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AzuYahi日記

どうでもいい知識、思いつき、過去ゲーの紹介、妄想などなど

人食い熊の恐ろしい事件を振り返ってみる 前編

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こんにちは!AzuYahiです。

 

 

大昔に北海道で巨大熊による大殺戮がありました。

 

今回はこの恐ろしい事件を振り返っていきたいと思います。

 

  • グロテスクな表現がありますので苦手な方はご遠慮ください。

 

  • この記事は事実に基づいて書いていますが、大昔の事件である為、絶対真実かと問われると確証は持てません。こんな事件があったんだという程度にご覧ください。

 

 

 

発端

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1915年(大正4年)に北海道苫前郡苫前村三毛別(現在 北海道苫前郡苫前町三渓)にある開拓民の村で事件は起きた。

 

11月初旬の明け方に住宅前に巨大な熊が姿を現した。家畜の馬が熊に気づき暴れた為、熊はその場を去った。

 

現場にはあまりにも巨大な足跡が残されており、それを見つけた住民は巨大熊に警戒心を持つようになる。

 

それから数日後、再び巨大熊は住民の前に姿を現した。その時も熊はすぐに逃げ出したが、このままでは家畜(馬)が襲われるのでは無いかと住民たちは心配した。

 

季節は冬なので本来熊が冬眠に入っている時期だが、この巨大熊はあまりにも体が大きいので冬眠する穴が見つからないのでは無いかと予想された。この状態の熊を「穴持たず」といって、とても凶暴な状態なのだ。

 

住民の一人が被害が出る事を懸念して、2人のマタギ(猟師)に協力を求めて3人で巨大熊を討伐することを決意した。

 

猟銃を装備した3人はじっと息を潜めて巨大熊を待ち伏せした。

この日は風が強く、雪煙が舞っていて視界はあまり良くなかった。

そんな視界が悪い中、3人はすぐに巨大熊が近くに現れた事に気がついた。

 

雪煙による白い壁にもくっきりと巨大なシルエットが映っていたからだ。

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3人は巨大熊にむけて一斉に発砲した。

 

しかし、熊は倒れない。

 

それから何度か発砲したが、熊は倒れずに山奥に逃走した。

 

3人は追撃したが、吹雪がひどくなったのでやむなく諦めた。

 

逃げた方向を見ると血痕があちらこちらに落ちていた。

 

 

 

 

事件勃発

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翌日、ついに最悪な事件が起きることになる。

 

太田三郎さん(42歳)の自宅に三郎さんの内縁の妻の阿部マユさん(34歳)と三郎さんが預かって面倒を見ていた蓮見幹雄さん(6歳)がいた。

 

三郎さんと太田家に寄宿していた長松要吉さん(59歳)は仕事で留守だったので、家には2人だけだった。

 

この時、窓の近くに保存食のとうもろこしを干していた。

 

幹雄さんはなにげなく窓を見ると外からとうもろこし狙っている巨大熊を発見する。

 

幼い幹雄さんは驚いて悲鳴をあげてしまう。

 

悲鳴に驚いた熊は窓を突き破り、幹雄さんに襲いかかり首に噛みついた。

 

それに気づいたマユさんは近くに置いてあった鉞(マサカリ)で巨大熊に必死の抵抗を見せるが、鉞の柄が折れてしまい、無防備になったマユさんに熊は襲いかかった。

 

それからしばらくして、昼食をとるために仕事に行っていた要吉さんが家に帰ってきた。

 

要吉さんが見たものは壮絶だった。

 

既に喉を食いちぎられて絶命している幹雄さん。

異臭を放って瓦礫が散乱する室内・・・。

血の水たまりがあちらこちらに散らばっている床。

 

呆然としていた要吉さんは我に返ると、マユさんがいないことに気がつき、家の中や周辺を探したが、どこを探しても見つけることは出来なかった。

 

ただ、突き破られた窓枠には何かを引きずった後大量に千切れた髪の毛が残っていた。

 

 

 

巨大熊討伐隊

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要吉さんの報告により、その夜に明景安太郎さん(40歳)の家に村の主要人物が集まり、今後の対策を話し合った。

 

まずは事件の経緯を苫前村役場古丹別巡査駐在所に報告をして助けを求めなくてはならなかったし、辛い役割だが亡くなった幹雄さんの両親にも幹雄さんの死を伝える必要がある。

幼い子供の死を聞いた両親の悲しみを考えるといたたまれなかった。

 

当然この時代に、こんな山中の村に電話があるわけもなく誰かが直接出向いて報告をしなくてはいけなかった。

 

しかし、巨大熊が周辺をうろついているなか、1人で町まで歩いて行く危険な仕事を願い出る男なんている訳がない・・・と思われたが、

斉藤石五郎(42歳)さんがこの重要な伝達係を志願したのだ。

少しでも早く助けを呼ぶことが家族を救うことになる、石五郎さんはそう判断した。

 

命をかけた決断だった。

 

しかし、石五郎さんには妊娠中である妻のタケさん(34歳)、三男の巌さん(6歳)、四男の春義さん(3歳)が同居しており、事件のあった太田家から斉藤家の距離は近かったので家族を家に残していくのが心配だった。

 

そこで太田家から500m以上離れている明景家に家族を避難させろと当主である安太郎さんが提案してくれたので石五郎さんはその言葉に甘えることにした。

 

ただし、安太郎さんは別な用事で明日家を出て不在なので、万が一の事を考えて要吉さんを男手として明景家に同泊してもらうことにした。

 

翌朝一番に石五郎さんは家族を明景家に連れてくると、要吉さんに後を託して村を出ました。

 

 

 

一方その頃、村では巨大熊討伐と連れ去られたと思われるマユさんの捜索の為に約30人の討伐隊が結成された。

 

討伐隊はそれぞれが所持していた猟銃を装備した。 

 

討伐隊は襲撃があった太田家近くの山林から捜索を始めることにした。

 

 

発見には時間と労力がかかるだろうと思っていたが、150mほど進んだ場所であっさりと巨大熊を発見した。

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連れていた馬をはるかにしのぐ大きさに討伐隊は恐れおののき、恐怖のあまり誰も装備していた猟銃を熊に向ける者はいなかった。

 

巨大熊は討伐隊に気づくと猛然と突進してきた。

 

討伐隊のうち5人は我に返り、慌てて突進してくる巨大熊に猟銃を構えた。

 

5人は一斉に引き金を引いたが、なぜか銃声は一発だけだった。

 

銃の手入れが行き届いていなかった為、発砲できたのは1人だけだったのだ。

 

弾は体のどこかに当たったようだが、熊は倒れる様子がない。

 

怒り狂って咆哮する熊に討伐隊は蜘蛛の子を散らすように散り散りに逃げ出してしまった。

 

追いかけてくると思われた巨大熊はなぜか追撃をせずに逃走に転じた。

 

討伐隊の一発の発砲で巨大熊は追撃にリスク有りと判断したのだろう。

頭の良い熊だったので討伐隊は命拾いしたのだ。

 

 

熊がいなくなったことを確認した討伐隊は再び周辺の捜索を始め、数十分捜索した頃、血に染まった雪の一画があることに誰かが気がついた。

 

 

 

捜索隊は血染めの一画に集結して周辺の雪を掘りおこすと、そこにはマユさんが変わり果てた姿で埋まっていた。

 

 

膝下からの足が1本と頭部の一部しかマユは存在しなかった・・・・。

 

衣服が残っていたのでマユさんの身元が確認できたのが幸いだった。

 

 

マユさんの死によって1つだけ確かなことがある。

 

 

ヤツは人間の味を知ってしまったということだ。

 

 

つづく

 

 

ここまでの登場人物

 

太田家

 

太田三郎  太田家当主 仕事で不在。42歳

長松要吉  太田家に同居。仕事に行っていて襲撃まぬがれる。59歳

阿部マユ  三郎の内縁の妻。熊に連れ去られ食われる。34歳

蓮見幹雄  三郎が預かっていた子供。首を噛みつかれ死亡。6歳

 

 

明景家

 

明景安太郎 明景家当主。事件翌日から他用で不在となる。40歳

 

 

斉藤家 

 

斉藤石五郎 斉藤家当主。連絡を取る為に単独で町に向かう。42歳

斉藤タケ  石五郎の妻。妊婦であり明景家に避難。34歳

斉藤巌   石五郎の三男。明景家に避難。6歳

斉藤春義  石五郎の四男。明景家に避難。3歳

 

 

討伐隊 

 

村民で結成された熊討伐隊。猟銃を装備しているがほとんど使い物にならず。

総勢30人ほど。

 

 

巨大熊 

 

「穴持たず」という冬眠できなかった巨大熊。数発の銃弾を受けているので手負いとなっている。マユを殺害して食しているので人間を食料として見てる可能性がある。

 

 

 

 

 

 

 

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