膀胱炎とは?膀胱炎の症状

更新日:2017/05/26 公開日:2014/08/01

膀胱炎の症状と基礎知識

膀胱炎とはどのような病気なのか、ドクター監修の記事で詳しく解説します。気になる膀胱炎の症状も、チェックリストでご紹介。膀胱炎に悩まされないためにも、正しい知識を身につけましょう。

板東浩先生

この記事の監修ドクター

医師
板東浩先生

膀胱炎とは?膀胱炎の症状

おしっこを作って出すための器官、すなわち腎臓、尿管、膀胱、尿道に起きた感染症を、尿路感染症と言います。男性で10~20%、女性で40~50%がこの尿路感染症になったことがあるといわれています。膀胱炎は尿路感染症のひとつで、単純性/複雑性、急性/慢性、間質性、出血性など、いくつかに分類されており、それぞれ示す症状は似ていますが、原因や重症度は異なります。

この記事では、性的活動期(10~50歳代)の女性に多く発症する急性単純性膀胱炎(以下、膀胱炎)について説明します。

膀胱炎とは

膀胱炎では、多くの場合は、直腸に常在する大腸菌が何らかのきっかけで尿道から入り込み、膀胱内にたどりつき、粘膜に定着・感染します。そこに炎症が起きることで、不快な症状が出てきます。

男性に比べて女性の尿道は4~5cmと短く、肛門や膣から尿道口への距離も近いため、尿道から膀胱の中に細菌などが入りやすい構造になっています。このため、膀胱炎は男性より女性に多いのです。

ただし、細菌が膀胱内に入り込んだだけでは、かならずしも膀胱炎になるわけではありません[1]。排尿することで入り込んだ細菌を尿と一緒に出すことができますし、感染が成立する前に免疫の力(作用)で排除されることもあるでしょう。しかし、疲れが溜まっていたり、ストレスや寒冷などで免疫の力が落ちていたりすると、細菌が膀胱内で感染して炎症を起こし、膀胱炎になってしまうのです。

こんな症状が出たら膀胱炎かも…

膀胱炎でよく見られる症状は、①頻尿、②排尿時の痛み、③尿の混濁の3つです。ほかにも、残尿感、下腹部の不快感や痛み、圧迫感なども見られます。ただし、発熱は見られません。主な症状をリストアップしましたので、チェックしてみてください。

  • トイレに行った後、またすぐにトイレに行きたくなる(頻尿)
  • 排尿時(特に排尿の終わりかけの時)に痛みを感じる(排尿痛)
  • 尿が白っぽく濁っている、色が濃い(尿の混濁)
  • 排尿後、まだ尿意が残っている(残尿感)
  • 下腹部が重くてだるい感じがする(下腹部痛)
  • 下腹部が圧迫されているように感じる(膀胱部の圧迫感)

これらの症状を何の対処もせずに放置しておくと重症化し、排尿痛や腹痛が強くなり、尿に血が混じるようになります。こじれてしまうと、細菌が尿管を逆行的に進むことにより、腎盂腎炎で高熱で苦しむという重たい状態になりかねません。

泌尿器系の病気の受診は、なかなか人に言いにくく、受診もおっくうになりがちです。普段の状態と違う、膀胱炎かもしれないと思ったら早めに受診しましょう。急性単純性膀胱炎なら、数日間の経口薬による治療で症状はほどなく治まります。

膀胱炎の症状について、詳しくは『女性の膀胱炎の症状とよくある原因』『産後の膀胱炎の原因と対処法』『妊婦・妊娠中の膀胱炎の原因と対処法』をご覧ください。

急性単純性膀胱炎以外の膀胱炎について、詳しくは『間質性膀胱炎の症状と原因』『出血性膀胱炎の症状と原因』『急性膀胱炎の症状と原因』『慢性膀胱炎の症状と原因』をご覧ください。

膀胱炎の治療について、詳しくは『正しい膀胱炎の治し方』をご覧ください。

参考文献

  1. [1]兼松 稔ほか. "第39回日本泌尿器科学会中部総会シンポジウム1: 「尿路感染症発症についての諸問題」 女子急性単純性膀胱炎の臨床的研究" Kyoto University Research Information Repository. https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/117298/1/37_945.pdf(参照2017-05-26)

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