ソフトバンクグループがサウジアラビアなどと共同で発足させた10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が、米半導体大手エヌビディアの株式を取得する。すでにソフトバンクが市場から4千億円分前後を買い集めており、これを新ファンドに移管する。エヌビディアは自動運転に使う画像処理技術を持ち、トヨタ自動車との提携で注目を集めている。
ソフトバンクが取得したエヌビディア株は同社の発行済み株式全体の5%未満。ソフトバンクは新ファンドの発足を前に市場から同社の株式を買い集めていた。当初から新ファンドで取得する予定だったが、発足が計画より遅れたため、ソフトバンク本体が一時肩代わりすることになった。
エヌビディアは画像処理用半導体(GPU)の大手。車載カメラやレーダーなどクルマの「目」がとらえた膨大な画像のデータを処理する技術に優れる。トヨタが自動運転技術の開発で提携したほか、世界の自動車大手では米フォード・モーターや独メルセデス・ベンツなども提携している。