グリチーの夏休み

黒之巣小学校五年一組 大神太朗

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8月3日 晴れ

ぼくは、学校が夏休みになったので、栃木のおばあさんのところにあそびにきています。

おばあちゃんのうちは、おばあちゃん、おじさんとおばさん、そしていつもは家にあまりいない
おにいちゃんの4人家族です。
おにいちゃんは軍人さんです。ぼくとは「いとこ」になります。
ふだんは帝都にすんでいて、わるい人たちからみんなをまもってくれているそうです。

でも、今年はちょっとちがっています。
もうひとり、別の人がおばあちゃんの家にすんでいるのです。

そのひとは、おにいちゃんの知り合いのおねえさんです。
おねえさんは、きれいな金色のかみのけをしていて目が青い外人さんです。

外人さんなんて生まれてから一度も見たことがなかったので、とってもびっくりしてしまいました。
でも、それだけではありません。おねえさんには、もっと、おかしい所があったのです。

おねぇさんはふくを着ないで、ハダカでくらしているのです。

いくら暑いといっても、ちいさいこどもでもないのに、家の中でもお外でも一日じゅうハダカでいるなんておかしいと思います。

おばさんに、どうしてあのおねえさんは服をきていないのか聞いたら

「太朗・・・あいつはね、変態の色きチガイなんだよ!まぁ、子供のお前に言ってもわからないだろうけど
世の中にはね、イジメられたり、人に裸を見せたりして気持ちよくなっちまう、頭のネジがぶっ飛んだ恥知らずがいるんだよ!
アイツは、もともと巴里で体を売って生活をしてた淫売だったのを、一郎が哀れに思って助けてやったらしいんだけど
何を勘違いしたんだか、日本まで一郎を追って巴里を飛び出してきてねぇ!
悪い病気で頭がイカレちまってるのか、自分は貴族だなんて言い張って、挙げ句の果てに一郎を婿に欲しいだなんて言ってるんだよ!
冗談じゃないよ!ウチは本当に迷惑してるんだ!
本当ならすぐにでも叩き出してやりたい所なんだけど、でも、ほらウチの一郎は優しいから・・・」

って、こたえてくれました。けれど、おばさんの言っていることは、むずかしくてぜんぜんわからなかったです。

ぼくも、一日じゅうハダカでくらす貴族なんていないとおもう、って言ったら、おばさんは大笑いしていました。
そして

「そうだろう!でなきゃぁ欧州の貴族はみんな変態ってことになっちまう!」
「おいっ!ヘンタイ女っ!こっちおいでっ!新しいご主人様の紹介だよっ!」

と言って、ハダカで庭をおそうじをしていたおねえさんをてまねきしました。

「ハイィッ!」

ビックリするような大声でへんじをかえしたおねえさんが、庭から、ものすごいいきおいで走ってきます。
はだかのおっぱいが、プルンプルンとゆれるのをみて、外人さんのおっぱいは大きいと思いました。

おねえさんは、ぼくとおばさんの前にくると、りょうてを頭の後ろにくんで足を大きくひらいたかっこうを
とりました。

ぼくはこのかっこうをみて、あ、こうさんのポーズだと思いました。
とってもカッコ悪くて、おもわず笑ってしまいました。
すると、おねえさんは、いきなりおおきな声でさけびはじめました。

「ハハうェさまァッ!ヘンタイデ・いんランナァッ!キンタマヨメデェス!
「ヨメノオマンコはキョーもクサイですゥっ!」

ぼくは、このおねえさんは、ぜったい頭がおかしいと思いました。
クスクス笑いながらおばさんが、おねえさんにぼくをしょうかいしてくれます。

「淫売のヘンタイ女さん!この子は一郎の従兄弟で太朗君っていうのよ!自己紹介なさい!」

「・・・イトコデタロう・サマ?」

「馬鹿っ!ホントに頭悪いんだからっ! た・ろ・う! わかった?! た・ろ・う!」
おばさんが、ぼくのことを指さしながら、ぼくの名前をくりかえします。

「オゥ!タローサマ!たローサマデスぅ!」

ようやくおねぇさんが、ぼくの名前をわかってくれたようです。
しかし、次におねえさんの口からでた、じこしょうかいのコトバにまたぼくはびっくりしてしまいました。

おねえさんは頭の後にくんでいた手をはなすと、いきなり足のあいだのアソコのワレメをりょうてで広げて
(ぼくは女の人のアソコを見るのははじめてですが、ちょっとキモチ悪かったです。)
ぼくの目の前につきだしながら、こういったのです。

「タローサマ!ハ・・ハジメマンコッ!ハジメマンコッ!」
「オまンコはキョーも・トテモクサイですゥっ!」
「グリシーヌハ・ヘンタイデ・ドスケベデースッ!」
「コーモンガッ・とてもトテモ・カユいデース!」
「オシリノアナニ・ちんちんクダサーイ!」
「キンタマのウラマデ・ナメテアゲマース!」

くるっています。
こんなにきれいな女の人なのに。
アタマがおかしいなんてかわいそうだと思いました。

「グリシーヌハ・ミチバタデうンチヲシマース!」
「スキナタベモノハ・セーエキ・ノミモノハ・オシッコでぇス!」
「イチにチニ・サンカイマンズリコキマース!」・・・・

顔をまっ赤にして、おねえさんがじこしょうかいをつづけます。
でも、じこしょうかいが、あんまり長いので、ぼくとおばさんは部屋にもどってしまいました。

それからもしばらく、おねえさんの声はつづいていました。おねえさんのじこしょうかいは、ぜんぶ
おばさんが考えてあげたものだそうです。
鉄道唱歌ぐらいの長さがあるそうなので、おぼえるのもたいへんだと思いましたが、初めてあった人の前では
かならずやらせるので、大したことはないとおばさんは言っていました。

夜になって、おじさんからきいたはなしですが、おねえさんは、にほんのことばがぜんぜんわからないそうです。
おばさんがおもしろがって、はずかしくてインチキなことばを、おねえさんにおしえているみたいです。
もっとも、おねえさんの国のことばをしゃべることは、いっさいきんしされているので、おばさんが教える
インチキにほんごを話すしかないみたいです。

ばんごはんをたべるまえにも(おねえさんのばんごはんは、なっとうと、うめぼしだけでした。りょうほうともおねえさ
んが死ぬほどきらいなたべものだそうです。)大きな声であいさつをしていました。

「オチンチン・イレちャイマース!」

と、洗面器にもられたごはんに、りょうてを会わせてあいさつしていました。
(たぶん「いただきまーす」と言いたかったのだと思います。)
どまにしかれたむしろの上にちょこんとせいざをして、すましがおで、恥ずかしいコトバをさけぶ
おねえさんは、とってもみじめでおもしろかったです。

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グリチーの夏休み 
8月4日に続く


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