- 作者: 岩波明
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/03/17
- メディア: 単行本
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- 作者: 岩波 明
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/03/17
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内容(「BOOK」データベースより)
人の気持ちがわからない、空気が読めない、同じ失敗を繰り返す…それは発達障害かも知れません。日本の医学界きっての専門家が、疾患の種類、豊富な治療事例を懇切丁寧に解説します。
ネットでは「発達障害」や「アスペ」という言葉が、自称・他称含めて氾濫しているのですが、では、「発達障害」の診断基準はどんなものなのか?という問いに答えられる人は、ほとんどいないはずです。
周囲にうまく適応できない、生きづらいと感じている人が専門的な診断を受けることもなく自称している、あるいは、空気が読めない(というようにみえる)人への悪口として使われている、そんなことが多いように思います。
ときには、「純粋な人」として、「美化」されていることもあるのです。
著者は「はじめに」のなかで、こんな事例を挙げておられます。
2016年に大ヒットしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)の主要登場人物である津崎平匡も、アスペルガー症候群の疑いが濃厚である。
津崎はヒロインである森山みくりと契約結婚をして同居するという設定であるが、高学歴で仕事の評価は高いにもかかわらず、取っ付きにくく対人関係が苦手で、36歳になる今まで女性と交際したことはまったくないという人物である。
さらに彼は、ささいなことに対するこだわりが強い。次に示すのは、津崎がみくりと2人で料理をしているシーンである(コミックス7巻)。津崎「にんにくすりおろし、ひとかけって、チューブでいうと何cmですか」フィクションの世界では、アスペルガー症候群など発達障害の人たちは「少し変わったところがあるが、特定の分野においては驚異的な能力を発揮する天才タイプ」として語られることが多い。
みくり「適当でいいですよ〜」
(みくりの答えに満足しない津崎は、すぐにスマホで「ひとかけ」について調べる)
津崎「メーカーの見解ではにんにくの場合ひとかけ約5gで小さじ1杯、しょうがの場合ひとかけ約15gで大さじ1杯だそうです」
もちろん、このような見方は一面的であり、現実社会で苦労している当事者や家族にとっては不必要に美化されていると感じられ納得できない思いとなるのかもしれない。けれども別の見方をすれば、一般の人にとっては、アスペルガー症候群の持つ純粋さが魅力的に感じられていることが、発達障害の流行につながっているようにも思える。
あれは星野源さんが演じてるからですよ!
……って、僕としては言いたくなるんですけどね。
この「ひとかけ」の話など、僕はふだんほとんど料理をしないこともあって、けっこう気になりそうなんですよね。 ただ、今はネットでけっこう簡単に調べられるから、「それが気になって、物事が先にすすまない」という事態にはならずにすみそうです。
発達障害の人って、ネットやメディア越しに接するのと、実社会で身近に付き合うのとでは、だいぶ見え方が違うのではなかろうか。
そして、発達障害を持っている人も、ネットの中のほうが「生きやすい」場合が多いような気がします。
ただ、この「発達障害」という概念そのものも、まだ検討中というか、そもそも、世の中の人が「明らかな発達障害」と「発達障害的なところが全くない人」に二分されるわけではありません。
がん細胞のように「ある」か、「ない」かで診断できるわけではないんですよね。
そのあたりの「曖昧さ」も含めて、この新書では、丁寧に書かれていると思います。
(僕は精神科医ではないので、専門的に正しいかどうかは判定しかねるのですが、如何にも「わかってます!」みたいな書き方よりも、少なくとも誠実な内容だと感じました)
著者は、この10年くらい「発達障害」がメディアでも頻繁に取り上げられるようになり、多くの人が「知る」ようになってきたけれど、誤解が多く、正しく発達障害の概念を理解しているのは、精神科医でもごくわずかにすぎない、と指摘しています。
これまで、発達障害で医療の世界で扱われてきたのは重症例がほとんどであり、発達障害は児童期の疾患とみなされて、ほとんど小児科で扱われてきたのです。
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