2017年05月25日
子育てがつらいのは9割が思い込み?『いい親よりも大切なこと』著者が提案する、新しい親子関係
子育てがちょっとつらいと思った経験はどのママにもあると思います。子どものために「あれしなきゃ」「これしなきゃ」と少し無理していることや、親になったからと我慢していることはないでしょうか。そんな中「子どものために"しなくていいこと"」を提唱する本『いい親よりも大切なこと』(新潮社)の著者のお二人に話をうかがいました。
「子育てが"つらい"から"楽しい"に変わった」という声が寄せられる「おやこ保育園(*)」を主宰するのは現場での保育経験を生かして保育士起業家として活動する小竹さんと小笠原さん。
そこでのノウハウをベースに書き下ろされた『いい親よりも大切なこと』(新潮社)は、子育て中のママにとってたくさんのヒントが詰まった本です。
KIDSNA編集部でもこの本を読んでみると「しなくてもいいことが、こんなにたくさんあるなんて…!」と発見がたくさんありました。著者のお二人がどのような気持ちでこの本を綴ったのか、インタビューさせていただきました。
*おやこ保育園・・・小竹さんと小笠原さんが保育現場での経験を活かしてプログラムを作っている、親子のための10回シリーズの習い事。子どもを観察したり、親同士で対話したりしながら、生きることを楽しむ力を身につけるための保育園。運営側と参加者を区別せず、大人も子どももフラットな関係で育ちあうことを目的としている。
KIDSNAを通して日々子育てに関する情報を集めていると「親だからこうしないといけない」というルールのようなものが、最近はすべてのママにあてはまらないような気がします。
ーー編集部でも、子育てが多様化していると感じます。
「そうですね。保育現場で勤務していた時もママたちから、お姑さんや自分の親と子育てに対して意見が合わない、という声をよく聞きました」(小笠原舞さん。以下、小笠原さん)
「きっと今と昔では体の不調の内容もちがいますよね。時代や世代の変化と共に、子どもの様子や子育ても変化していくものだと思います」(小竹めぐみさん。以下、小竹さん)
そんな中で、この本にはたくさんの子育てのヒントが詰まっています。
ーー「しなくてもいいことがこんなにあるなんて」と、ちょっと楽になったんです。
「おやこ保育園でいろんな親子と接していて感じるですけど"もっと~しなきゃ"と思っているママはやっぱり多いです。
でもこれはエンドレスというか、もうすでに120%なのに200%を求めているようなもの。ママだって健康管理も大事だし、自分のキャパ以上の無理はしなくていいと思うんです」(小笠原さん)
ーー昔に比べて、ママが孤独なのかもしれません。夫も仕事で忙しいし、地域との関わりも少なくなっていて。
「暮らしの中で自然に人と関わる範囲が狭くなっているのもあるんでしょうね」(小竹さん)
「自治体の支援センターとか開かれている場所はありますけど、積極的なママたちに聞くと子育ての悩みを相談しにくいようです。」(小笠原さん)
本の中でも特にママたちの参考になりそうなのが、子どもへのしつけのポイントです。
1. 伝え続ける
2. 「その時」「その場で」
3. 静かに話せる環境で
4. 触れながら
5. 小さな声、低めの声で
ーーこの5つは、今日からすぐにでも始められそう!って思いました。
「"とはいえ、これができたらいいけど(やっぱりできない)"と言われることもありますが、このポイントをを知っただけでも違いは大きいんです。思わず感情的になってしまいがちな時、頭にポイントがよぎる…または、冷静になった時に思い出す…それだけでも、充分価値があります」(小竹さん)
KIDSNA読者のみなさんからのご意見で感じているのですが、子どものしつけや叱ることで悩んでいるママが多いようです。
ーー私たち(編集部)自身も悩んでいるので「小さな低い声で」などすぐに実践できそう。つい甲高い声を出してしまうので…
「これも現場の経験で気づいたんですけど、大声だと逆に楽しそうだと子どもが勘違いしたり、右から左の耳に、流されちゃったりするんです(笑)真顔で小声で言われたほうが、逆に緊張感がでますよね」(小竹さん)
「ママが子どもの立場になって"どんな風に言われたら自発的に変わろうという気持ちになるか"というのを考えてみると、この5つのポイントは、自然なことかもしれません」(小笠原さん)
ーーはい。これを思い出すだけでも、子どもに接する時のワンクッションになりそうです。
つい感情的になりそうな時に思い出したいポイントですね。
最後に著者であるお二人にきいてみました。
ーーいい親でいることよりも、どんなことが大事だとお考えですか?
「親子でもお互い人としての"ちがい"を大切にすることではないでしょうか。親と子ども。私と夫。ママ友でも誰でもそうですが。
ちがうからといって滲みあわないと小さな争いを生んでしまうので、ちがうことがいいとか悪いとかじゃなくて、その"ちがいを受け止める"と、それだけですごく楽になるのではないでしょうか」(小笠原さん)
ーーたしかに、特に子どもが小さいと自分の分身みたいに感じがちです。
親子だからわかってくれるだろう、理解し合えて当たり前と考えている部分はあるかもしれませんね。
「子どもにも大人にも言えますが、"わたし"を基準に物事を考え、選択することが大切だと思います。"わたし"にはいい・悪いもないですよね。親である以前に、"わたし"であることを大事にしてほしい。親という仮面を取った、素直な自分の感じ方や考え方など…」(小竹さん)
ーーなるほど。そう意識すると、自分の生き方を振り返ったり、考えさせられますね。
「子育ては人生のすべてではなく一部だと思います。子どもを育てることに一生懸命になりすぎてしまうと、自分が見えなくなってしまいますよね。自分のことを大切にしながら、子どもと過ごす…子育てを楽しむポイントは、そこにあるなぁ、と感じています」(小竹さん)
「ただ、子どものとなりにいて、そこで生きていること。わたしの人生どうしたいんだっけ?っていうことを大事にしながら子どもと一緒に時間をすごせたらいいですよね。
自分を押し殺すとどこかでマイナスの感情が出てしまうから、無理しなくてもいいんだんなって、この本を読んで感じてほしいです」(小笠原さん)
著者のおふたりの話をきいていると、今日から行動が変えられそう、と思えました。そして「ママになっても新しく知ることがいっぱいある」という知る喜びを久しぶりに感じたような気がしました。
編集部のメンバーからも「日々忙しすぎてここまで深く考える時間がなかったから、この時間が本当によかった」という声もあがりました。
子育ては大変なことだけではなく、大切なことがたくさん詰まった日々だということに気づかせてくれた小笠原さんと小竹さん、本当にありがとうございました。
取材:KIDSNA編集部
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