2017-05-25

獣医師だけど加計学園問題に関して思うこと

小動物臨床獣医師

加計学園のことは獣医師会の会報を読んで知ってはいたが、こんなに大きく取り上げられて驚いている。

総理が絡んでいなければ、殆どの人は興味が無かった事のように思う。

実際、加計学園に決まった時騒いでいたのは獣医師だけだった。

加計問題について、個人的感想を書いてみようと思う。

1獣医学部を新設するお金があるなら、既存国立獣医学科の充実に使って欲しい

現状、国立の1つ1つの獣医学科は小規模で、単独では最低限必要な講座がない所が多い。例えば私の出身大学では寄生虫学講座が無かった。医学部では考えられないと思う。統合案が出た事もあったが地域の反対等もあり実現しなかった。現在では不足する教官を補うため、共同学科を設置している。単純に考えればそれぞれの大学教官を増やせば良いだけのように思うが、要するに予算がないためこんな事になっている。そんな中で、新設がトントン拍子に認められるのはおかしい。

2そんなに獣医師増やしてどうするの

加計学園獣医学部の定員は160人とのことだが、これはかなりの数である現在獣医師国家試験合格者数は概ね1000人であるから、かなりのボリュームである。さて、この160人はどんな仕事に就く事になるか?既存獣医学科の卒業生のうち、約半数が小動物、2割が官公庁、1割が製薬、1割が大動物、その他1割という内訳である現在の状況のままだと、充足していると言われる小動物獣医師がどんどん増えることになる。不足しているとされる大動物官公庁は充足されるのかもしれないが、そのために全体の分母を増やすのはおかしい。そもそも、毎年160人(全員合格するわけではないのでもう少し少ないと思うが)ずつ増える獣医師仕事が本当にあるのだろうか。

それと、全体の数については農水が予測を出しているが、獣医師の需給はほぼ均衡するとの結果だったはずで、これを踏まえれば獣医学部を設置すべき!との判断おかしい。

http://www.maff.go.jp/j/study/other/jui_jukyu/pdf/report.pdf

3獣医師待遇改善が先では

市や県に勤める獣医師は不足している。これは、全体の数が足りないからというより、待遇問題が大きいと思う。例えば俸給表を見ればわかるが、獣医師給料医師歯科医師よりだいぶ安い(半分いかない)。

https://seo.lin.gr.jp/nichiju/suf/topics/2010/20100830_02.pdf

4今治必然性がない

そもそも今治市土地って、住宅用に造成したけど使えなくて、大学誘致しようとして色々断られて、加計学園獣医学部だったらいいよって言ったのが始まり土地活用地域おこし獣医利用するのやめて欲しい。四国獣医学部ないっていう人いるけど、そんなに畜産盛んじゃないだろ。。

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