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シジミのすめる環境を再び 諏訪湖 稚貝を投入

ヤマトシジミを入れた籠を沈める県水産試験場諏訪支場の職員ヤマトシジミを入れた籠を沈める県水産試験場諏訪支場の職員
 諏訪湖沿岸に砂地を造成し、ヤマトシジミの定着を目指している県水産試験場諏訪支場(長野県諏訪郡下諏訪町)は23日、諏訪市の湖岸2区域に稚貝240個を沈めた。うち湖岸通り5の岸近くには、県が砂が波にさらわれないための木製の波止めを設け、効果を調べる。7、9、11月にはシジミの大きさや重さを測る。

 稚貝は島根県の宍道湖産で、重さ1グラム、殻の幅は13〜14ミリ。個体ごとの成長具合を追えるよう番号を振ったビニールポットに1個ずつ入れて沈めた。波止めを設置した区域には今年4月までに、上川河口などで採取した砂を岸から100メートル、幅130メートルの範囲に投入。2メートル四方の木材の枠に石を詰め、シジミを沈めた箇所の沖合に沈めた。

 諏訪湖にはかつて天然シジミが生息していたが、2007年以降の漁獲はない。同支場は諏訪湖の生物多様性を回復するため、15年度にシジミ定着の試みを始め、同市渋崎の砂地などに同年7〜12月に240個を投入。生残率は87・5〜97・5%だった。16年度も渋崎と湖岸通り5で計800個を沈めた。

 今後、県が砂の追加投入が必要かどうかも検討する。同支場は「シジミに適した環境になっているかや定着するかどうかを把握したい」とした。

(5月24日)

長野県のニュース(5月24日)