【ロンドン=高井宏章】英中部マンチェスターのイベント会場「マンチェスター・アリーナ」で22日午後10時半(日本時間23日午前6時半)起きた爆破テロ事件により、少なくとも22人が死亡し、59人が負傷した。死者には子どもも含まれるという。地元警察は現場で起爆装置を持った男1人が死亡したと発表し、自爆テロだったとの見方を示した。
爆発は米人気歌手アリアナ・グランデさんのコンサートの終了直後に起きた。マンチェスター・アリーナは欧州最大級の屋内競技場で2万1000人を収容できる。チケットは完売し、会場は若者中心のファンでほぼ満席だったとみられる。
実行犯の氏名や共犯者の有無など詳細はなお不明で、テロ組織などから犯行声明も出ていない。アリーナに隣接する駅が閉鎖されるなど現場周辺は厳戒態勢が続いた。英政府は23日午前に関係閣僚を含む治安当局者らによる緊急会合を招集する。
英国で爆弾を使ったテロが起きるのは2005年に地下鉄などで52人が亡くなったロンドン連続爆破事件以来。3月にもロンドンの国会議事堂周辺で5人が犠牲になるテロが起きたばかりで、公共施設や観光地、イベント会場で対テロ警備が厳しくなっていた矢先の事件となり、英社会に衝撃が走っている。