマケモノがすんでるジャングルにはどういうわけか天敵がいっぱいいます。
ピューマ、タカ、ワシなどなどあらゆる肉食動物が彼らの敵です。タカやワシにとってナマケモノは主食レベルで食べられてるらしいです。
タカ「おっ、ラッキー今日のご飯みーーっけっ、ぱくっ」という感じでしょうか。
基本的に自然界では草食動物と肉食動物の間では命の駆け引きが行われます。命がかかっている為追い込まれれば闘う場合もありますが、基本は逃げ切れば草食動物の勝ち、捕まれば負けの鬼ごっこルールが適用されます。
しかし動きの遅いナマケモノの場合は違います。
つかまると負けな「鬼ごっこ」ではなく見つかったら終わりの「かくれんぼ」です。。つまり…みつかったら、アウト(死)。
満腹で餓死
彼らは食事をして満腹状態でも死んでしまう事があります。しかも死因は餓死です。もう、コレに関しては訳がわかりませんよね。満腹で餓死っていったいどんな状態?
そもそもナマケモノはあまり食事をしません。エネルギー消費量が圧倒的に他の恒温動物達とくらべて少ないのでエネルギーを摂取する必要がないんです。1日葉っぱ8gくらい食べれば生きていける、超エコな動物なのです。
しかし!!消化器官内の微生物がその葉っぱを消化してエネルギーに変えるのに時間がかかるので、その間に餓死しちゃうんです。
ここらへんから涙なしには語れなくなってきましたね?まだナマケモノになりたいって思いますか?
動きすぎると死ぬ
どんなに面倒くさがりのあなたでも、たまにはおもいっきり身体を動かしたい!なんて時が来ると思います。
もしあなたがナマケモノだったら、それ、死にます。
彼らはあんまり動きすぎると動いた時の熱エネルギーに身体が耐えられなくて絶命してしまう事があるんです。
あんまりだぁ、あんまりだよナマケモノはんっ(泣)!!
ちなみに普段の動けるスピードは1時間で16mくらい。
「自分がやばい状態になったら流石に早くうごけるんじゃないの?」と疑問を持つ方もいらっしゃいますよね?
そうです、さすがのナマケモノも天敵から逃げる時は若干速くなります。
そうね・・だいたい時速120mくらい。
あ、よくみたら時速120Kmじゃなくて120mだぁ!!うっわー!おっせー!
分速2mで逃げられる肉食動物なんてこの世にいないです。
どう?生半可な気持ちでナマケモノになりたいとか言って本当すんませんでしたっ!って謝りたくなってきましたか?
本当に彼らは不憫で可哀想な動物なのか?
動物としての戦闘能力ははっきりいって最弱レベル。前述した数々の弱さはもっているもののナマケモノって実は大昔から絶滅せずに生き延びているんですよね。
この弱肉強食の生物界でですよ?何千何万って種が絶滅をしているこの世界でなぜそんな事が可能なのでしょうか。
色々な説がありますが、まず彼らは遅すぎて逆に肉食動物の視界に入りづらいっていう理由があります。しかも体重が4~5キロくらいなので細い木にも登ってぶら下がれるので捕まらないことも多いんですって(ただしチーター等の地上生物に限る)。
他の生き物は他の種を食いつぶす強さ、敵から逃げ切れる素早さ、周りを出し抜く知能を追求し、進化して生き延びてきました。
でも、ナマケモノは違います。
他の生き物との共存を選び、暴力をせず、ありのままで生き延び続けています。
ナマケモノってご飯一日に葉っぱ一枚も食べないから排泄行為も極端に少ないんだけど、10日に一度くらいはやっぱり排便をします(その時が実は一番命の危険がある)。で、どこにするかっていうと「自分が普段ぶら下がってる木の根本に排便する」んです。
自分を普段支えてくれている木に肥料(便)を提供して持ちつ持たれつの共生関係を作るわけですね。 ナマケモノ程、他生物への優しさを貫き通して生きている素敵な動物だという事がわかります。
ナマケモノの死の間際
ナマケモノは天敵から逃げる時も時速120mで、見つかったが最後、捕食者から逃げ切れる事は非常に稀です。
では、彼らは捕食され絶命する瞬間、彼らは何をすると思いますか?
普通の動物であれば
「生き延びる為に必死に抵抗する」
「一か八かで捕食者に牙を向く」
だと思います。
ナマケモノは違います。
彼らは捕食され絶命する直前
「あきらめて全身の力を抜く」そうです。
・・・泣
そうすることでからだの緊張状態を無くし痛みを少しでも和らげることができるからだそうです。
自分の死を受け入れるなんて普通考えられないですよ、生き物として。生きているから生き物、動いているから動物なんだから。
悟りを開いているレベルの人生観ですよね。いやナマケモノ生観ですね。
ナマケモノの祖先「メガテリウム」先輩
ちなみにナマケモノにも祖先がいます。メガテリウムって言います。とてもでかいです。 右下の鹿5頭分くらいある。 筋肉隆々です。
ナマケモノが好きな僕にとって彼はもはや先輩です。メガテリウム先輩、チュースッ!
身長6m、体重約4トン、草食動物だったそうですが、こんなでけぇのいたらすぐに草無くなっちゃいそうですよね。
和名は大懶獣(だいらいじゅう)って言うそうです。怪獣だ怪獣。モンスターハンターに出てきそうですね、「緊急討伐クエスト 大懶獣メガテリウムを討伐せよ」みたいな。
こんな怖い先輩がバックにいるなんてさすがナマケモノはんだなぁ。
「世界に自分の居場所を確保する事の大事さを教えてくれた」
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現代社会、僕らは様々な競争の中で神経をすり減らしながら歯を食いしばって生きています。時に他人を蹴落とさなければいけない時も来るでしょう。僕も以前の会社では自分の出世のために周りを蹴落としギスギスとした人生を送っていました。
しかしある時、ナマケモノさんを見ていたら生物が生き延びるのに必要な条件は「強い事」でも「知能」でもなく「自分が生きる場所、自分だけが生きられる場所を見つける」ってことだと理解しました。
あなたは今本当に幸せですか?
やりたい事はちゃんとできてますか?
昔に描いた夢が今も夢のままなんて事はありませんか?
自分の人生は自分のものです。他の誰かに合わせる必要はありません。
他を欺き、爪を研ぐことだけがが正しい訳じゃない。周りの誰もがばかにするような事をしている人が誰よりも生き延びる事だってある。
もしこの記事を読んでいる人の中で、新生活に臨む人や辛い思いをしている人がいるのであれば、ほんの少しで良いのでナマケモノさんの事を思い出してみて下さい。
一人でも多くナマケモノ好きが増えますように
七花「さんきゅー、ナマケモノさん」
ナマケモノ「zzz・・・」