【5月24日 AFP】英中部マンチェスター(Manchester)のコンサート会場で起きた自爆攻撃で、現場付近で物乞いをしていたホームレスの男性が瀕死(ひんし)状態の女性を抱きかかえてみとっていたことが分かり、英雄として称賛を集めている。

 10代の少女から圧倒的な支持を受ける米歌手アリアナ・グランデ(Ariana Grande)のコンサートが行われていた「マンチェスター・アリーナ(Manchester Arena)」で22日、サルマン・アベディ(Salman Abedi)容疑者が爆発物を起爆させた際、クリス・パーカー(Chris Parker)さん(33)は会場の入り口付近で物乞いをしていた。

 何人もが命を落とし、逃げ惑う人々でパニックが起きる中、パーカーさんは犠牲者を助けようと現場に駆けつけた。

「爆発音が聞こえたかと思うと、白い光が走り、煙も見えました。その後、泣き叫ぶ声が聞こえてきたんです」。パーカーさんは英通信社プレス・アソシエーション(Press Association)に、涙ぐみながら当時の様子を振り返った。

「私は(爆発の衝撃で)床にたたきつけられ、それから起き上がりました。逃げ出そうとは思いませんでした。助けなければ。そう直感して駆け出していたんです」

 会場の床には、至る所に人が倒れていたという。