【社説】「見返り」求める支持団体、試される韓国新政権

 全教組は当時も「教育行政情報システム(NEIS)」導入に反対する闘争を行っていた。表向きは「個人情報流出の可能性」が問題とされていたが、実際は仕事が増えることを嫌っていたのだ。ところがこの時も尹徳弘(ユン・ドクホン)副首相兼教育部長官(当時)と文在寅・民政主席が全教組の委員長に会い、翌日政府はNEIS導入の撤回を発表した。すると今度は韓国教職員団体総連合会と全国校長団会議がこの決定に反発し、その対立は学校現場にまで及んでしまったため、政府は再びNEISの導入を決めた経緯がある。

 文大統領は14年前のこの苦い経験を今も忘れてはいないはずだ。振り返ればこの問題は当時の盧武鉉政権にとって最初の試練だったが、政権はその対応に失敗した。今週土曜日の27日には全教組と民主労総がソウル都心で大規模集会を開催する予定だが、これもまさに「キャンドル集会の見返り」を求めるための集会に外ならず、今後も同じような集会や活動は続いていくだろう。文在寅政権も文字通り「最初の試練」に直面したのだ。新政権が過激な勢力からの無理で不合理な要求を受け入れ、それによって国民の支持を失うような事態はこれ以上あってはならない。

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