3世代での観戦チケットを提案した学生グループ=25日、別府市 別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)で25日、サッカーJ2・大分トリニータの新たな集客法を学生が提案する授業があった。企業から具体的な課題の提供を受け、解決策を考える新設科目。トリニータを運営する大分フットボールクラブ(FC)は、最優秀の評価を受けた「家族3世代観戦チケット」を実現する方針だ。 APUはビジネス教育の国際的な認証評価機関「AACSB」(本部・米国)から世界最高水準の教育を提供する機関として認証されたことを受け、本年度からビジネスの理論と実践を合わせた科目を新設した。大分FCの協力で「地元からのホームゲームへの集客」を授業のテーマに設定。国際経営学部4年の54人(14カ国・地域)が10チームに分かれ、4月中旬からデータ分析や事業計画づくりに取り組んだ。 25日は事前に選ばれた3グループが、独自に考案したビジネスプランを発表。学生たちは、試合会場までの交通の不便さやファンの年齢層の偏りなど、集客力を向上する上での課題を提示。その上で▽飲食を主にしたパブリックビューイングによる新規ファン開拓▽試合会場まで相乗りさせてくれるファンの車を紹介するスマートフォンアプリの開発▽家族3世代での観戦を促す格安チケットの発売―をそれぞれ提案した。 大分FCの榎徹社長らが審査し、3世代チケット案をグランプリに選んだ。提案したグループの冨田有里佳さん(23)は「授業でさまざまなビジネスプランを考えてきたが、現実の課題解決に取り組むのはやりがいがあった」と喜んでいた。 榎社長は「どの提案も論理的によく考えられていて、新鮮な発想に触れることができた。今年の夏をめどに、3世代チケットの実現を目指したい」と話した。