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日本人は無宗教と言われることが多い。実際「あなたはどの宗教を信仰していますか?」なんて聞かれてたらはっきりと答えられる人は少ないだろう。

だが、はたしてそうだろうか? 本当に日本人は無宗教なのだろうか?
そんなわけで今日は「日本の民俗」という本を見てみようと思う。

目次

  1. 日本の民俗~祭りと芸能~
  2. 日本の民俗~暮らしと生業~
  3. とんまつりJAPAN~日本全国とんまな祭りガイド~
  4. そんなわけで

日本の民俗~祭りと芸能~

日本の民俗 祭りと芸能 (角川ソフィア文庫)

芳賀 日出男 KADOKAWA/角川学芸出版 2014-11-21
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芳賀日出男氏は写真家・民俗研究家だ。折口信夫の国文学の講義を受けるうちに「来訪神」「マレビト」について興味を持ったそうだ。
「神は季節の移り目に遠くから訪れ、村人の前に姿を現す」と折口は語った。
そこで芳賀氏はそれが本当ならば、写真に収めることができるかもしれない、そう思ったらしい。そして日本人の暮らしに密着した写真を撮ることになる。

こちらでは主に「祭り」と「芸能」がとりあげられている。
神の依代である御幣や、神を招くための清めや祓い、田の神に豊作を願う田植えの祭りなど多くの写真と共に詳しく解説してくれている。あえてすべての写真が白黒であるが、その写真達からは動的な力強さが伝わってくる。

そもそも「まつり」は神を祀ることだとされている。
とするならば、現在も各地で続く「祭り」もそこには神の存在があるはずだ。そしてその祭りを毎年楽しんでいる。今でこそすべてのものに神が宿るという考えは薄くなり、自分は無宗教だ・神なんかいないと思っている人も多いだろうが、そうであっても初詣には行くし、お盆には祖霊に参る。

このような民間信仰を「民俗宗教」というそうだ。神話を語り、万物に神が宿り、先祖の守護を信じそれらのために儀式を営むことと定義されるらしい。民俗宗教を駆逐しようとする創唱宗教に対し、民俗宗教はそれらを吸収・習合して来た。祭りや民間信仰が仏教に近かったりするのもそのためであろう。

とすると、日本人は定まった名前の宗派が無いというだけで、実はその多くの行動、習慣は「民俗宗教」に規定されているものであり、それに則った生活を送っているわけである。

日本の民俗~暮らしと生業~

日本の民俗 暮らしと生業 (角川ソフィア文庫)

芳賀 日出男 KADOKAWA/角川学芸出版 2014-11-21
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そしてさらにその時代に生きる人にまで近づいたのがこちらの「暮らしと生業」である。
だんだんと簡略化されては来ているが「正月」や「盆行事」、そして日本人とは切っても切れない「稲作」について、これまた豊富な写真と詳しい解説が載っている。「巫女」についての章では「遠野物語」にも出てくる「おしら様」の写真ものっている。

こちらもやはり写真に写る人々は生きいきとしている。親戚付き合い・ご近所付き合いはとても重要なものだったのだと改めて知ることができる。

今でこそ我々が普通だと思っている文化・風習も何年か、何十年かしたらそれは忘れ去られたもの、過去のものとして捨て去られているかもしれない。少しでもかけがえのないもの、良いものを未来へ残す工夫をしなければならない。そんな気持ちを起こさせてくれる二冊だ。

とんまつりJAPAN~日本全国とんまな祭りガイド~

とんまつりJAPAN―日本全国とんまな祭りガイド (集英社文庫)

みうら じゅん 集英社 2004-07
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上記二冊の本を読み、学者でも何でもない今の自分に何が出来るか。そう考えたときに思い浮かんだのは祭りへの実際の参加である。しかも有名どころではない、あまり知られていない祭りに実際に参加しその祭りの起源を調べてみようじゃないか。そう考えたわけである。

そこで私はこの本を手に取った。
みうら氏の軽妙な語りとその祭りの挿絵や写真が相まって非常に面白い。地元にこんな祭りあったんだ、と驚愕するとともに、紹介された地元の人も首を傾げるシーンがちらほら。このままではいかん!

この本には18の祭が紹介されている。
とくにこの表紙の和歌山・笑い祭りはとてもインパクトが強い(この横から覗いてるおっちゃんは誰なんだ?)。なんとか時間をつくりつつ全国47都道府県の祭を巡ってみたいものだ。

そんなわけで

全国お祭リストを作成してみようと思っております。
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