NTTドコモ 月額1500円値下げへ 来月発売の2機種

NTTドコモ 月額1500円値下げへ 来月発売の2機種
スマートフォンの割安な料金プランを打ち出しているKDDIとソフトバンクに対抗するため、NTTドコモは来月から、特定の端末を新規に購入した利用者を対象に、月額の通信料金で一律1500円の値下げに踏み切ることになりました。
関係者によりますと、ドコモは、来月発売する新型のスマートフォン2機種を購入した利用者を対象に、新しい料金プランを打ち出します。具体的には、個人向けや家族向けなどすべての料金プランで、一律、月額の通信料金で1500円の値下げを行います。このうちデータ通信量の上限が2ギガの個人向けプランの場合、月額4000円となります。

さらに、2年に限って割引料金を適用し他社からの乗り換えを実質的に優遇してきた料金体系についても、長期に契約している利用者には不利だという批判を踏まえて、この新しいプランでは廃止するということです。

対象となる2機種の端末は2万円台~3万円台で、一部の機能を簡略化し、主に格安スマホで利用されている機種と同等のものとなります。すでに端末代金が割り引かれているアップルのiPhoneなどは値下げの対象とはなりません。

大手では、KDDIがグループ会社のブランド「UQモバイル」で、ソフトバンクが第2ブランドの「ワイモバイル」で、それぞれ割安な料金プランを出していますが、こうした動きと一線を画してきたドコモが値下げに踏み切ることで、各社の競争は一段と激しくなりそうです。

2年間限定の割り引き メリットとデメリット

NTTドコモの新たな料金プランは「長期間、同じ会社と契約し、同じ端末を使い続けると損をする」という批判に応えようという狙いもあります。

ドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社や、一部の格安スマホ事業者は、2年間の契約期間に限って毎月の利用料金を割り引くサービスを行っています。このサービスでは、3年目に入ると割り引きは適用されなくなることから、他社から乗り換えた利用者や、機種を頻繁に変更する利用者を実質的に優遇してきました。

例えば、アップルのiPhoneの新型機種を2年ごとに買い替える利用者にとって、この割り引きサービスはメリットが大きいと受け止められています。一方で、最新機種にはこだわらず、節約しながら同じ端末を長く使い続けたいという利用者にとっては、契約から3年目以降に実質的に料金が上がることから、負担感が大きいと受け止められていました。

こうした料金の仕組みを契約時に十分に理解しないまま契約をしている利用者も少なくないと見られています。今回のドコモの料金戦略は、格安スマホに流れようという利用者を食い止めたいという狙いもあります。

大手3社の競争は

スマートフォンをめぐっては大手3社が市場のシェアのほとんどを占め、料金体系も横並びで利用料金が高止まりしているとして批判されてきました。このため総務省は格安スマホの事業者を大手3社に対抗する第4の勢力に育てようと大手から回線を借りる際の使用料金を引き下げるなど環境を整備してきました。

その結果、格安スマホのシェアは年々、上昇して去年12月末時点で5.3%となり、ことしはさらに増えることが見込まれています。

格安スマホへの顧客の流出に歯止めをかけようと、KDDIはグループ会社のブランド「UQモバイル」で、ソフトバンクは全国およそ1000の店舗を展開する第2ブランドの「ワイモバイル」で、割安な通信料金のサービスを提供しています。

NTTドコモは料金の値下げ競争に巻き込まれたくないとして、これまで値下げの対象を家族向けプランの契約者などに絞ってきましたが、大手各社に対抗するために今回の値下げに踏み切る方針を決めました。