西之島は今も活発な火山活動続く NHKが撮影

西之島は今も活発な火山活動続く NHKが撮影
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先月、およそ1年半ぶりに噴火が確認された小笠原諸島の西之島をNHKが上空から撮影した結果、島の中央にある火口で噴火が断続的に発生し、1か月余りたった今も活発な火山活動が続いていることがわかりました。専門家は、流れ出た溶岩で島の南西側が拡大を続けていると指摘しています。
小笠原諸島の父島の西、およそ130キロにある西之島では、先月20日、島の中央にある火口でおよそ1年半ぶりに噴火が確認され、その後、今月2日に海上保安庁が行った観測では、流れ出た溶岩で島の南西側と西側の海岸線が去年9月の時点と比べて最大でおよそ180メートル拡大したことが確認されました。

この西之島をNHKが25日に上空から撮影したところ、島の中央にある火口で断続的に噴火が発生し、茶色や灰色の煙が勢いよく噴出していて、1か月余りたった今も活発な火山活動が続いていることがわかりました。

また、火口がある斜面から流れ出た溶岩が海に流れ込み、大量の湯気が上がっている様子も見られました。

同行した東京工業大学の野上健治教授は、溶岩の流れ込みは島の西側については止まっているものの南西側では続いていて、今月2日の観測に比べて島がさらに拡大していると指摘しています。
野上教授は「溶岩流は南西に向かってかなりの量が流れ続けていて、今後も島が拡大する可能性がある」と話しています。

上空から撮影した噴火の様子

NHKが上空から撮影した映像からは、西之島の中央にある火口で断続的に噴火が発生し、灰色や茶色の噴煙が立ち上っていたほか、火口の周辺に噴石が飛び散っているのが確認できます。

同行した東京工業大学の野上健治教授によりますと、火口では短時間に噴火を繰り返す「ストロンボリ式」と呼ばれる噴火が起きていて、1分間に10回程度に達していることから、今月2日に海上保安庁が調査した際よりも噴火の回数が増えているということです。

また、火口の底には高温で赤くなった溶岩がたまっているのが確認され、野上教授は、地下から大量のマグマが供給されていることを示していると指摘しています。
さらに、火口がある斜面の北側の中腹とふもとの2か所の穴からは引き続き溶岩が流れ出していて、斜面を高温で赤くなった溶岩が流れ下ったり、次第に冷えて黒い筋のようになったりしているのが見えるほか、斜面からは、火山ガスを含んだ白い噴煙が上空まで立ち上っている様子が確認できます。

流れ出た溶岩は主に島の南西に向かって流れ、やがて海岸に達し、海水に触れて何本もの白い煙が立ち上っていて、野上教授によりますと、溶岩で埋められることで、今月2日よりも島が拡大しているということです。

野上教授は「これまでに比べ、噴火のしかたに大きな変化はないが、噴火の回数が非常に増え、かなりの量の溶岩が流れ出しているので、火山活動が活発化する様相を呈している。今後の活動がどうなるのか、注目する必要がある」と話しています。

一方、海上保安庁が24日、赤外線カメラで撮影した映像では、中央の火口から噴火に伴って噴石が飛び散る様子や、溶岩が斜面を筋となって海岸へ流れ出す様子が確認されました。