ロンドンのベーカー街221B(221B, Baker Street, London)、まだ将来訪れることがあるなんて思ってもみなかった子供の頃から、非常に思い入れのある住所だった。シャーロック・ホームズが住んでいた下宿があったとされる住所である。
シャーロック・ホームズは、コナン・ドイルが描いた架空の探偵である。そしてベーカー街221Bが当時は架空の住所であったことも、結構有名な話だ。
当時ベーカー街は85番までしかなかったそうだ。そういえば日本では市街部の住所の区切り方あるいは番地の付け方や表記は、一定の法則やルールに基づいているわけではなく、非常にわかりにくい気がする。諸外国では『通りの名前+番地』で表記し、通りを進むに従って番地の数が増えていく住所が多いので、わかりやすいと思う。
話がそれたので、元に戻そう。シャーロック・ホームズが書かれた当時85番までしかなかったベーカー街は、後に他の通りを合併した際に221番が振られることになった。当然ながらシャーロッキアン(熱烈なシャーロック・ホームズのファンを言う)たちやその人気にあやかりたい人々による争奪戦となった。
その時に振られたベーカー街221は色々な変遷があった後、今はマンションかなにかが建っているらしい。すぐ近くの239番にシャーロック・ホームズの舞台を模した小さなミュージアムが開かれたのが1990年のことで、上の写真はその7年後の1997年内部の写真だ。
この場所が正式な221Bだと主張されて、プレートが取り付けられたりもして、今の正式な221Bの住所がいったいどこになっているのか、私にはよくわからない。とりあえず近代においても221Bのホームズ宛に、たくさんの手紙がこのミュージアムに届いていたとのことだ。インターネットとメール時代の昨今はどうなっているだろうか。
以前の記事で水滸伝の武松のお墓を紹介した時にも書いたが、小説や漫画すなわち物語中の架空の人物でも関わらず、あたかも実在したかのように扱ったりするのは、それだけ作品が愛されているということだと思う。
シャーロック・サカキの若かりし日…なんてね。
これも同じ場所で撮ったものです。
これも同じ場所で撮ったものです。
【写真】1997年8月
【文章】2005年10月 大幅改訂2017年5月
【文章】2005年10月 大幅改訂2017年5月