学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省の前川喜平前次官が25日に記者会見を開き、「総理の意向」などの文言が含まれる記録文書が存在すると明言した。安倍政権の閣僚は26日の閣議後の記者会見で相次いで反論した。
菅義偉官房長官は前川氏が必要な手続きが踏まれず「行政がゆがめられた」と発言したことについて「全くあたらない」と強く否定。「法律に基づいて行っており、ゆがめられたというのは全くない」と述べた。
文書について文科省は確認できていないと説明しており、松野博一文部科学相は現時点で再調査の予定はないと表明。「本人から(会見で)具体的な文書が提示されなかった。なぜ持ってるかも発言を留保した」と問題視した。
国家戦略特区を所管する山本幸三地方創生相も「法令に基づいてスピード感をもってやっている」と手続きの正当性を力説。前川氏については「文科省の信頼を失墜した責任もある」と批判した。高市早苗総務相は前川氏の「行政がゆがめられた」発言に関して「私には理解できない」と語った。
菅氏は前川氏が「出会い系バー」に通い、女性に小遣いを渡していたことに「さすがに強い違和感を覚えた」と指摘。「常識で言って、教育行政の最高責任者がそうした店に出入りし、小遣いを渡すようなことは到底、考えられない」と前川氏を批判した。