
大分・豊後大野市の地割れ広がる、原因は?
大分県豊後大野市の広い範囲で見つかった地割れ。その数は58か所にも及び、なお拡大中です。原因は今も調査中ですが、取材を進めると、被害に遭った土地のある歴史が明らかになってきました。
茶色の田んぼの上を走る無数の亀裂。地割れは土の表面だけでなく、舗装された道にも及び、場所によっては高低差が生まれているところも。大分県豊後大野市で見つかった58か所にも上る地割れは、長さ30メートル、幅が30センチに達しているものもあるということです。地割れが屋内まで到達した住宅では、柱のつなぎ目や部屋と部屋の境目にすき間ができていました。
「もう生きているような気がしない。今も(地割れが)進行しているから、本当にいつ止まるのか、工事をしないと止まらないのか」(地割れが自宅に及んだ人)
この地割れ、去年発生した熊本地震と関連はあるのでしょうか?
「まず地震がなかった。地震がないということは、地下の深い所の岩盤が動いていないということ。恐らく浅い所で起きていると考えられる。田植えの時期になって、水がどんどん表面に流され始めたのが一番の誘因では」(九州大学工学研究院 池見洋明助教)
実際に地割れの場所を地図で確認すると、周辺は田んぼで囲まれていることがわかりますが、取材を進めると、この土地をめぐるある歴史が明らかになってきました。
「(約50年前に)地すべりがあって、災害工事をしたということは聞いている」(近所の住民)
今回の地割れの場所は、およそ50年前に地すべりがあった場所と重なっていたのです。さらに、大分県が指定する土砂災害危険か所ともピタリと合わさります。
「必ずしもそれが原因というわけではないが、あのような棚田が広がっている地形というのは、きれいにすり鉢状に何回も崩壊しているなというのが見てとれる。これは地すべりするだろうと」(九州大学工学研究院 池見洋明助教)
これは2004年に撮影された地すべりの瞬間の映像。轟音とともに道路もろとも山肌が崩れていくのがわかります。専門家は、梅雨の時期に雨の量が増えることで地すべりに発展する可能性もあると指摘しています。
「最初に観測した値は20ミリですね。2センチ。今は16センチくらいですね」(市の担当者)
地割れは今も1時間に2ミリのペースで広がり続けているということで、豊後大野市はセンサーなどを設置し、原因などを詳しく調べています。








































































































































































































































