「デリヘルドライバー向きの人」とは?
夜の、女性が絡む仕事には「ドライバー」が付き物である。
自宅からお店までの送迎があれば、行きは楽だし、帰りの時間を気にしなくてもいいし、アルコールも飲める。
「通勤が楽」というのは、精神的にしんどい水商売において大きなポイントであり、どこの店主も気を使う部分であろう。
簡単にいえば、「女」を売る仕事においての女性は、送迎されるべき身分なのである。
彼女らなくしては、誰の暮らしも成り立たない業界であるから。
無論、ドライバーになる男性には品位や思いやり、自制が必要なのはいうまでもない。
酔ったキャバ嬢やホステスに毎回欲情するような人には、夜の運転手は到底務まらない。
穏やかで、気が利いて、適度な口数と話題と、聞き上手を備えた男―――。
そんなキャラなら、ドライバーとしては合格であろう。
「デリヘル」においても、それは全く同じである。
自らの女を使って男性を逝かせる、もしくは逝かせた女性を、ホテルや自宅まで送る仕事は、欲情過多な男には絶対にできない。
一晩に何人もの男と肌を合わせ、その都度シャワーを浴びて、密室である車内に乗り込んでくるデリヘル嬢は、それこそ異様なまでの色気を身にまとっているのだ。
気怠いその表情や眼差しとルームミラー越しに目が合えば、思わず海綿体が騒めきそうにもなるが、そんな邪念をサラリとやり過ごし、「お疲れ様」と差し入れの1つでも手渡せる、イキで、少し枯れた、大人の男―――。
そんな人にこそ、デリヘルドライバーは向いているかもしれない。
「デリヘルドライバー」の職務内容と給与とは?
デリヘルというものには、大抵女性の待機所になるマンションの部屋が存在するのだが、次から次に予約・指名が入る嬢にはいちいち事務所に戻る暇などなく、現実的には「車内待機」という形になる場合が多い。
かといって1人の女性に1人のドライバーを付けていては人件費的に経営は立ち行かなくなるので、この辺りの「配車テクニック」は、受付社員の腕の見せ所でもある。
暇な店ならともかく、忙しい店のドライバーは一晩中走りっぱなしだ。
お客マンション前でA子を降ろし、そのまま仕事を終えたB子とC子を相次いでおのおののマンション前で拾い、B子は次のお客の元へ送り、C子は自宅へ送り帰し、その後、A子、B子と拾い、また次の場所へ――。
その上、目まぐるしく運転をしながらも、場合によっては売上を嬢から預かり、女性にその日の日当を手渡したりもせねばならず、運転技術に管理能力(経費の領収書含む)、経営陣から信用・信頼される人柄も問われたりもするのである。
こうやって分析してみると、デリヘルドライバーは
穏やかで、気が利いて、適度な口数と話題と、聞き上手を備えていて、粋で、
運転が上手で、お金の管理ができて、信用・信頼される人柄があって・・・
って・・・それじゃあまるで「聖人君子しかデリのドライバーはできない」と言っているようなもんだが、まぁ、それは要は理想である。
最近は社員がドライバーをするケースが多いが、実際のところ、デリのドライバーはアルバイトを雇うことも多々ある。
だいたい時給は1200~1600円の範囲内だろう。
それはどっちかといえば門戸の広いバイトであり、免許証と面接を乗り越える最低限のキャラさえあれば、ほぼ誰にでもできる仕事といえるかもしれない。
(どうして人を選ぶ仕事なのに、門戸は広いの?)
その理由は、「デリヘルドライバーの歴史」と関連しているのである。
「デリヘルドライバー」の歴史
元々、デリヘルは「マンヘル」などと呼ばれていた時代を経て、現代に至っている。
マンヘルの由来というのは、要は「独身者が女性を自分のマンションに呼ぶ」ことに起因しており、恐らく平成一桁年代まで、「デリヘル」という造語はポピュラー化していなかったはずだ。
※「イメクラ」なども今は消えた造語である。
今となっては信じられないだろうが、当時は、お客を呼ぶ方法として「インターネット」が存在しない時代だった(風俗雑誌もそこまでメジャーじゃなかった)
「新聞広告」と「投函ビラ」(※お店の宣伝ビラの投函は違法)が広告の主流だったあの頃、デリヘルのドライバーは何と「最低限の時給+歩合給制」だったのである。
1、 安い時給でお金が必要な連中を大勢雇う
2、 おのおのに「自分のナンバー」を記したビラを持たせる
3、 警察に捕まらないように、夜の闇に紛れて、マンションの集合ポストやドアポスト等に、ビラを大量に投函する
4、 そのビラを見た人から女の子の指名が入る
5、 誰が撒いたビラかは一目瞭然、その本数によって時給は激増する
6、 それらを、女の子を送迎しながら、待機時間にやる
800円の時給が、1本指名が入るたびに300円ずつあがったりするのである。
1本も指名が入らないドライバーなら一晩働いて6000円位なところが、5本指名が入ったドライバーは20000円弱と・・・。
要はそんな一部の「超優秀な(腹の据わった)ドライバー」を確保するため、誰でもかれでも雇います的な風潮が、この職業には長くあったそうだ。
その名残で、デリのドライバーのイメージは「浅く広く」なのである。
「デリヘルドライバー」のトラブル
デリヘルドライバーが絡むトラブルの大半は、「持ち逃げ」と「お手付き」である。
今と異なり、昔は基本、デリヘルの背後にはヤ〇ザ的なケツモチがいたものだから、そうそうは逃げきれない。
殺されることはないにしろ、捕まったドライバーにはそれなりの罰(おしおき)は待っており、事務所で土下座をしている血まみれのドライバーを見た―――
という嬢も多いようだ。
自業自得とはいえ、車の運転ができない体になってなければいいですが(;´・ω・)
ただ最近は風俗業界も浄化が進んで、デリヘルにケツモチがいるなんてケースは殆ど聞かなくなった。
今、ドライバーが持ち逃げなんてしたら、即座に警察が飛んでくるだろう。
現代の派遣型風俗店というのは、地域の生活安全課の完全なる「監督下」にあり、従業員にしろお客にしろ、タチの悪いのは捕まるだけのことである。
それに、ドライバーが消えてもそれこそ代わりは何人でもいるわけで、店側が被る被害はそうは大きくはない。
ま、アブに刺された程度の痛みだろう。
ただ、「お手付き」はそうはいかない。アブどころか、ダメージはスズメバチ級だ。
なぜかといえば、ドライバーに惚れた嬢の多くが店を辞めるからだ。
そりゃあ、惚れた男に送られて、毎日色んな男の部屋やらホテルやらに運ばれるのは苦痛であろう。
送る側の男も車で待機中、(あいつ、今、あの部屋で男に何してあげてるんだろう?)なんて想像したら、それこそ身悶えするほどの葛藤を抱えるわけで、結局はドライバーも、お手付きがバレないように、時間差をつけて辞めてしまうのである。
バイトドライバーのお手付きで、お店の売上の2割を占めていた嬢が消えた――。
人気の嬢に手を出され、こんな事態が起きた日には、お店としては死活問題だ。
だからこそドライバーを雇用する際、【お手付き100万円】などという規約を設けるお店が多いわけである。
どんな仕事にしてもそうだが、経営側は人生を賭けてお店をしているのだから、1人のバイトの下心や恋心で事業をダメにされるなんて、たまったものではないのだ。
だからこれからドライバーになろうという性欲過多な、恋愛体質なアナタ、ヨコシマな想いがあるなら、ドライバーとしてでなく、お客としてデリヘルに行きましょうね(笑)
「お店」において、商品を食べていいのは、お客様だけなのです(^^♪