『先月と比べて、セッション数が10%以上、落ち込んでない?なんかあった?』
『急に集客が落ちて、焦った!』
なんて経験ありませんか?
ベビー服EC『べびちゅ』では、扱っている商品の性質上、季節要因でサイトへの訪問数がかなり変動します。
しかしながら、季節要因が存在することが理屈では分かっていても、なかなか数値の予測まで落とし込むことが難しいというのが実情です。
特に、弊社のようにサイトをオープンして3年ちょいくらいですと、3回分のデータしかないですし、広告やSEO対策による集客の影響もあり、季節変動による影響が読みにくいという部分があります。
とはいっても、季節変動の影響がどの程度あるのかは、気になるところです。
そこで、広告の影響を受けにくい『検索経由からの流入』を利用して、月次での季節変動を調べてみました。
本記事では『季節要因を見える化する』ことに取り組んでみようと思います。
もちろん、貴社のECでも同じような季節変動になるわけではないと思いますが、参考にしていただき、今後の貴社のEC運営に少しでも役立てていただければ幸いです。
それでは早速説明します。
『検索経由からの流入』の月次推移
まず、2014年5月から3年分のデータを集計しました。
利用した数値は検索経由のセッション数(集客数)の月次推移です。
季節変動を確認するために前月との増減率を計算しました。
ちなみに5月からを開始月にしたのは、弊社の決算期が5月から始まることと、べびちゅがスタート(2014年2月)して、しばらくは季節変動が見えにくかったからです。
なお、月次のセッション数のデータは、グーグルアナリティクスから取得しました。
月の指標 | セッション数 | 前月比増減 |
2014年5月 | 56,058 | |
2014年6月 | 47,612 | -15.1% |
2014年7月 | 57,469 | 20.7% |
2014年8月 | 73,244 | 27.4% |
2014年9月 | 96,232 | 31.4% |
2014年10月 | 118,611 | 23.3% |
2014年11月 | 92,797 | -21.8% |
2014年12月 | 92,976 | 0.2% |
2015年1月 | 116,028 | 24.8% |
2015年2月 | 117,997 | 1.7% |
2015年3月 | 119,913 | 1.6% |
2015年4月 | 109,293 | -8.9% |
2015年5月 | 104,488 | -4.4% |
2015年6月 | 102,367 | -2.0% |
2015年7月 | 112,248 | 9.7% |
2015年8月 | 116,626 | 3.9% |
2015年9月 | 130,399 | 11.8% |
2015年10月 | 137,060 | 5.1% |
2015年11月 | 133,808 | -2.4% |
2015年12月 | 139,658 | 4.4% |
2016年1月 | 147,209 | 5.4% |
2016年2月 | 149,101 | 1.3% |
2016年3月 | 159,546 | 7.0% |
2016年4月 | 141,532 | -11.3% |
2016年5月 | 131,724 | -6.9% |
2016年6月 | 120,593 | -8.5% |
2016年7月 | 105,591 | -12.4% |
2016年8月 | 106,116 | 0.5% |
2016年9月 | 138,106 | 30.1% |
2016年10月 | 137,924 | -0.1% |
2016年11月 | 116,947 | -15.2% |
2016年12月 | 117,142 | 0.2% |
2017年1月 | 135,272 | 15.5% |
2017年2月 | 126,454 | -6.5% |
2017年3月 | 136,228 | 7.7% |
2017年4月 | 119,931 | -12.0% |
ベビー服EC『べびちゅ』の閑散期
月次で見ることで、べびちゅの場合の季節変動が見えてきます。
べびちゅでいうと、11月~12月と4~8月が閑散期であることが見えてきます。
(閑散期に該当する月は赤字で表示しています)
2016年3月と2016年7月を比較するとセッション数は、33.8%の落ち込みになります。
仮に3月と7月の流入後の受注率が変わらないと仮定し、受注数へのインパクトを見てみたいと思います。
3月の検索経由での1日当たり受注件数が50件であれば、7月は33件になります。かなりのインパクトですよね。
同じように2016年3月と2016年4月を比較すると11.3%の落ち込みになります。
受注率を同じだとすると、3月の検索経由での1日当たり受注件数が50件であれば、4月は44件になります。
インパクトとしては大きいですよね・・・。
さらに、検索経由でのセッション数が、2016年4月から7月にかけて、下がり続けています。
ですので、 色々な施策を打つのですが、成果を感じにくくなる期間でもあります。
閑散期の対応策
検索経由のセッションが減るということは、言い換えると、商品を探す人が減るということです。
商品を探す人が減る期間に、検索経由のセッション数を増やそうとすると、検索順位を上げ検索結果での露出を増やすといった施策をうつことになります。
つまり、SEO対策に力を入れるということになります。
とはいっても、閑散期に入り、急に検索順位を上げられるわけでありません。
ですので、閑散期にうつ施策として、SEO対策を強化することは得策ではありません。
では、どういった施策が考えられるでしょう?
大きな方針としては、次の二つになります。
- 検索経由以外の流入を増やす
- 客単価を上げる
『客単価を上げる』の対策の詳細については、今回のテーマである『季節変動を見える化する』とは違いますので、別の機会に説明することにしますが、検索経由以外の流入数を増やす方法について、以下の記事を参考にしていただければと思います。
・InstagramでECの集客を3倍にした方法
・ 【Facebook集客】ECが絶対に知っておくべきこと
・ 8カ月で月間130万PV!後発ECのための集客方法
まとめ
- べびちゅでは、検索経由のセッション数が月次単位で見ると30%以上の差があるなど、数値的にも大きな季節変動がある
- 閑散期による数値の落ち込みをあらかじめ知り、閑散期に合った施策を検討することが重要
- 閑散期には『検索経由以外の流入を増やす』『客単価を上げる』などの対策が有効と考えられる