論説主幹・根本清樹
2017年5月24日21時02分
今の自民党に必要なのは、こういう政治家ではないか――。与謝野馨氏の訃報(ふほう)に接してまず思ったのは、そのことだ。
経済政策通というだけでなく、自民党の「右振れ」を常に警戒していた側面を忘れるわけにはいかない。2005年、党新憲法起草委員会の事務総長としてのさばきが印象に残る。
政治上の師である中曽根康弘元首相が自ら、新憲法前文の原案を執筆した。「日本国民は……太平洋と日本海の波洗う美しい島々に……」。与謝野氏は「俺が書き直す。情緒的表現は削る」と、臆する風もなく全面的に手を入れた。
それは「ナショナリズムを制御…
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