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吉澤嘉代子×たなかみさき対談 二人に共通する「性と妄想」の話

吉澤嘉代子×たなかみさき対談 二人に共通する「性と妄想」の話

吉澤嘉代子『月曜日戦争』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:飯嶋藍子

吉澤嘉代子が初となるシングル『月曜日戦争』を発表した。この曲はドラマ『架空OL日記』の主題歌で、吉澤にとっては初のドラマ主題歌でもある。

原作・脚本を手掛け主演も務めるバカリズムが架空のOLに扮し、同僚たちと会話劇を繰り広げるこのドラマは、シュールかつコミカルな味わいがあり、OLを「月曜日と戦う宇宙戦士」と捉えた、妄想全開の吉澤節との相性はぴったりだ。

そんなシングルのジャケットを手掛けたのが、SNSでのイラスト投稿が話題を呼び、活躍の場を広げているイラストレーターのたなかみさき。キュートでちょっとエッチなイラストは、妄想を掻き立てるキャプションとの相乗効果もあって、若年層を中心に男女問わず人気を呼び、今回のジャケットでもそのテイストをいかんなく発揮している。

吉澤からたなかへのラブコールに始まり、今ではすっかりたなかも吉澤のファンだという相思相愛の二人の対談は、話せば話すほどたくさんの共通点が浮かび上がってくるものに。中でも、その根幹とも言うべき「性と妄想」についての対話は、非常に現代的であり、興味深い内容のものとなった。

たなかさんの描く女の子は、つねったら赤くなっちゃいそうな危うさがあってすごく魅力的だなって。(吉澤)

―今回のシングル『月曜日戦争』は書き下ろしのドラマ主題歌ですが、吉澤さんはどんな曲にしようと思い、なぜたなかさんにジャケットを依頼したのでしょうか?

吉澤:監督から「SF」とか「パラレルワールド」というモチーフをいただいて、そこから社会人が日々血を流さない戦いを繰り広げている心象風景を描きたいと思ったんです。それで、OLが月曜日という始まりと戦う宇宙戦争の物語を作りました。

たなかさんのイラストは前々からInstagramで見ていて、ファンだったので、次のアルバムとかでご一緒できないかなって思ってたんですけど、今回シングルの話をいただいたので、「早くお願いしちゃおう!」っていう(笑)。

吉澤嘉代子
吉澤嘉代子

―たなかさんのイラストのどこに魅力を感じていますか?

吉澤:たなかさんの描く女の子は、つねったら赤くなっちゃいそうな危うさがあるんですよね。いじめたら泣いちゃうんじゃないかっていう感じがすごく魅力的だなって。

―たなかさんは吉澤さんのことはご存知でしたか?

たなか:今回初めて知りました。音源を聴いてみたら、誰に似てるとかがなくて、唯一無二だなと思って。私、よく「レトロ」って言われるんですけど、吉澤さんはそういうカテゴリーに捉われない感じがしていいなって思ったし、今回のお話をいただいて私もやりたいことができるんじゃないかって、ビビッと来て。最近も吉澤さんの歌をずっと聴いているくらいファンになりました。

吉澤:この間、東京国際フォーラムでのワンマンを観に来ていただいたんですけど、舞台でたなかさんをご紹介するときに、「レトロで」って言っちゃって。そのあと、「私は『レトロ』って言われるのそんなに嬉しくないから、たなかさんも嬉しくないかな」って思ったんです。あとで話したら、やっぱり同じような感覚で、そういうところがホント好きだなって。

たなか:「レトロって何やねん」ってね(笑)。まあ、言いたくなるのもわかるから、別に嫌ではないんですけど。

吉澤:でも、嬉しいわけでもないんですよね(笑)。その感じが似てます。

中島らもさんみたいな、小気味いい言葉を言いたい。(たなか)

―たなかさんがSNSでアップされているイラストには一言キャプションがついていて、それもすごく効果的ですし、言葉好きの吉澤さんからすれば、そこもポイントだったのかなって。

吉澤:まさにそうですね。自分で描かれた作品に対する言葉が、すごくチャーミングで、素敵で、それに惹かれたのもあります。

―たなかさんはよく小説とかを読まれたりするんですか?

たなか:小説はそんなに読むほうではないんですけど、中島らもさんみたいな、小気味いい言葉を言いたいって意識しています。昔の雑誌の題名などを参考にしているんですけど、たとえば、この『こんな女の子抱いてみないか』って本は、「みない?」じゃなくて「みないか」っていうのがいいですよね。そういう細かいニュアンスを優先しているので、言葉フェチなのかもしれないです。

たなかみさき
たなかみさき

たなかが持参した雑誌
たなかが持参した雑誌

吉澤:私も語尾大好きなので、今すごく興奮してます(笑)。

たなか:あはは(笑)。私「なの」が好きで、結構使ってる気がします。

吉澤:私も使ってる。あと、「かしら」とか。

たなか:あとは完結させないようにも意識してます。答えを見つけて提示できるほどできた人間ではないので、「それからどうした」みたいなことは明確にしないで、きっかけをポンッと投げる感じで終わらせているんです。

―完結させないことでその先のイメージが広がるわけで、表現の根幹に「妄想」があるのもお二人の共通点かと思います。

吉澤:基本的に曲を書く人って妄想をしてると思うんですけど、その度合いや脚色の具合が、私は特に強いのかなって。

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リリース情報

吉澤嘉代子『月曜日戦争』初回限定盤
吉澤嘉代子
『月曜日戦争』初回限定盤(CD+カセットテープ)

2017年5月24日(水)発売
価格:2,000円(税込)
CRCP-10371

[CD]
1. 月曜日戦争
2. フレフレフラレ
3. 月曜日戦争(instrumental)
[CASSETTE-SIDE1]
1. 月曜日戦争
2. フレフレフラレ
[CASSETTE-SIDE2]
1. 月曜日戦争(instrumental)
2. フレフレフラレ(instrumental)

吉澤嘉代子『月曜日戦争』通常盤
吉澤嘉代子
『月曜日戦争』通常盤(CD)

2017年5月24日(水)発売
価格:1,200円(税込)
CRCP-10372

1. 月曜日戦争
2. フレフレフラレ
3. 月曜日戦争(instrumental)

イベント情報

『吉澤嘉代子「月曜日戦争」発売記念インストアイベント』

サイン&チェキ会
2017年5月25日(木)
会場:愛知県 タワ-レコ-ド名古屋パルコ店 店内スペース

サイン&チェキ会
2017年5月26日(金)
会場:東京都 渋谷 HMV&BOOKS TOKYO
ゲスト:たなかみさき

サイン&チェキ会
2017年5月27日(土)
会場:東京都 ヴィレッジヴァンガード下北沢店 店内イベントスペース
※吉澤嘉代子がOLの衣装で登場

ミニライブ&サイン会
2017年5月28日(日)
会場:東京都 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO

プロフィール

吉澤嘉代子
吉澤嘉代子(よしざわ かよこ)

1990年、埼玉県川口市生まれ。鋳物工場街育ち。父の影響で井上陽水を聴いて育ち、16歳から作詞作曲を始める。ヤマハ主催『“The 4th Music Revolution” JAPAN FINAL』にてグランプリとオーディエンス賞をダブル受賞。2016年、『ROCK IN JAPAN FES 2016』、『SWEET LOVE SHOWER』など大型フェスヘ出演。2017年、3rdアルバム『屋根裏獣』をリリース。5月7日、東京国際フォーラム ホールCを含む「獣ツアー 2017」開催。バカリズム主演ドラマ『架空OL日記』の主題歌『月曜日戦争』を初のシングルとして5月にリリース。また、私立恵比寿中学、南波志帆らへの楽曲提供も行う。

たなかみさき

イラストレーター。1992年、埼玉県出身。酒と歌と哀愁をこよなく愛す24歳。日本大学芸術学部美術学科版画コースを卒業後、表参道manhoodでの個展を行なったのち、熊本に移り住みフリーのイラストレーターとして活動。2017年3月からは拠点を熊本から東京に移し、活気のある熊本で培った感性を生かし、書籍やグッズ製作など作品の幅を広げて活動中。

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