多数の地割れ 観測強化へ 大分 豊後大野

多数の地割れ 観測強化へ 大分 豊後大野
大分県豊後大野市の山あいの地区で多数の地割れが見つかった問題で、現地では亀裂の幅を測定する機器の設置作業が始まり、県は今後、データを分析し、地すべりが起こる可能性について本格的に調べることにしています。
大分県豊後大野市の山あいにある朝地町綿田地区では、22日までに、東西およそ300メートル、南北およそ400メートルの範囲に81か所の地割れが確認され、市は、地すべりが起こるおそれがあるとして、近くに住む3世帯、10人に避難勧告を出しています。

市によりますと、地割れは大きいもので幅およそ30センチ、長さおよそ80メートルにおよび、亀裂の幅は徐々に広がっているということです。

このため大分県は、23日朝から、現地の5か所に亀裂の幅を測定する機器の設置作業を始めていて、今後、地下水の状況などを調べるボーリング調査も行い、地すべりが起こる可能性について本格的に調べることにしています。

一方、地区の公民館では22日夜、付近の34世帯を対象にした説明会が開かれ、市によりますと、梅雨の時期の大雨や農業への影響を懸念する声が多く寄せられたということです。

田んぼが地割れの被害を受けたという68歳の男性は、「ことしはもう米作りはできません。自然災害なので今後のことは分かりませんが、来年以降の米作りにも影響が出ないか心配です」と話していました。

農業用水の供給停止も

豊後大野市によりますと、現地では最初に地割れが見つかった今月16日には田んぼに水が張られていましたが、地割れ部分から水が地下に入り込み地盤に影響を及ぼす可能性があるため、農業用水の供給が止められています。

水の供給が止められた田んぼは3.2ヘクタールに上っていて、地割れの状況によってはさらに広がるおそれもあるということです。近くで農業を営む81歳の男性は「おいしいと評判の米を作ってきたので水が止まると困ります。今後の影響が心配です」と話していました。