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224.返り討ち
5/14くじ引き五巻発売します、よろしくお願いいたします。

(タニアの前に占われたものが一人いただろうが)
「ああいたな……そうかそいつか」
男の事は覚えてないが、そのエピソードは覚えてる。
どっかに行けって言われて、その先での出会いで吉と凶の割合が7と3だっけ。
その直後に同じように占われたタニアが1と9の吉凶で腹を立ったことまでは覚えてる。
(ひかりも覚えてるよ。あの時すごく嬉しそうな顔をしてた)
「そうか」
やっぱり顔は思い出せないが、ひかりがそう言うのならそうなんだろう。
(われとひかりの扱いの差はなんだ)
「悔しかったらこの時代で起きた事を思い出してみろ」
(ぐっ……)
ぐうの音も出ないって感じのエレノア。
こいつがこの時代の事を思い出してれば色々楽だったのは事実で、記憶のことをイジられても仕方ないところだ。
そいつを置いといて、777倍の五感でまわりを探る。
だいぶ兵が減ってて、あと数十人ってところだ。
が、そいつらはチリチリになってる、ちょっと面倒くさい。
どうするか、って考えてるとひかりが人間の姿に戻った。
「おとーさん、ひかりに任せて」
「どうするんだ?」
「みんな、でておいてー」
ひかりの影からドレイクが次々と召喚された。
100匹のドレイク兵。そいつらは召喚された直後、オーラをまとって人の姿に変えた。
おれじゃない、ひかりの体からでたオーラだ。
ひかりが、召喚から変身まで自力でやってのけた!
100匹が召喚された後、ひかりはわくわく顔でおれを見あげた。
世界で一番可愛い愛娘の頭を撫でてあげた。
「すごいなひかり、いつの間にこんなことが出来る様になったんだ?」
「えへへ……おかーさんに教わったの。魔剣のたしなみだって」
「そうか」
「みんなといってくるね」
「ああ。なるべく生け捕りでな」
「うん!」
ひかりは頷き、笑顔でドレイク兵を引き連れて飛び出していった。
「あんなのを教えてたのか」
(いつか必要になると思ってな)
「どんどん成長していくなひかり」
(彼氏とやらを連れてくるのも時間の問題だな。くく)
「かれ……?」
(くく、おとーさんは『娘はやらんぞ』とでも言うのかな)
「……いや」
(ほう?)
「『おれの屍を越えてみろ』、だ」
(くく、やる気はないが殺る気は満々ってことか)
当然だ、おれの目が黒いうちはひかりは誰にもやらん。
(くくく。まあ、その前に反抗期が来るだろうがな)
「……」
……。
…………。
………………!?!?!?
☆
史上最大級の悪い想像をしてしまったが、なんとか気を取り直して男と向き合った。
よく見たら男のそばに女がいた。男は普通の人間の格好だけど、女は金髪に尖った耳、ヘレネーたちと同じエルフっぽい見た目だった。
その女は男の背中に隠れている、男は驚きながらも女のかばっている。
「怪我はないか」
「あ、ああ。お前は……あの十の男、だよな」
「十の男?」
(占い婆だ)
「そういえば吉が十って言われてたっけ。じゃあやっぱりお前があの時にいた」
「そうだ、同じアカンサ様に占って頂いたものだ。おれはレクス、レクス・アポス」
「結城カケルだ」
名乗りつつ、女の方を見る。
「名前を聞いてもいいか?」
「ソーラ・メルクーリ……です」
けど、と語尾が消え入りそうな声で言った。
レクスの背中にますます隠れてしまうソーラ。
「どうしたんだソーラ」
「その人の剣……怖い」
「剣? 確かに黒くて物々しい形だけど」
「それにさっき、もう片方の剣が女の子の姿に」
「確かに、でもそれがどうしたんだ?」
怯えるソーラとは裏腹に、レクスは意味が分からないとばかりにきょとんとしていた。
まあ、それはどうでもいい。
それよりもメルクーリだ。
彼女は名乗った、メルクーリと。
外見的にも、間違いなくヘレネーたちと繋がっているメルクーリで。
それを見つけてとりあえずホッとした。
☆
生け捕りにした兵士たちの尋問はオリビアが名乗り出た。
「人の子はそういうの苦手でしょ」
と彼女はいった。
前に同じ事をエレノアにも言われたことがあって、それとおなじくオリビアにも見抜かれてたって事だ。
確かに得意じゃないからオリビアに任せた。
その間、おれはレクスとソーラの二人に案内された。
里を救ってくれたものとして、合流したイオとタニア、そしてひかりを引き連れて里の中を歩いた。
しばらく歩いてるとある事に気づく。
「女の方が多いな」
「ホントだね、男の人は仕事とかにでてるのかな」
イオがそう言って、不思議そうにまわりを見た。
「そ、そうじゃないんです、わたし達は女の方が多く生まれてくるんです」
まだちょっと怯えていて、おずおずと説明してくるソーラ。
「そうなのか?」
「はい、大体1対2の割合くらいなんだです」
「そういう種族なんですね」
「ヘレネーたちはそんな事言ってなかったな……そうだ」
ある事を思い出し、立ち止まってソーラを向く。
ヘレネーの扇子を取り出して広げる、魔法をかけて、メルクーリの紋章を浮かび上がらせる。
「この魔法を知ってるか?」
「す、スフラギタの魔法、ですよね」
「名前はそうだったかな? お前たちだけが刻み込める紋章と、それを確認する魔法だ」
「はい、そうです……けど?」
それがどうした、って顔をするソーラ。
「いや、あってるならそれでいい」
彼女たちがあのメルクーリと繋がっている事さえわかればいい。エレノアとかタニアとかは記憶のせいで曖昧だからな。
一人で納得してると、ソーラは不思議そうな顔をした。
そんな彼女達に案内されて、更に進む。
建物が壊されたり今も黒煙があがっているが、人的被害はないみたいだ。
ますます兵士たちの目的が気になった。
そうしてる内にある建物の前にやってきた。
襲撃で壊されずにすんだそれは、作りこそ簡素だがまわりの家に比べてあきらかに一回り大きい。
屋根も他は素材のままの落ち着いた色合いに比べて、赤というあきらかに人工的に塗られた色をしている。
「ここは?」
「お、長の家です。ちょっと待ってください」
ソーラは建物の中に入っていった。
ちょっと待ってると、里の人間が集まってきて、遠巻きにおれ達を取り囲んだ。
更にもう少し待つと、彼女と一緒に別の女が出てきた。
同じように金髪に尖った耳という外見。
年齢は30いってるかどうかってところか、ソーラともヘレネーともイリスとも違う、落ち着いた大人の美女って雰囲気だ。
彼女はまっすぐおれの前にやってきて、しずしずと頭を下げた。
「シーマ・メルクーリと申します」
「結城カケルだ。カケルでいい」
「里を助けてくださってありがとうございます」
「気にするな」
「ソーラから話を聞きました、なんでもお一人で十数人の兵を退けたとか」
「大したことじゃない」
「なんと謙遜なお方」
別に謙遜でもないんだが。
シーマはおれをジロジロ見てきた。
顔に体に手足と、まるで品定めされてるかのような気分だ。
そして、背後にいるイオとタニアも見た
「そちらの方々はカケルさんの……?」
「おれの女だ」
答えるとシーマはわずかに驚き、「そんなあっさりと……」ってつぶやいた。
蚊の鳴くような声だが、はっきりと聞き取れた。別に隠すことでもないだろ。
驚きが収まったシーマ、今度は流し目でおれを見るようになった。
「里を救って頂いたお礼をしたいところなのですが、見ての通りこんな何でもない里です」
「礼は――」
「差し上げられるものはこういうものくらいしか」
そう言って、シーマはおれにしなだれかかってきた。
しなだれかかって、指先を胸板の上に滑らせる。
(くく、好き者だなあ)
エレノアは楽しげに笑った。
おれにも分かった、シーマはおれを誘っているのだ。
言葉とか謝礼とかには興味はないけど、そういうことなら話は別だ。
シーマは美しい、エルフの様な幻想的な美しさの上に、大人の成熟した魅力もある。
彼女がお礼をしてくれるのなら大歓迎だ。
「もらおう」
おれは即答した。
「よければ彼女達もご一緒に」
シーマが手をすぅとあげると、遠巻きにしている里の人間の中から女達が進み出た。
全部で九――シーマとあわせて十人だ。
「どうでしょうか」
「まとめてもらおう」
「では、中で」
シーマに連れられて彼女が出てきた家の中に入る。
「あぁ……なんて事」
「どうしたの?」
背後からソーラとイオの声が聞こえてきた。
「シーマ様、それに今は行っていった人達は……非常にそ、そういうことがお強いんです」
「エッチが好きってこと?」
「はい、みんなお強くて、普通の男が十人いてもかなわないんです」
「そうなんだ」
「ああ……里を救ってくださった人なのに。このままじゃ大変な事に」
「それなら大丈夫」
「え?」
「10×10で100人分くらいでしょ。だったら大丈夫。メリッサさんにもかなわない程度だから」
「えええ?」
イオとソーラの会話に見送られる様にしてシーマの家に入り、寝室に連れてこられた。。
十人の美女がぞろぞろと入って来て、最後の一人が舌なめずりしながらドアを閉めた。
よく見れば他の九人も似たようなものだ。
獲物を見つけたヘビの様な顔をしている。なるほどソーラの言うとおりだ。
もう一度見る。うん、十人とも文句なしに美女だ。
その中でも際だって美しいシーマがしなだれかかってきて、おれをベッドの上に押し倒した。
「カケルさん……」
濡れた瞳で顔を近づけてくるシーマ。
そんな彼女にこっちからキスをした。
エロい美女十人か、面白い。
初めての経験にわくわくした。
(ほどほどにな)
エレノアの声を聞き流しながら、おれはキスをしたまま体を入れ替えて、まずは、シーマを組み敷いたのだった。
下の同時連載も読んでくれたら嬉しいです
【同時連載作品】
こちらも読んでくれたら嬉しいです。
■レベル1だけどユニークスキルで最強ですリンク
ブラック企業で過労死した佐藤亮太は異世界に転移して、レベルが1に固定される不遇を背負わされてしまう。
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