フィリピン ドゥテルテ大統領が南部に戒厳令
フィリピンのドゥテルテ大統領は、過激派組織IS=イスラミックステートに忠誠を誓う地元のイスラム系武装勢力が活動を活発化させている南部ミンダナオ島などに、軍の統制下に置く戒厳令を布告し、野党などから行きすぎた対応という批判が上がることも予想されます。
フィリピン南部のミンダナオ島で23日、「マウテグループ」と呼ばれる地元のイスラム系武装勢力と治安部隊との間で戦闘となり、軍によりますと少なくとも兵士5人が負傷し、現在も交戦が続いています。
これを受けて、ドゥテルテ大統領は23日夜、ミンダナオ島やその周辺の島に戒厳令を布告しました。フィリピンで第二次世界大戦のあと戒厳令が敷かれるのは3回目で、軍は60日の期間の間、対象の地域を統制下に置き令状なしで身柄の拘束などができることになります。
「マウテグループ」は、ミンダナオ島の西部を拠点に数十人のメンバーが活動し、過激派組織ISに忠誠を誓い、同じくISに共鳴する地元のイスラム過激派組織「アブサヤフ」と連携して、フィリピン各地で爆発事件など反政府活動を活発化させています。このため、ドゥテルテ大統領は掃討作戦を進める手段として、これまでたびたび戒厳令の布告を示唆してきました。
一方、野党などはこれまで人権面への懸念から戒厳令は不要だとする姿勢を強調していて、今回、実際に布告されたことを受けて、行き過ぎた対応という批判が上がることも予想されます。
これを受けて、ドゥテルテ大統領は23日夜、ミンダナオ島やその周辺の島に戒厳令を布告しました。フィリピンで第二次世界大戦のあと戒厳令が敷かれるのは3回目で、軍は60日の期間の間、対象の地域を統制下に置き令状なしで身柄の拘束などができることになります。
「マウテグループ」は、ミンダナオ島の西部を拠点に数十人のメンバーが活動し、過激派組織ISに忠誠を誓い、同じくISに共鳴する地元のイスラム過激派組織「アブサヤフ」と連携して、フィリピン各地で爆発事件など反政府活動を活発化させています。このため、ドゥテルテ大統領は掃討作戦を進める手段として、これまでたびたび戒厳令の布告を示唆してきました。
一方、野党などはこれまで人権面への懸念から戒厳令は不要だとする姿勢を強調していて、今回、実際に布告されたことを受けて、行き過ぎた対応という批判が上がることも予想されます。
ロシア・フィリピン首脳会談 前倒し
フィリピンの南部ミンダナオ島などに、戒厳令が布告されたのを受けて、ロシアを訪問中のドゥテルテ大統領とプーチン大統領の首脳会談は、当初の予定を前倒しして23日、行われました。
この中で、ドゥテルテ大統領は、2国間の経済関係を強化するためロシアを訪問したことを強調した上で、「残念ながら帰国しなければならない。戦闘が起きている」と述べたのに対し、プーチン大統領は、「戦闘が速やかに終わることを願う」と応じました。
ロシアのメディアによりますと、ドゥテルテ大統領のロシア訪問は当初、今月22日から26日までで、プーチン大統領との会談は25日に予定されていましたが、フィリピンの憲法では、戒厳令の布告のあと、大統領は48時間以内に議会に報告しなければならないため、予定を切り上げて帰国せざるを得なくなった形です。
この中で、ドゥテルテ大統領は、2国間の経済関係を強化するためロシアを訪問したことを強調した上で、「残念ながら帰国しなければならない。戦闘が起きている」と述べたのに対し、プーチン大統領は、「戦闘が速やかに終わることを願う」と応じました。
ロシアのメディアによりますと、ドゥテルテ大統領のロシア訪問は当初、今月22日から26日までで、プーチン大統領との会談は25日に予定されていましたが、フィリピンの憲法では、戒厳令の布告のあと、大統領は48時間以内に議会に報告しなければならないため、予定を切り上げて帰国せざるを得なくなった形です。