[PR]

 今の自民党に必要なのは、こういう政治家ではないか――。与謝野馨氏の訃報(ふほう)に接してまず思ったのは、そのことだ。

 経済政策通というだけでなく、自民党の「右振れ」を常に警戒していた側面を忘れるわけにはいかない。2005年、党新憲法起草委員会の事務総長としてのさばきが印象に残る。

 政治上の師である中曽根康弘元首相が自ら、新憲法前文の原案を執筆した。「日本国民は……太平洋と日本海の波洗う美しい島々に……」。与謝野氏は「俺が書き直す。情緒的表現は削る」と、臆する風もなく全面的に手を入れた。

 それは「ナショナリズムを制御…

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら