GLD・SPDRゴールド・シェアは金地金との連動ETF
GLD・SPDRゴールド・シェアは米国と東証、メキシコ、香港、シンガポールに上場する金相場に連動することを目指した最も有名な金ETFです。米国・NYSEアーカでのティッカーはGLDです。東証では1326です。
ETF運用会社ナンバー3のステートストリートの商品になります。言うまでもなく、世界で最大の金ETFですから、流動性があります。個人で買い付けるだけではなく、各国の年金基金、中央銀行も買い手になっていますから、規模は非常に大きいです。
ETFランキングでもトップ20位の常連になっており、実に運用総額は4兆円近くになります。これは、株式とはまた違ったインフレ対策になることが好感されています。そのため、大手の買い手は比較的長期の保有になることが知られています。
その最たる存在は年金基金ということになるでしょう。ただし、株式のような将来的な成長や分配金を期待されてのことではありません。あくまで金の持つリスクオフ時における強みや、現物としてのインフレ耐性に対するものとしての保有ということです。
アセットクラスに金を入れることを想定しているならば、現物を買い付ける方法もありますが、こういったETFで買い付けるほうが手間と管理を考えると合理的とも言えるでしょう。
GLDのチャートと配当
2007年 5月 取引値65ドル
2017年 5月 取引値119ドル
信託報酬は0.40%とやや高めです。
取引値は10年単位で見ると順調に成長していますが、2011年に高値を付けた後は漸減傾向にあります。米国経済が好調ですので、資金はドルあるいは米国株式市場に流れていると言えるでしょう。なお、商品ETFの性質上、分配金は出していません。
2008年から2009年にかけてのサブプライムローンの取り付け騒ぎやリーマンショック時には値を上げており、リスクヘッジの金としての役割を果たしていることがうかがえます。
ドルと金には逆相関の関係があります。米国経済が好調であればドルが買われ、金が売られます。逆に、米国経済が不調であればリスクオフということになり、金が買われます。また、「有事の金」と言われ、大きなテロや戦争が起きると価格が上昇する傾向にあります。
ちなみに金相場はドル決済です。ですから、日本で金を買い付けようとすると、少なからず為替の影響を受けます。また、ドルはかつて金本位制であり、ニクソンショックまではドルの価値を金が裏付けていました。しかし、1971年のニクソンショックを経て、今は需給に基づいた価格形成をしています。
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実はこちらのウェルスナビでGLDが組み込まれています。私は金は積極的に買っていませんでしたが、ETFならば少額で管理もしやすいので面白いかと思い始めています。キャッシュポジションを縮小して金ETFで持つというのも、今のようなリスクオン時には良さそうです。
2017年時点ではGLDは14位に付けています。商品ETFではその規模は圧倒的です。スパイダーはS&P500連動のSPYもそうですが、先行者利益を効率的に享受しています。
世界のETF運用・管理会社はブラックロック・バンガード・スパイダーが圧倒的なシェアを占めます。日本の野村、フランスのリクソー、ドイツのドイツ銀は検討していると言ってよいでしょう。