イランは決して核兵器を手に入れない=トランプ米大統領 イスラエル訪問で
中東を歴訪中のドナルド・トランプ米大統領は22日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、イランが核兵器を手に入れることは決してないと述べた。
初外遊先となったサウジアラビアからイスラエル入りしたトランプ大統領は、エルサレムでネタニヤフ首相と共同記者会見を行い、イランがバラク・オバマ前米大統領から「素晴らしい取引」を引き出し「生命線と繁栄」を勝ち取ったと指摘した上で、イランは「お礼を言うどころか」テロリストを支援していると批判した。
トランプ氏はネタニヤフ氏に顔を向け、「イランは核兵器を決して手に入れない。それははっきり言える」と述べた。
これに先立ち演説したトランプ大統領は、イランが「テロリストや民兵に人殺しをするための資金を与え、訓練し、装備を提供している」と語った。
イランは2015年に、経済制裁の解除の見返りに核開発を制限することで米英仏など6カ国と合意している。トランプ大統領は過去に、合意以降はイランが「何でも好きにできる」と思っていると述べ批判していた。ホワイトハウスは先月、合意は依然として有効だと認めた。
2015年の合意をイラン側で主導した穏健派のハッサン・ロウハニ大統領は、先週行われた選挙で2期目の続投が決まっている。22日に国営テレビに出演したロウハニ大統領は、イランのミサイル開発をめぐる国際社会の懸念を物ともしない姿勢を見せた。
ロウハニ大統領は、「イラン国家は強国になることを決めた」とし、「我々のミサイルは平和目的、防衛目的だ。(中略)米国当局者たちは、我々がミサイルを技術的に試す必要があれば、いつでもそうするし、彼らの許可を待ったりはしないと知っておくべきだ」と語った。
ロウハニ氏はさらに、トランプ大統領が21日にサウジアラビアでイスラム教スンニ派諸国を中心とする55カ国との首脳級会合「米アラブ・イスラム・サミット」でイランが地域の不安定要因だと断定した演説を重視しない態度を示し、「イラン抜きで地域の安定を回復できると言えるだろうか」と述べた。
2日間の予定でイスラエルを訪問中のトランプ大統領は、イスラエルとパレスチナの和平について、「最も難しいディール(取引)だと聞いている」と語ったが、「最終的には達成できる気がする」と付け加えた。
BBCのジェレミー・ボウエン中東担当編集長は、世界一の交渉まとめ役だと自認するトランプ氏が長年続くイスラエルとパレスチナの和平合意が世界で最も大きな取引になると考えていると指摘する。
ボウエン編集長は、昨年の米大統領選でトランプ氏は、イスラエルによる占領地への入植拡大の支持や、パレスチナの独立運動への厳格な姿勢など、ネタニヤフ首相率いる右派政権の考えと一致するように思える政策を訴えていたと語った。しかし大統領に就任した後は、より微妙な態度を取るようになり、イスラエルの右派からはトランプ氏が自分たちからより多くの譲歩を要求するようになるのではとの懸念が出ていたという。
イスラエルとパレスチナは直接交渉を3年以上行っていない。
トランプ大統領は23日にパレスチナ自治区ベツレヘムで自治政府のマフムード・アッバス議長と会談する予定となっている。
トランプ大統領のエルサレム日程
トランプ大統領はネタニヤフ首相との会談の前に、イエス・キリストが埋葬後に復活した場所だとキリスト教徒が信じる聖墳墓教会を訪れた。
さらにその後に、ユダヤ教徒にとって最も神聖な場所の一つの「嘆きの壁」を訪問した。嘆きの壁は、ユダヤ教の「第2神殿」時代末期の西暦70年に、ローマ軍が破壊した神殿の外壁の一部。
大統領は、聖地に敬意を示すためユダヤ人男性が頭にかぶる小さな帽子をかぶり、壁の石の隙間に紙を入れる様子が目撃された。訪問者が神への祈りを書いた紙を壁に残すことが習慣となっている。
欧州訪問の日程
トランプ大統領はイスラエル訪問後、ローマでカトリック教会のフランシスコ法王と面会する予定。その後、ブリュッセルで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に参加するほか、イタリア・シチリアで26、27日に開かれる主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)に参加する。
(英語記事 Trump tells Israel Iran will never have nuclear weapons)