グリチーの夏休み
黒之巣小学校五年一組 大神太朗
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8月4日 晴れときどきくもり
おねえさんのなまえは「ぐりしーぬ」というようなのですが、大人のひとはおねえさんのことを「ヘンタイ」
とか「インバイ」とか「色きちがい」とかよんでいます。
きんじょの子供たちは、おねえさんを「グリチー」とよび、遠くのほうからはやしたてたり、石をなげたり
してバカにしているみたいです。
ぼくも今日からおねえさんのことを「グリチー」とよぼうと思います。
きょうも朝から、グリチーがおばさんに怒られていました。
グリチーは
「ケツノアナ・クサイデース!」
「ケツノアナ・クサイデース!」
と、わけがわからないことを言いながら、おばさんにあやまっています。
きっと「ごめんなさい」といういみのグリチー語なのだと思います。
ただし、とてもあやまっているようには見えません。
グリチーは、たしかに土下座のかっこうで、顔をじめんにこすりつけているのですが、おばさんのほうにお尻をむけて
ひざを伸ばして足を広げ、りょうてでお尻のおにくをひろげています!
ぼくは、まるで、おしりの穴をみせびらかしているみたいだと思いました。
「ケツノアナ・クサイデース!」
「ケツノアナ・クサイデース!」
たぶん、おばさんが「日本式のあやまりかた」と、グリチーにウソをおしえたのだと思います。
「ケツノアナ・クサイデース!」
「ケツノアナ・クサイデース!」
じぶんがさけんでいる、このことばの本当のいみがわかったら、グリチーはどう思うのかとそうぞうしたらとてもおもしろかったです。
なんでおこられてるの?、と、おばあちゃんにきいたら、けさ、おばさんがグリチーを駅までおさんぽにつれていったら
グリチーが駅前でオシッコをもらしてしまったのだそうです。
(おじさんにあとで聞いたら、きのうの夜からグリチーにはオシッコをがまんさせていたみたいです)
おばさんが、かたてに持ったじょうば用のムチを、ヒュウヒュウさせながらグリチーをしかりとばします!
「この、ヘンタイ女っ!まったく!シモのしつけもなってないんだね!親の顔が見たいよっ!」
「ヒッ!ヒィイ〜ッ!オチンポクダサいッ!ハハウエさマァ〜〜ッ」
「ケ・ケツノアナ・クサイデース!」
「ケツノアナ・クサイデース!」
「ケツノアナ・クサイデース!」
「ケツノアナ・クサイデース!」
前に、よっぽど痛いめにあったのでしょう。ムチがヒュウヒュウするたびにグリチーがひめいを上げます。
「このっ!バカ女っ!」
ビシィッ!
「!!!!!」
ぷるぷるぷるぷるっ!
「ウギャアアアアアッ!」
おばさんのムチが、ねらい通りにグリチーのおしりの穴に命中しました。
「ヒッ!ヒッ!ヒッ!キモチイイィ〜〜ッ!モットォ〜〜〜〜ッ!」
「キモチイイィ〜〜ッ!モットォ〜〜〜〜ッ!」
「色キチガイっ!」「死ねっ!淫売っ!」
ビシィッ!ビシィッ!ビシィイッ!!
「ギャアッ!ンギャッ!ブギャアアアアアッ!」
「ギ・・ギモチイイィ〜〜ッ!モットォ〜〜〜〜ッ!」
「ギモチイイィ〜〜ッ!」
「モットォ〜〜〜〜ッ!モットォ〜〜〜〜ッ!」
たぶん「ゆるしてください」といういみのグリチー語なのでしょうが、おばさんはいっこうにやめようと
しません。
ビシィッ!ビシィッ!ビシィイッ!!
ビシィッ!ビシィッ!ピシィイッ!!
「ヒィ〜〜ッ!キモチイイィ〜〜ッ!モットォ〜〜〜〜ッ!」
「キモチイイィ〜〜ッ!モットォ〜〜ッ!」
泣きながらグリチー語をさけぶおねえさんのまっ白なお尻が、みるみるうちに赤くなっていきます。
赤くなったグリチーのお尻は、まるでおさるさんのようで、とてもカッコわるかったです。
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グリチーの夏休み 8月5日に続く