女子ゴルフ 宮里藍選手引退へ

女子ゴルフ 宮里藍選手引退へ
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女子ゴルフで世界のトップ選手として長年活躍してきた宮里藍選手が、今シーズン限りで引退することになりました。
これは、26日夕方、宮里選手の所属事務所が発表しました。

宮里藍選手は沖縄県出身の31歳。3人きょうだいの末っ子で、2人の兄の影響もあり4歳からゴルフを始め、高校3年生だった2003年に国内女子プロゴルフツアーで、当時の史上最年少の18歳で優勝して注目を集めました。

プロ転向後の2005年には、国内ナンバーワンを決める日本女子オープンでも優勝するなど、女子ゴルフ界をリードしました。

2006年から本格参戦したアメリカツアーでは、2009年にツアー初優勝を果たし、2010年には日本選手最多のシーズン5勝を挙げました。

さらに、メジャー大会では、2006年と2010年の全米女子プロゴルフ選手権で3位、2009年の全英女子オープン選手権で3位に入りました。

メジャー初制覇が期待されましたが、アメリカ女子ツアーでは、2012年6月を最後に優勝から遠ざかっていて、26日、今シーズン限りの引退を発表しました。

プロ15年目の宮里藍選手は、これまでに海外の女子ツアーでは通算9勝、国内ツアーで通算14勝を挙げるなど長くトップ選手として活躍し、女子ゴルフ界をけん引しました。

宮里藍選手は今月29日に東京で記者会見し、引退の理由などを明らかにすることにしています。

宮里藍選手とは

宮里藍選手は沖縄県出身の31歳。ゆったりとしたスイングから繰り出す正確なショットが持ち味です。
2人の兄、宮里聖志選手と優作選手も、ともにプロゴルファーです。

ゴルフの強豪、東北高校の3年生だった2003年の国内女子プロゴルフツアーで当時の史上最年少の18歳で優勝し、注目を集めました。

プロ転向後も順調に勝ち星を重ね、2005年には国内ナンバーワンを決める日本女子オープンでも優勝するなど女子ゴルフ界をリードしました。

アメリカツアーには2006年から本格的に参戦し、参戦してから4年目にフランスで行われた「エビアン・マスターズ」でツアー初優勝を果たし、賞金ランキングで3位になるなど海外でも強さを発揮しました。

2010年には日本選手最多のシーズン5勝を挙げるなど、これまでにアメリカツアーでは通算9勝を挙げています。

メジャー大会では、2006年と2010年の全米女子プロゴルフ選手権で3位、2009年の全英女子オープン選手権で3位に入りました。

メジャー初制覇が期待されましたが、アメリカ女子ツアーでは2012年6月を最後に優勝から遠ざかっていました。国内ツアーの14勝を含めて通算勝利数は23勝に上ります。

小林会長「女子ゴルフ界にすばらしい功績」

日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長は「まだ若いので、引退と聞いて本当に驚いた。悩みに悩んだ末の決断だったのだろうと思う。彼女たちの世代は幼い頃からキャリアを積む時代になったので、『本当にお疲れ様。まずはゆっくり休んでください』と伝えたい」と話しました。
そのうえで、「1990年代後半から2000年の頭までは女子ゴルフの人気が低迷していた時期で、彼女が登場したことで女子ゴルフは爆発的に人気が出た。そういう意味で、日本の女子ゴルフ界にすばらしい功績を残してくれた人だと思う。現在、そして将来の女子プロゴルファーも宮里選手を目指して頑張ってほしい」とねぎらっていました。

樋口久子氏「ゴルフ界に与えた功績は大きい」

日本女子プロゴルフ協会で長年、会長を務めてきた樋口久子相談役は、「驚いています。女子ゴルフは彼女が出てきたことで今の隆盛がある。アマチュアのゴルファーが増え、プロになった人も多く、日本や世界のゴルフ界に与えた功績は大きい」とたたえました。
そして、いちばんの思い出として、当時、20歳だった宮里選手が初優勝した平成17年の日本女子オープンを挙げて、「宮里選手を見ようと、グリーンの周りに女子ツアーで初めて1万人を超えるギャラリーが集まったのがとても印象に残っています」と話していました。

岡本綾子さん「驚いた」

1987年に女子ゴルフのアメリカツアーで日本選手で初の賞金女王となった岡本綾子さん(66)は、NHKの電話取材に対して、「引退と聞いて驚いた。体は小さいが頑張り屋で、責任感がある選手という印象だった。小さいころから宮里ファミリーの末っ子として家族に支えられながらキャリアを積み、本当にいいゴルフ人生だったと思う。それでもまだ31歳。これからいろいろなことにまだまだ挑戦できる。そういう意味では羨ましい」と話していました。

有村選手「お手本だった」

宮城の東北高校の後輩の有村智恵選手は奈良県山添村で行われている女子ゴルフの国内ツアーの会場で取材に応じ、「半年以上前、東京のカフェで本人から引退することを聞いていたが、現実のことになって寂しいです」と語りました。
宮里選手に憧れてゴルフを続け、アメリカツアーにも挑戦した有村選手は「何に対してもお手本で、その背中を追いかけるだけで私もここまで来ることができた。先頭に立つのはどんな気持ちだろうと思いながら追いかけてきたすごい人です。アメリカツアーでもいろいろなものを背負ってやってこられたと思う。おつかれさまでした」と話していました。

鈴木スポーツ庁長官「ちょっと早すぎるかな 残念」

女子ゴルフの宮里藍選手が引退することについて、スポーツ庁の鈴木大地長官は「31歳と、ゴルフであればまさにこれからという年齢でちょっと早すぎるかなと思い、残念です。日本を代表するゴルファーだったと思います。次のステージでの活躍を期待しています」と話しました。