国や自治体には実に様々な制度、助成金などが

あります。

それらを利用するには、まずはどんなものがある

のかを知り、申請をしなければいけません。

 

これを面倒と感じ敬遠するのは、とてももったい

ないことです。

こうしたお金の原資は、私たちが納めている税金や

社会保険料です。

使えるものは上手に利用すべきでしょう。

またどんな制度があるのかを知っておくだけで、

実はお得です。

なぜなら、いざというとき公的な助けが得られる

ことがわかっていれば、不安に駆られて過剰に

保険に加入する……ということを防げるからです。

 

では、実際にどんな制度があるのか、いくつか

ご紹介します。

全国共通の制度

高額療養費制度

病気やケガで入院をすると、医療費が高額に

なることがあります。

そうした際に医療費の負担を軽減できるように

したのが「高額療養費制度」です。

 

1カ月の医療費が一定額を超えた場合、

その金額が払い戻されます。

この制度で忘れられがちなのは、次の(1)~

(3)の場合、負担額をさらに軽減する

仕組みがあることです。

 

(1)1カ月の間に同一人が複数回受診

(2)1カ月の間に同じ世帯の複数人が

医療機関を受診

(3)直近の12カ月間に高額療養費の

支払いが4回以上

 

特に(2)は見落としがちですので、注意が必要です。

該当する可能性があるなと思ったら、一度家族全員の

医療費を調べてみてください。

 

名称:高額療養費制度
対象者:健康保険の被保険者および被扶養者
もらえる額の目安:上限なし
金額の決め方[地方自治体の例]:1カ月の医療費のうち、一定額(年収370万~770万円程度の場合、8万~9万円程度)を超える金額が払い戻される
申請先:健康保険組合、市区町村(国保)

医療費控除

家庭内で1年間に医療費が10万円以上かかった

場合、所得からその分を差し引き税金を軽減

してくれるのが「医療費控除」です。

 

対象になるのは、病院、歯科医院などの治療費、

入院費、医師の処方箋による薬代などだけでは

ありません。

 

市販の風邪薬や胃腸薬、治療のためのマッサージ、

鍼灸代、通院時の交通費、妊娠と診断されて

からの定期検診や検査などの費用、レーシック

手術費用なども対象となります。

 

控除を受けるには確定申告が必要です。

世帯で一番所得の多い人が申告するといいです。

 

名称:医療費控除
対象者:1年間に家族の医療費が10万円以上の人
もらえる額の目安:上限約90万円(所得控除の上限は200万円)
金額の決め方[地方自治体の例]:1年間に支払った医療費(保険適用を除く)のうち10万円を超える金額を所得控除
申請先:税務署

障害年金

年金といえば老後に受け取る「老齢年金」が

一番に思い浮かびますが、現役世代を支える

年金もあります。

 

そのひとつが、年金の被保険者が病気やケガで

障害認定された場合に支払われる「障害年金」

です。

 

一度申請し認定されると、その状態が続く限り

受給し続けることができます。

障害という言葉から四肢の不自由、失明などを

イメージする方が多いと思いますが、対象と

なるのはそれらだけではありません。

 

精神疾患(躁うつ症、統合失調症など)。

目の疾患(白内障、緑内障など)。

呼吸器疾患(肺結核、気管支ぜんそくなど)。

悪性新生物(がん)、白血病、糖尿病なども

対象となります。

 

ただ、罹患したら障害認定されるのではなく、

あくまで肢体や精神系統の障害の“状態”で

判断されます。

障害年金は知らずに申請を逃している方が

多くいるようです。

 

名称:障害年金
対象者:国民年金・厚生年金の被保険者
もらえる額の目安:年額58万5100~97万5100円
金額の決め方[地方自治体の例]:障害の程度による
申請先:年金事務所

専門実践教育訓練給付金

専門的・実践的な教育訓練として厚生労働大臣が

認定した講座を受講した場合に給付金が

受け取れます。

 

支給額は、受講者が支払った教育訓練費用のうち

40%(年間上限32万円)から60%

(同48万円)と手厚いのが魅力です。

 

対象講座は国内MBAや法科大学院のほか、

看護師、栄養士、救急救命士などもあります。

本気で学び、仕事に活かしたい人には見逃せない

制度です。

 

名称:専門実践教育訓練給付金
対象者:雇用保険の被保険者等で、厚生労働省が指定する講座や授業を受講した人
もらえる額の目安:上限48万円
金額の決め方[地方自治体の例]:受講費用のうち40%(年間上限32万円)~60%(同48万円)。
申請先:ハローワーク

出産育児一時金

名称:出産育児一時金
対象者:出産育児一時金
もらえる額の目安:42万円
申請先:健康保険組合、市区町村(国保)

自治体独自の制度

以上のように、どこに住んでいても受け取れる

お金のほかに、地方自治体によって設けられて

いる制度もあります。

 

「住宅の耐震診断費用・耐震補強工事助成金」、

地方に移住して就職すると貰える「UJIターン

支援金」、人口減に悩む自治体では「結婚仲人

報奨金」などがそうです。

 

こうした助成金や補助金は、各自治体が独自に

設けているものが多く、制度の有無、対象者、

金額などは問い合わせて調べる必要があります。

 

名称:出産祝い金
対象者:出産した人(自治体が定める条件に合う人)
もらえる額の目安:数万~100万円程度
金額の決め方[地方自治体の例]:【北海道福島町】第1子5万円、第2子20万円、第3子100万円(うち30%は町内商品券、第3子は3年分割)
申請先:市区町村

名称:太陽光発電システム補助金
対象者:太陽光発電システムを設置しようとする人
もらえる額の目安:数万~20万円程度
金額の決め方[地方自治体の例]:【東京都多摩市】戸建て住宅で1設備あたり5万円
申請先:市区町村

名称:生垣緑化助成金
対象者:戸建てや共同住宅で生垣・壁面緑化をした人
もらえる額の目安:数万円程度
金額の決め方[地方自治体の例]:【兵庫県神戸市】戸建て住宅で5000円/m(総額5万円)
申請先:市区町村

名称:耐震診断費用助成・耐震補強工事費助成
対象者:自宅の耐震診断や耐震補強工事を行った人
もらえる額の目安:数万~数十万円程度
金額の決め方[地方自治体の例]:【東京都台東区】耐震診断費用の全額(木造の場合。上限15万円)、または半額(木造住宅以外の住宅の場合。上限50万円)
申請先:市区町村

名称:住宅リフォーム助成
対象者:自宅のリフォームをした人
もらえる額の目安:数万~20万円程度
金額の決め方[地方自治体の例]:【東京都目黒区】上限10万円(一般・バリアフリーリフォーム)、または20万円(アスベスト除去)
申請先:市区町村

名称:家賃補助・住み替え助成
対象者:賃貸住宅に住んでいる人、引っ越しをする人
もらえる額の目安:数万~30万円程度
金額の決め方[地方自治体の例]:【東京都新宿区】子育てファミリー世帯が区外から転入する場合、契約時の礼金・仲介手数料の合計・最大36万円、引っ越し費用の実費・最大20万円
申請先:市区町村

名称:UJIターン支援
対象者:地方へ移住する人
もらえる額の目安:数十万~150万円程度
金額の決め方[地方自治体の例]:【北海道沼田町】町内に土地を購入して1年以内に住宅を新築した場合、150万円(町内業者施工)または80万円(町外業者施工)
申請先:市区町村

名称:結婚仲人報奨金
対象者:人口減に悩む地域で、カップルの仲を取り持った人
もらえる額の目安:5万~20万円程度
金額の決め方[地方自治体の例]:【山梨県小菅村】永住を前提として村内に住所を有している若者の結婚を成立させた場合、20万円
申請先:市区町村

 

「こういう制度がありますよと、もっと役所が

教えてくれればいいのに」と思うかもしれま

せんが、役所にとっては、一部の方だけ対象と

なる情報に関して、個別に案内するのは難しい

ものです。

 

賢く使うには「自分で調べ、申請する」ことが必要。

方法としては、住んでいる自治体に電話をして

「〇〇に関して使える制度はないですか?」と

たずねるのが一番てっとり早く正確です。

まとめ

会社員の方は、自動的に各種税金を取られます。

一方、本文で紹介したように、もらう方は申請しな

いともらえないものが多いです。

チェックしてみて下さい。

 

また、自治体独自の制度は全国強雨痛の制度

より、見逃す可能性が大きいです。

ぜひ一度、自治体に問い合わせてみてください。

大いに助かる情報が見つかるかもしれません。