「Dropbox Japanはユニークな立場にいて、もっと貢献できる」――オンラインストレージサービスを手掛けるDropbox日本法人の五十嵐光喜新社長は5月25日、法人向け事業を強化すると話した。注目が集まっている「働き方改革」と、消費者向け製品が企業に浸透する「コンシューマライゼーション」を切り口に、ビジネス層への普及を狙う。
五十嵐社長によれば、日本企業で働き方改革を進めている企業のうち73%は、モバイル端末や共有ファイルサーバなどを使って社外で働ける環境を整備している。多くの企業はこれらを新しいワークスタイルの基盤にすえる一方で、課題もあるという。
「社内に共有フォルダ環境を構築した企業の40%は、すでに総データ容量が50TBを超えている。自社でファイルサーバを整えた場合、(データが肥大化したときの)拡張性に欠けてしまう」(五十嵐社長)
同社のビジネス向けプラン「Dropbox Business」は、1ユーザー当たり月額1250円で2TBまで利用できる「Standard」のほか、必要に応じて容量を追加できる月額2000円の「Advanced」、個別見積もりで幅広くカスタマイズできる「Enterprise」を用意。ファイルサーバの拡張性に課題を抱える企業にアプローチする考えだ。
今後は大容量ファイルの利用や社外とのやり取り、リモート作業が多いマーケティング、デザイナー、営業といった職種に利用を促していきたいという。
日本法人の新社長に就任した五十嵐氏はこれまで、Apple日本法人や日本マイクロソフトなどで営業責任者を担当してきた。その経験を生かし、Dropboxでも中小企業へのアプローチを強化する方針だ。
「Appleにいたころから、ITのコンシューマライゼーションを実感してきた。会社が選んだテクノロジーを社員に使わせるよりも、社員が使いたいと思うツールを使わせるという“逆方向の流れ”が生まれている。個人利用から企業利用への移行をサポートしていきたい」(五十嵐社長)
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