先日こんなエントリを書いた。
いくえみ綾さんは好きな漫画家さんなんだけど、不倫をただの、のぼせあがったバカ女と、軽はずみで軽率な男の、深みのない一時の情事として描いてるところが、面白みがないっていうか、テンプレ通りっていうか、つまんないなぁと感じていた。
それよりも以前読んだ、こやまゆかりさんの『スイート10』の方が
主人公弓子の気持ちの変化とか、別れなきゃいけないのに別れられない葛藤とか、共感できるしドキドキして面白い!って思ってた。
だけどね。
前エントリを書いた後、まぁいろいろ考えたりして、やっぱり、どんなに脚色したりもっともらしい言い訳や理由を並べ立てたとしても、そんなのはただのメッキで、それらを全部はがし落とせば、結局不倫って
『のぼせあがったバカ女と軽はずみで軽率な男の深みのない一時の情事』
で、それ以上でもそれ以下でもない気がしてきた。
まぁそれがいいか悪いかは別として。
そういう意味で、いくえみ綾さんの『あなたのことはそれほど』は、そんな不倫の真実を、ものすごくシンプルに描いてるんじゃないか。
シンプルすぎて、面白みもへったくれもなくなるくらいに。
と、あらためて、やっぱりいくえみ綾さんはすごい漫画家さんだなぁと思ったのでした。
エンターテイメントやドラマとして面白いのは断然こやまゆかりさんの『スイート10』の方。叶わない恋とか愛とか切ない感じとかもバリバリ。
でも、それをすべて、バカ女のひとりよがりの勘違いとぶった切ってるのが、いくえみ綾さんの『あなたのことはそれほど』。
この2作品。
読み比べてみると面白いよ。
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