東京オリンピック・パラリンピックで水上交通に活用が期待される都内の河川で、水上バイクの問題航行が後を絶たない。マリンレジャーの季節になると、縦横無尽に河川を疾走する水上バイクが見受けられ、関係団体が危機感を募らせている。戦後間もない時代に制定された条例で規制が追いついてなく、警視庁は、バイクの航行制限やマリーナ側の安全管理義務を盛り込もうと、条例改正の準備を加速する。(社会部 加藤園子)
東京湾に注ぐ中川。大型連休に差し掛かった4月末、何台もの水上バイクのエンジン音が響いた。近くで聞いていた女性(62)は、「マフラーを付けていないので激しい爆音がしていた。蛇行運転をしたり岸壁すれすれを走ったりするから危ない」とあきれる。
水上バイクのマナーの悪さは以前から指摘されていた。警視庁が昨年、都内7つの河川や運河で行った調査では、航行していた水上バイクの38%(397隻)で、複数隻の並走▽他船への急接近▽周辺に影響を与える引き波−などといった危険な航行があった。
また、都内8カ所のマリーナでは、安全教育や出航届を徹底していないマリーナが複数あったほか、半数のマリーナで酒を販売していた。実際に、うち1カ所のマリーナでは47%(60人)が飲酒後に運転していた。
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