ナマステ!
ネパール在住ブロガーのKei(@Kei_LMNOP)です。
「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれる、ホセ・ムヒカさん。
日本でも話題になりましたが、彼の言葉の力がハンパない。
名言連発だし、幸せや人生について、本当に考えさせられます。
そこで、今回はムヒカ元大統領の名言とおすすめ本を、
アジア最貧国ネパールに住む僕がまとめてみました。
それではいってみましょう!
世界でいちばん貧しい大統領!ホセ・ムヒカさんの経歴と人生を簡単に紹介するよ
名言や本を紹介していく前に、
ムヒカさんがどんな人生を歩んできたのか、
経歴とプロフィールを簡単に紹介しておきます。
ムヒカさんの本をいくつも出版されている、
汐文社さんの紹介ページが端的で分かりやすいので、
引用させていただきます。
●1935年、ウルグアイ・モンテビデオ郊外に生まれる。
●幼い頃より、パン屋、花屋などで働く。十代から政治活動を始める。
●1960年代初期、当時の独裁政権に反抗する非合法政治組織「トゥパマロス」に加わる。
●ゲリラ活動による4度の投獄を経て解放。
その後、1994年に下院議員に選出。
●1999年、所属の人民参加運動(MPP)が最大議席を獲得。
●2010年、ウルグアイ第40代大統領に選出。
●給料の大半を貧しい人のために寄付し、公邸での居住を拒否。
歯に衣着せぬ物言いが話題に。
●2012年、「国連持続可能な開発会議」でのスピーチで世界の注目を浴びる。
●半世紀ぶりに国交回復したキューバとアメリカの仲介役を担うなど、世界中で活躍。
●2015年、大統領退任。
いや~面白い。日本じゃありえないですね。
だってゲリラで投獄までされた人間が、
最終的にはウルグアイの大統領にまでなるわけですから。
そしてムヒカさんを一躍有名にしたのが、
2012年、ブラジルのリオで行なわれた会議でのスピーチ。
詳しい内容はこの後紹介しますが、これは一読の価値有です。
ウルグアイは世界で一番貧しい国じゃないのになぜ?ムヒカさんが「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれる理由
ムヒカさんのキャッチコピーにもなっている、
「世界でいちばん貧しい大統領」。
なんかちょっと不思議に思いませんか?
ムヒカさんはウルグアイの元大統領。
でも、ウルグアイは世界で一番貧しい国ではありません。
それどころか、1人あたりのGDPは、
中南米では最高水準。
人口はわずか300万人を超える程度、
南米ではフランス領ギアナに次いで2番目に小さい国にもかかわらず、
1人あたりのGDPは1万6000ドル(約200万円)超。
これは世界平均の約1.5倍、中南米では最も高い水準で、物価もかなり高いです。
1人あたりGDPは中南米で最高水準南米唯一のオフショア「ウルグアイ」で証券口座を開設する | 海外レポート世界の街角お金通信 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン
だから「世界でいちばん貧しい”国”の大統領」
ではないんですね。
じゃあなんでムヒカさんは、
「世界でいちばん貧しい大統領」と、
呼ばれているんでしょうか?
その肩書の由来は、大統領らしからぬ、
ムヒカさんの質素な暮らしぶりから来ています。
- 大統領なのに、大統領公邸に住まない
- 主な資産は、友人からもらったビートル、農地とトラクター、自宅
- 給与の大部分を寄付し、国民の平均所得に近い月1000ドルで生活
- スーツでもネクタイはしない(ネクタイは役に立たない雑巾)
- 外国からの客人は自分の友人の家に泊める
引用:まんがでわかる 世界で一番貧しい大統領と呼ばれたホセ・ムヒカ
国のトップなわけですからある程度の贅沢は許されますよね。
なのに、大統領にまでなった人が、
する生活とは思えないくらい質素。
だからムヒカさんは、
「世界でいちばん貧しい大統領」と、
呼ばれているわけなんです。
ホセ・ムヒカ大統領の言葉を紹介!人生を見つめ直したくなる珠玉の名言●選
それではここから、
ムヒカ大統領の名言を紹介していきます。
人生の本質を突いた珠玉の名言をご堪能あれ!
アジア最貧国であるネパールに2年住んだ僕にとって、
共感できる言葉ばかりでした。
ムヒカの名言①「貧しい人」とは、無限の欲を持つ人のこと
私が思う『貧しい人』とは、
限りない欲を持ち、
いくらあっても満足しない人のことだ。
でも私は少しのモノで満足して生きている。
質素なだけで、貧しくはない
ネパールに住んでいるからこそとても共感。
ネパールの人は確かに便利な生活をしているとはいえない。
でも「貧しい」どころか、
日本人よりも遥かに「豊か」だと思うことが多々ある。
ムヒカさんの言葉を借りれば、日本人の方が貧しい。
ムヒカの名言②人生で一番大事なのは、「生きる時間」だ
人間のもっとも大事なものが 〝生きる時間〟だとしたら、
この消費主義社会は、そのもっとも大事なものを奪っているのですよ。
「時間」はどれだけお金を積んでも買えないもの。
今日という1日は何億円出しても、絶対に返ってこない。
時間の大切さを思い出させてくれる言葉。
ムヒカの名言③人はモノを「カネ」ではなく「時間」で買っている
モノを買うとき、人はカネで買っているように思うだろう。
でも違うんだ。
そのカネを稼ぐために働いた、人生という時間で買っているんだよ。
生きていくには働かないといけない。
でも働くだけの人生でもいけない。
ちゃんと生きることが大切なんだ。
たくさん買い物をした引き換えに、
人生の残り時間がなくなってしまっては元も子もないだろう。
簡素に生きていれば人は自由なんだよ
なぜ時間が大事なのかがよく分かる言葉。
欲しいモノがあったら、
それを買うために費やさないといけない「時間」について考えよう。
ムヒカの名言④一番大きな貧困は「孤独」
「貧しい」とか「かわいそう」とか言われる人は、
愛をともに育み親愛の情を与え、
もたらしてくれるコミュニティがない人であります。
そして、一番大きな貧困は、「孤独」です。
貧困というのは「モノ」が少ないことではありません。
この人生で時間や愛情を「共有」できないことを指し示しているのです。
人間にとっての「幸せ」の本質を突いた言葉。
ネパールが経済的に、アジアで一番貧しい国なのに、
日本よりも圧倒的な豊かさを感じるのはこれが原因。
人とのつながりや絆など、
経済的な価値では計れないものが、
幸せな気持ちをもたらしてくれるんです。
ムヒカの名言⑤どんな状態でも、自分には人に与えられる「何か」がある
人生はもらうだけでは駄目なのです。
まずは自分の何かをあげること。
どんなにボロクソな状態でも、
必ず自分より悲惨な状態の人に何かをあげられます。
ネパールの人達に教えてもらったことの1つ。
本当の豊かさは、まず自分が与えることから始まる。
ムヒカの名言⑥「愛」はこの世で唯一、価値のある中毒
ひとつ言えることは、
弾圧だけでは問題を解決することはできない、
ということです。
この地球上で、唯一、価値のある中毒は「愛」だけです。
僕がネパールを好きで好きでたまらないのは、
ネパールの人の「愛」の中毒性がすごいから(笑)
ムヒカの名言⑦必要な物だけ持って、人生をシンプルに生きよう
スーツケースはいつも軽めで必要なものだけ。
物を持つことで人生を複雑にするより、
私には、好きなことができる自由な時間のほうが大切です。
物は最低限あればいいってことを、
再確認させてくれる言葉。
好きなことができる時間って最高ですよね。
ムヒカの名言⑧人は「発展」ではなく「幸福」になるために生まれてきた
私たちがこの地球に生まれ落ちた理由は、
ひたすら発展を求めるためではありません。
私たちは、等しく幸福になるために生まれてきたのです。
「発展」は幸せに生きるための「手段」。
目的であってはならない。
消費・発展こそが全てになりがちな現代社会への警鐘。
協力隊として、
途上国の「発展」に寄与する者として、
絶対に忘れてはいけない言葉です。
ムヒカの名言⑨「発展」という名の落とし穴にはまるな
発展は、物質に押しつぶされることではありません。
幸福と対立するものであってはいけないのです。
消費の落とし穴にはまってはならないのです。
ベーシックな意味で幸福とは、
人間の幸福、地上の愛、人間関係、子孫の養護、友人を持つことなのです。
基本的必需品を持つことに、寄与するものでなければならないのです。
そのような幸福こそが、
私たち人類が本質的に持っている最も大切な宝なのです。
「発展」と「幸福」について語った言葉。
消費すること、発展することが、
過剰になりすぎてはいけない。
ムヒカの名言⑩「幸せ」は命あるものからしかもらえない
すごい進歩を遂げた国だとは思います。
だけど本当に日本人が幸せなのかは疑問です。
西洋の悪いところをマネして、
日本の性質を忘れてしまったのだと思います。
日本文化の根源を忘れていますよ。
幸せとは、モノを買うことと勘違いしているならそうなったのです。
幸せは、人間のように命あるものからしかもらえないのです。
モノは幸せにしてくれません。
幸せにしてくれるのは、生きていることなのですから。
日本と日本人について語った言葉。
「モノは幸せにしてくれない」ってところが、
本当に響きました。
この言葉を必要としている日本人が、
たくさんいる気がします。
ムヒカの名言⑪政治家の暮らしは、国民と同じ程度のものであるべきだ
私たち政治家は、
世の中の大半の国民と同じ程度の暮らしを送るべきなんだ。
一部特権層のような暮らしをし、
自らの利益のために政治を動かし始めたら、
人々は政治への信頼を失ってしまう
ムヒカさんが国民に寄り添う政治をしていたことが、
よくわかる言葉。
ネパールの政治家が、
根本的に信頼されていない理由でもあります。
ムヒカの名言⑫異質なものにも寛容であれ
ファナチシズム(熱狂)は危ないということだ。
左であれ右であれ宗教であれ、
狂信は必ず、異質なものへの憎しみを生む。
憎しみのうえに、善きものは決して築けない。
異なるものにも寛容であって初めて、人は幸せに生きることができるんだ
実はあまり知られていないのですが、
個人的にはかなり好きな言葉。
異なる宗教同士が対立しているように見える現代社会にこそ、
必要な考えですね。
ムヒカの名言⑬人生で一番大事なのは「歩き続ける」こと
人生で最も重要なことは「勝利すること」ではなく、「歩く」こと。
歩き続けることなのです、と。
これは何を意味するのでしょうか?
言い換えると、転んでも再び起き上がり、
また新たに何かを始める勇気を持つこととなります。
何かに打ち負かされたときでもまた立ち上がる、
ということでもあります。
人生の長旅で、このことを忘れないでください。
挫折しそうなときに何度も読み返したい言葉。
牢獄にいながら、一国の大統領にまでなった、
ムヒカさんだからこそ、説得力がありますね。
ムヒカの名言⑭苦しみや敗北は、視野を広げてくれる経験
人は苦しみや敗北からこそ多くを学ぶ。
以前は見えなかったことが見えるようになるから。
人生のあらゆる場面で言えることだが、
大事なのは失敗に学び再び歩み始めることだ
負けるのも苦しい想いをするのも嫌。
でも、その1つ1つが自分をまた大きくしてくれるもの。
足を止めなければ必ずどこかにつながってきますからね。
ムヒカの名言⑮「自分の人生」を生きろ
人生というものは、刻一刻とあなたから逃げていきます。
でも、足りないからといってスーパーで追加の人生を買うことはできません。
だから、人生を生きるために闘ってください。
人生に中身をあげてください。
あなたは、自分の人生の方向性をある程度決められます。
自分の人生の道を切り拓いていけるのです。
他の生き物と違い、あなたは、
自分の人生に中身を詰めるか詰めないかを選択できるのです。
マーケットに自分の命を売り、
必要でもないものを買い漁り、
ローンを支払いながら人生を過ごしていたら、
あっという間に私のような老人になってしまいますよ。
リューマチまみれのね。
他の誰かが中身を詰めたって、
思われるような人生は生きたくない。
他の誰でもない、
「自分」が中身を詰めたって言える人生にしよう。
ホセ・ムヒカ大統領のスピーチ・演説・講演会も見てみよう
名言を読んでみて、
ムヒカ大統領のスピーチや講演会が気になりました?
そんな人は実際に見てみましょう。
こちらは日本に来日された時に、
東京外国語大学で行われた講演会です。
日本語通訳がされています。
[東京外国語大学] 2016.4.7 ムヒカ前ウルグアイ大統領講演会(同時通訳付)
こちらは2012年のリオでの演説。
スペイン語ですが、英語の字幕がありますので、
英語でも理解できる人におすすめです。
Intervención Presidente Mujica en Río+20
ホセ・ムヒカ元大統領の関連本を徹底比較!おすすめ●選を紹介します
これだけの名言を生んだ人なので、
ムヒカさんの本はたくさん出版されています。
もはやどれを読めばいいか分からないくらい(笑)
ってことで、数多く出版されている
ムヒカさんの本の中でも、
おすすめできるものをいくつか紹介します。
【初心者に最適】「世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉 」
ムヒカさんの本の中で、
Amazonで最もカスタマーレビューがついている本。
(2017年5月現在・絵本は除く)
内容も程よい分量で、コンパクト。
2012年のリオのスピーチも全文掲載されています。
初めてムヒカさんの本を読む人にもおすすめ。
名言をいくつかピックアップし、
その名言を補足する形で、
ムヒカさんの経歴や言葉の背景を解説してくれます。
【絵本で読みやすい】「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」
ムヒカさんが一躍有名になった、
2012年のリオデジャネイロでのスピーチに焦点を当てた1冊。
最大の特徴は「絵本」であること。
絵本なだけに、読書が好きじゃない人や、
子どもに読んでもらうのにも最適。
難点はちょっとお値段が高めな点。
ただ出版社さんのサイトで、
ほんの少しですが試し読みもできます。
【挿絵入り】「世界でいちばん貧しい大統領からきみへ」
こちらは絵本ではないのですが、
挿絵と一緒にムヒカさんの言葉が楽しめる1冊。
絵本の方は、スピーチに焦点を当てていましたが、
こちらの本はスピーチ以外のムヒカさんの言葉に、
焦点を当てています。
こちらも試し読みができますよ。
【ガッツリ学びたい人向け】「ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領」
- 作者: アンドレス・ダンサ,エルネスト・トゥルボヴィッツ,大橋美帆
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/03/25
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
反対にどうせならムヒカさんのことを、
ガッツリ学びたい、知りたいって人は、
この本がおすすめです。
19年に及ぶ現地取材をもとに書かれた本。
ムヒカさんがこれだけ世に出る前から、
取材されていた本だけに超本格派。
300ページ超えの大作。
「悪役 世界でいちばん貧しい大統領の本音」の文庫版です。
彼の言葉の裏にある本当のムヒカさんが知れる1冊。
【マンガ&主要3スピーチ掲載】「まんがでわかる 世界で一番貧しい大統領と呼ばれたホセ・ムヒカ」
まんがでわかる 世界で一番貧しい大統領と呼ばれたホセ・ムヒカ
- 作者: 国際情勢研究会
- 出版社/メーカー: ゴマブックス株式会社
- 発売日: 2016/12/29
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
僕が個人的に一番おすすめしたいのがこちら。
タイトル通り、マンガ形式なのですが、
マンガは冒頭のほんの少しの部分だけです(笑)
じゃあなんでおすすめなのかというと、
一番良いとこどりをしている本で、
内容のバランスがいいからです。
冒頭にマンガもありますし、
名言をピックアップして背景を紹介する部分もある。
さらに、ムヒカさんの主要な3つのスピーチも掲載されています。
東京外大での講演会、
リオでの「国連持続可能な開発会議」における演説、
南米諸国連合の会長就任演説が全文収録されています。
よって、読んだ感想としては、
この中で一番おすすめです。
ムヒカ大統領の本を読んで、本当に大事なものを大切にしながら人生を生きよう!
世界でいちばん貧しい大統領である、
ウルグアイのホセ・ムヒカさんの名言と、
おすすめの本を紹介しました。
この記事を読んで、少しでも彼の言葉に
ハッとさせられることがあったら、
ぜひ本を読んでみることをおすすめします。
名言だけ読むのは、スポーツの試合のハイライトだけ見るのと一緒です。
それだと言葉の背景や解説がないので、
本当の意味で彼の言葉を理解したことにはなりません。
ぜひ本を読んで、じっくり考えに浸ってみるのがおすすめです。
おすすめの本を対象者別にまとめて、
最後に紹介しておきます。
- 初心者向け・本を読むのが好き
⇒世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉 - 子ども向け・絵本でスピーチだけを読みたい
⇒世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ - 子ども向け・挿絵付きの本でスピーチ以外の言葉を知りたい
⇒世界でいちばん貧しい大統領からきみへ
- 読書好き向け・ムヒカさんの人生そのものを知りたい
⇒ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫)
- 万人向け・名言もスピーチも手っ取り早く読みたい
⇒まんがでわかる 世界で一番貧しいと呼ばれた大統領 ホセ・ムヒカ
ムヒカさんの本は人生に一度は読むべき本です。
自分に合った本を選んで、
よりよい人生を生きれるようになりましょう!
幸せについて考えたくなった人はこちらもどうぞ。
次は⇒世界一幸せな国はブータン?ノルウェー?デンマーク?純粋幸福度ならフィジーだよ
ネパールのアイドル、ラプシーちゃんの一言!
私の名言集もつくってちょうだい~