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「個人PC調べれば…」文科省調査に強まる疑念

前事務次官「文書は本物」受け野党から「不十分な調査だ」

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人加計(かけ)学園(岡山市)が獣医学部を新設する計画で、内閣府が文部科学省に「総理のご意向」などと早期開学を促したことを記録したとされる文書を巡り、「存在を確認できなかった」とする文科省の調査を疑問視する声が強まっている。前川喜平前事務次官が「文書は本物」と断言したことを受け、26日の衆院文部科学委員会で野党は「不十分な調査だ」と批判した。

     「海に行ってコイが釣れない、『だからコイはいない』という論理だ」。文科省は問題の文書を行政文書とは認めていない。にもかかわらず、調査の対象を実質的に行政文書に限定していることを、社民党の吉川元氏は委員会で皮肉った。

     文科省は高等教育局の幹部ら7人に一連の文書を示して作成・共有したかを聞き取ったほかは、担当部署の職員がパソコン(PC)で利用できる共有フォルダー内に絞って調査を実施。文科省の義本博司総括審議官は吉川氏に「共有フォルダーに入ったものは行政文書と認識している」と答弁し、行政文書しか調べていないことを認めている。

     吉川氏は文科省の天下りあっせん問題の調査を引き合いに出し、「職員間の引き継ぎメモは行政文書以外から出てきた。個人(PC)のフォルダーを調べるべきだ」と主張した。

     一方で、専門家からは一連の文書は個人的メモではなく行政文書に該当するとの指摘が出ている。公文書管理法は職員が職務上作成し、組織的に用いるものと定義。前川氏は25日、担当課から報告を受けた際に見た文書と同じで幹部間で「共有していた」と述べており、NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「前川氏の言う通りなら行政文書。日付や作成者の氏名が書かれていなくても関係がない」と指摘する。

     ただ、「ファイルに残し、保存期間を決めるなどの行政文書としての管理をしていなかったとみられ、情報公開請求しても出ないだろう」と推測する。【伊澤拓也、青島顕】

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