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 妻を殺害したとして殺人の罪に問われた中国籍の王延華被告(68)の裁判員裁判の判決が24日、大阪地裁であった。伊藤寿裁判長は、捜査段階での通訳ミスなどを問題視して王被告の供述の一部に信用性がないとしたものの、殺意があったと認め、懲役7年(求刑懲役11年)を言い渡した。

 判決によると、王被告は2016年2月、大阪市平野区の自宅で酒に酔った状態で妻の首を絞めて殺害した。王被告は「押さえ込んでいたが殺意はなかった」と主張していた。

 公判では、弁護人の請求で、地裁が大阪府警による被告の取り調べを録音録画したDVDを鑑定し、通訳の誤訳や訳漏れが120カ所あったと分かった。判決は、「殺して黙らせようと思った」という調書について、実際には被告は「殺すつもりはない」と話したのに、通訳されないまま異なる内容で作られたと認定した。

 弁護人の植田豊弁護士は閉廷後、「誤訳などで冤罪(えんざい)を生むおそれもある。何らかの対策が必要ではないか」と話した。