昨年の法改正以来、その節税効果の有利さから確定拠出年金に注目が集まっている。特に、愛称が「iDeCo(イデコ)」と決まった個人型確定拠出年金に関しては、金融機関に口座開設の申し込みが殺到しているという。

 そうした確定拠出年金よりもスケールが小さいとはいえ、(1)短期間で資金を回収でき、(2)リスクが小さく、(3)生命保険料控除のメリットを確実に取ることができる──。そんな商品があれば魅力的なのではないかと思って探してみたら、こんな商品があったのだ(正確に言うと、ある知り合いに教えてもらったのだが…)。

 率直に言って、保険としてよく認可されたものだと思う。

時代に合わない保険料控除は
廃止していいのではないか

 「税制」というものはあくまで「ゲームのルール」であり、最大限に利用すればいいという立場はあり得る。だから、読者が「じぶんの積立」を使って生命保険料控除のメリットを得ることについては、なんら躊躇を感じる必要はない。

 しかし、国、あるいは社会、はたまた納税者の立場に立つと、この保険の契約者に税制上のメリットを与える意義を感じることができるだろうか。

 たとえば確定拠出年金の場合、一度きりで繰り返し学習が効かない人生選択にあって、年金の一種として老後に向けた積立運用を奨励する一種の「パターナリズム(家父長的な干渉主義)」にプラスの価値を見いだすことができるようにも思う。

 だが、さきの保険の場合の生命保険料控除については、単に国が税金を取り損なっているようにしか見えない。

 ゲームの参加者としては、自分もメリットを得て、「メリットを最大化しないぼんやりした納税者」の立場を脱すればいいのだろうが、今ひとつ気が進まないのも、一方の本音だ。冒頭で、保険加入を推奨しておいて、申し訳ない。