最近の健康ブームで特に注目されているのが「腸」。なかでも「腸内フローラ」という単語はすっかり定着してきております。
この腸内フローラ、簡単に言えば腸の中に存在する「菌の群れ」のことなのですが、これが「悪い菌の群れ」になったり「良い菌の群れ」に日々変化していきます。
「悪い菌の群れ」という状態になると、
- 便秘
- 肌荒れ
- 体調不良
- 免疫力の低下
を引き起こし、カラダの状態が悪い方向へと変化していきます。
この流れを手っ取り早く打破するには、
- 食生活を改善して腸内フローラを良い状態に保つ
- ヨーグルトやヤクルトを日常的に摂取する
- 乳酸菌、ビフィズス菌を直接摂取する
上記の3つの方法が一般的です。
中でも手軽かつ効率的な方法は「乳酸菌、ビフィズス菌を直接摂取する」という方法。食生活を改善するのって中々難しいし、それなりに手間とコストがかかる。ヨーグルトやヤクルトはカロリーが高いので、太る原因にもなりえる。
なので「余計なものが含まれていないサプリメント」で摂取する方法が一番効率的なんです。
「サプリメントといってもどれを選べばいいかわからない」
そんな声が聞こえてきそうですが、難しいことはありません。下記のポイントを押さえておけば、失敗しないサプリメント選びができます。
- 何を改善したいのか
- コスト的にも問題なく続けることができるか
- 摂取できる菌の種類は何か
上記のポイントを押さえて、サプリメントを比較してみましょう。
それでも悩むという方へ
確かに菌にいろいろな種類があり、選びにくいです。
だったら売れ筋の商品を買う、というのも1つの手です。
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加齢と共に減っていくビフィズス菌。
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- 便通の要因、腸フローラを良好に
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安全性を確保されているサプリメントなので、サプリ入門の方でも外しません。
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腸内フローラまとめ
ヒトは計り知れない数に及ぶ微生物たちと共に生きている、と想像したことがありますか?なんだかちょっとびっくりしてしまいますね。でも、人を棲み家にしている細菌は無数にあって、人と細菌はお互い良い関係を作り上げてきました。
そして、ヒトに定着している細菌の90%は消化器官である腸に生息しています。「腸内フローラ」の名でみなさんもよく知っている、腸内細菌叢を作り上げています。それでは腸内フローラの神秘のナゾを解いてゆきましょう。
腸内フローラって結局なに?
どうして腸内フローラと呼ばれるのでしょう
フローラとはお花やギリシャ神話に出てくる《花の女神》を意味する単語ですが、学術用語でもあるんです。分類学の分野では植物群衆などを意味しています。むかしは細菌を植物に分類していたので、そのなごりなんですね。
実際に、腸内細菌叢(そう=くさむら)に棲む細菌は、その数400種類以上で100兆個以上にも昇ります。腸管内面の写真を見ると、一見粘膜で覆われているかのように様子ですが、実際のところは無数の細菌が隙間なく生えて、雑草や花にびっしりとおわれた空き地のような状態です。
こんなことから、細菌叢(さいきんそう)=フローラと呼ばれています。
腸内フローラはどこにある?
腸内フローラが存在する腸は、その役割からいろいろな名前が付いていますが、大きく小腸、大腸に分けられます。小腸の後半に当たる回腸と呼ばれる部分から、大腸の横行結腸(胃の近くで横向きにある腸)にかけてに腸内細菌が集中しそこで腸内細菌叢(腸内フローラ)を作り上げています。
腸内フローラはいつ出来上がる?
胎内に居る時は無菌状態、
出生時に菌が入り込む
赤ちゃんは生まれる前、胎児のうちは無菌状態です。生まれる為に産道を通り、産声を上げた直後の呼吸の際に、数々の菌が体に入り込みます。
母乳から抗体をもらう
出生後すぐに大腸菌の数が増えます。ですが、母乳を飲み始めるとお母さんから免疫ブログリンA(IgA)と言う抗体をもらうおかげで、体を細菌やウィルスから守れるようになります。母乳のおかげで、生後4,5日ころには腸内はビフィズス菌で覆われます。
腸内環境は生後1年ほどで決まる
離乳食が始まると、徐々にいろいろな種類の食物を食べるようになります。この時、食べ物と一緒にいろいろな菌が口から入り込みます。こうして生後1年くらいにまでに腸内環境の基盤ができあがっていきます。悪玉菌や日和見菌もこの間に体に取り入れることで、免疫が獲得できるように整っていきます。
このようにして腸内フローラが出来上がり、一生を通した相互関係を作ってゆきます。
腸内フローラを構成するものは?
腸内フローラの構成
腸内フローラを作っているのはもちろん細菌ですが、ヒトは一人一人顔形が違い個性があるように、腸内フローラも人それぞれに違います。ですが一般に腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つのグループに分けられています。
【善玉菌】
乳酸菌群(ビフィズス菌やラクトバチルスなど)が代表選手です。人が健康でいられるように働いてくれ、また老化防止などもしてくれます。
【悪玉菌】
ウェルシュ菌やフラギリス菌などです。悪名の高さではよく知られていますね。病気の原因になる、または引き金になる物質を作り出し、健康を害するように働きます。
【日和見菌】
大腸菌、連鎖球菌などです。人が健康で、腸内環境が良く善玉菌の力が強い時には、ビタミンを生産してくれたり、病原菌の感染を予防してくれたりと、善玉菌に加勢して働いてくれます。ところが一旦人の体調が崩れると、途端に悪玉菌グループに加担して働きだすクセ者です。
3種ともに、腸内フローラの中で、自分たちの居場所を広げようと勢力争いをしています。
腸内フローラの良いバランスとは?
こうして見ると、お腹の中が善玉菌だけになったらいいように思いますね。ところが上の3種類の細菌グループは勢力争いはあっても、お互いに関係し合うことで、良い結果を生み出します。
そこで、健康な人のお腹の中では善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%だと腸内フローラが良い状態と言われます。逆に言えば、この比率をいつも保つことが健康でいられる事につながるのですね。
腸内フローラの主な働きは?
腸内フローラがいつ出来上がり、どのような構成になっているか分かったところで、どんな働きをしてくれるのか見てゆきましょう。腸内フローラの働きは様々ですが、大きく5つに分けて腸内フローラが良い状態の時の働きを見てみます。
役割①健康の基、食物の消化吸収と代謝
健康な人では食事をしてから排泄までだいたい24時間くらい、このリズムが乱れると食べカスが腐敗し始めることになります。脂肪や糖質タンパク質の分解、代謝がスムーズに行われる。
役割②善玉菌による健康の維持
?健康の為に必要な酸や、ビタミンB群、ビタミンK、葉酸などを作り出す。
体に良い有機酸(乳酸、酢酸、酪酸など)を作り出します。これで腸内を酸性に保ちます。また善玉菌はビタミンB群なども作りだし、悪玉菌が作り出す腐敗物質を分解したり、有害物質が体内に吸収されないように妨げてくれる。
?腸内を酸性に保ち悪玉菌を抑える。
役割③ホルモンのバランスにも貢献
自律神経やホルモンバランスを整えてくれる、アンチエイジングへの効果も期待でる。
血糖の調整なども行ってくれる。
役割④体を守る免疫システム
免疫機能の60%が腸に集中して、腸管免疫システムを作り上げている。
役割⑤各臓器への負担を軽くする
腸内フローラの状態が良い状態では、有害物質の分解が速やかで、毒素が体内にとどまらない。
様々な物が腸内フローラに影響を与える
人間の体の中で、さまざまな働きをしてくれている腸内フローラですが、とても繊細で影響を受けやすい器官です。食事の内容、水分の摂り方、食事を摂る時間、食事の量、などはすぐ便秘などの症状として現れます。生活のリズムが一定でない、生活環境が変わった、こんなことでも腸に影響を与えます。
なやみ事を抱えたり、勉強や仕事で疲れがたまってしまった、ストレスがある、こういった精神的な事も腸内フローラに影響を与えます。またいつも座ってばかりいる、立ちづめの事が多いなど、同じ動作を長く続けることも腸に負担をかけます。運動不足、薬の常用、なども影響を及ぼします。
100年くらい前の少し不便な生活状況と、質素な食生活が腸内フローラにとっては、嬉しい環境なのかもしれません。
腸内フローラの検査も可能
私たちの健康の鍵を握っている腸内フローラの検査をすることができます。病院やクリニックでフローラ検査を実施しているところもあれば、郵送で受け付けてくれるシステムもあります。
検査では、腸内フローラ中の善玉菌と悪玉菌の比率を調べてくれます。検査キットを購入して自宅で行うものと、クリニックなどへ出かけて行うものでは、検査項目に若干差があるようですね。もちろんお値段も違います。
病院、クリニック
予約をして、クリニックで問診を受けてからウンチを採取する場合と、問診を受けた後に採取用のキットを自宅へ持ち帰り、ウンチを採取する場合とがあります。検査結果は2~3週間ごくらいに出るので、再度クリニックを訪れます。そこで医師から検査結果の説明があり、今後のアドバイスをもらいます。検査の内容は善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)、日和見菌(バクテロイド、プレボテラ)、悪玉菌(クロストリジウム)などの比率を調べてくれます。
郵送検査キット(参照元amazon)
「ビフィチェック」
購入後、自宅にて自分のウンチを採取。指定の容器に入れて郵送すると、3週間ほどで検査結果を送ってくれるものです。こちらだと、善玉菌(ビフィズス菌)と 悪玉菌(クロストリジウム属菌)の比率を調べてくれます。
実はダイエットにも関係があった?
腸内フローラを構成する細菌は大きく3グループ善玉菌、悪玉菌、そして日和見菌に分けられますが、この日和見菌と呼ばれる腸内細菌グループの中にダイエットに関わる細菌がいる事が分かりました。
(ワシントン大学のジェフリー?I・ゴードン博士の発見によるもので、2006年に国際的な総合科学ジャーナル『Nature』に研究を発表しています。Nature 444, 1022-1023 (21 December 2006)また、「腸内細菌叢が肥満に影響する」という研究成果も2013年に『Science』に報告しています。Science 341, (2013);DOI: 10.1126/science.1241214)
それでは、ダイエットにも大きく関わる細菌に付いて見てゆきましょう。
デブ菌、ヤセ菌とは
日和見菌グループのバクテロイデスとファーミキューテス(フィルミクテスともカタカナ表記されます)がダイエットに関わっている細菌です。二つの細菌の働きを見てみると・・・
デブ菌の働き
デブ菌と名付けられたのは、日和見菌グループのファーミキューテスです。
人間が食べた物は消化される段階で腸から吸収されやすいように、また体中に送り届けやすいように、エネルギーや栄養分に分解されます。ファーミキューテスがこの働きをしています。
ヤセ菌の働き
ヤセ菌と名付けられたのは、日和見菌グループのバクテロイデスです。
バクテロイデスは、ファーミキューテス同様に食べ物を分解するのですが、この時に短鎖脂肪酸という物質を作り出します。短鎖脂肪酸は脂肪の吸収を抑えたりまたは脂肪を燃やしたりしてくれます。
ジェフリー?ゴードン博士の研究で得られた成果によれば、肥満の人と、健康で普通体形の人とでは、腸内フローラに大きな違いがあると言うものです。肥満の人の腸内にはバクテロイデスが少なく、ファーミキューテスが増加していました。逆に健康体の人の腸にはバクテロイデスが多く見つけられ、ファーミキューテスは減少していました。
デブ菌、ヤセ菌の性質は?
デブ菌のファーミキューテスとヤセ菌のバクテロイデスは日和見菌のグループに属しています。日和見菌の性質は、すでにお話しましたが、人の健康状態がよい時は悪玉にも善玉にも加勢しません。どちらかの勢力が強くなった途端に、力の強い方に加勢する細菌グループですね。ですから、デブ菌もヤセ菌も、その性質は日和見です。
もし善玉菌が腸内で勢力が強くなれば、バクテロイデスもファーミキューテスも善玉菌に加勢して腸内環境を良くするように働ききます。逆に悪玉菌の力が優位になると、どちらの菌の働きも、腸内環境を乱すような働きをしてしまいます。
デブ菌、ヤセ菌をコントロールできる方法はないの?
デブ菌(ファーミキューテス)を増やさない為には
①食べすぎに注意する
②脂肪分の多い食事は控える
ファーミキューテスの仕事は食べた物を、腸が吸収できるように栄養やエネルギーに分解してやることでした。ですから、このファーミキューテスの仕事を増やさない、活発に働かせない、そしてファーミキューテスの数を増やさないのが大切です。
ヤセ菌(バクテロイデス)を腸内に増やすためにできること
バクテロイデスは日和見菌グループです。日和見菌の性質をうまく利用するために、善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスを保つことが大切です。
①食事量に注意する
②野菜中心の食事を取る
③乳酸菌を継続してとる
④生活習慣を見直す
⑤運動をする
こうして見ると、デブ菌だけ減らす、ヤセ菌だけ増やすという考えよりも、腸内フローラの環境を良く保つことが効果的ですね。ファーミキューテスよりもバクテロイデスの数が増える状況を作り、ヤセ菌バクテロイデスが効率的に活動できる状況を作ってあげられるのですね。
腸内フローラは人格にも変化を与える?
マウスの実験結果
腸内フローラが人格も左右するかもしれないと言う、面白い実験結果をご紹介します。カナダのマックマスター大学医学部ブレミシル・ベルチック博士の出された研究発表です。(Nature Reviews Microbiology 10, 735-742 (November 2012) | doi:10.1038/nrmicro2876)
臆病マウスと活発マウスの警戒心を調べるテストをしました。活発マウスは17秒で反応したものの臆病マウスは5分以上経過しても行動には移しません。そこで、両マウスの腸内フローラをそれぞれに移植し、3週間後に再度テストをしたところ、活発マウスは警戒心が強くなり、臆病マウスは警戒心が弱くなったのです。
セトロニン、ドーパミンにも影響を
精神を安定させたり、反復運動(呼吸や歩行など)に関わっているセロトニンや、快感や向上心、記憶や運動機能に関わっているドーパミンは、脳の神経伝達物質です。でも、腸で作り出されています。
これは太古の昔、生物が生まれ出た時に、まず腸が出来上がり、その後に脳が出来上がったからなのだそうです。不思議ですね。なので今でも腸で作り出されて、脳へ送られるわけですね。
腸内フローラの状態が良ければ何の心配もありません。ですが、便秘をしたり、ストレスを受けて腸内フローラが影響を受けたりすると、腸内フローラが乱れてしまい、セロトニンを作り出せなくなってしまいます。脳へ送られるセロトニンが不足するとうつ病になったり、精神不安定になります。また、ドーパミンの量をコントロール出来なくなるので過食症やいろいろな依存症が出てきてしまうのです。
腸内フローラが乱れる原因
腸内フローラは色々な事から影響を受けます。一つのことだけが原因になるのではなく、小さな事が重なり、腸内フローラの状況を悪くしてゆきます。4つのポイントに分けてみました。
ポイント1:食生活
食生活で皆さんはなにを思い浮かべますか?食事の内容、量、質、食べ方、などですね。それぞれにどんな影響を及ぼすのでしょうか。
・食事の内容と質
・肉中心、脂っこい物
近年では、肉を主体とした洋食が多く、ピザ、丼物など一品物で食事を済ませることも増えています。肉、脂肪が多く、野菜が少ない食事を摂り続けると、まず胃や小腸に負担がかかり、消化しきれずに大腸へ届きます。これは全て悪玉菌の格好の餌になり、悪玉菌が活発に働く状況を作ってしまいます。
また、好ききらいが多い、ファーストフードを食べることが多い、冷凍食品を利用する、食事ではなくスナック菓子を食べることが多い。こんな食事をしていると栄養バランスが悪くなりますね。栄養バランスの崩れも、食物繊維の少ないことも、腸内フローラの状態を悪くしまいます。
・食事の量と食べ方
・早食い、食べ過ぎ
食べ過ぎは胃や小腸での消化吸収が良く出来なくなります。その為に、大腸への負担が大きくなりるので、結局悪玉菌を優勢にする状況を作ります。また早食いだと、噛み足りない為に、食べ物と唾液が良く混ざりあわず、胃で消化されにくくなります。この場合も、大腸に未消化物が入ってくるので負担をかけ、悪玉菌の餌を増やして、腸内環境を悪くしてゆきます。
ポイント2:生活リズム
不規則な生活になると、朝起きる、夜寝る時間も決まっていない、つまり食事時間もまちまちです。また、食事もおろそかになったり、睡眠時間も十分ではなくなってきますね。
こうなると、体内時計がくるってきて自律神経に影響を及ぼします。生活リズムが乱れると、食事も不規則なので、排便リズムが崩れます。ここへ自律神経の乱れが加わって、腸のゼンドウ運動がさらに悪くなる・・・という悪循環を引き起こし、腸内環境を悪くします。
ポイント3:年齢
腸内フローラは年齢とともに悪化してゆきます。人間を発育で分けた成年期(20歳~39歳)後半、35歳ころからビフィズス菌の数が減ってゆきます。これに反して大腸菌やウェルシュ菌と言った悪玉菌が増え始めます。ですが年齢だから、で諦めてしまうのも、若いからと安心するのも考え物なのです。
年齢が若くても、日頃の生活環境や食事の内容によっては、腸が老化している場合があります。逆に、「みんなの家庭の医学」(2015年9月1日放送)で紹介された79歳のS.H.さんのように、日頃からの食生活のおかげで、高齢でありながらも善玉菌優勢の良い腸内フローラを保つことも可能です。
ポイント4:ストレス
腸は第二の脳と呼ばれているくらい精密です。同時に脳と密接につながっています。なので、仕事や学業で脳がストレスを感じると、腸も同時にストレスを受けることになります。腸は筋肉でできているので、ストレスを受けると、固まってしまって働きが悪くなってしまいます。
また、腸の働きは自律神経が司っているので、副交感神経が優位な時に良く働いてくれます。忙しく働く、活動する、パソコンやTVゲームをする時には、自律神経のうちの交感神経が働き、家に居る、お風呂に入るなどリラックスしている時には副交感神経が働きます。ストレスを感じるとこの自律神経が乱れてしまうのです。また、アメリカNASAのホーデルマン博士による宇宙飛行士の腸内環境の調査では、緊張している状態で悪玉菌が増加したと言う調査報告も出ています。
腸内フローラを良くするためには
ヤクルト
ヤクルトの特徴は生きて腸まで届く事が出来る乳酸菌ですね。ヤクルト広報室とヤクルト商品情報案内を参考に、その腸内フローラを整える特徴をまとめました。
・Newヤクルトとヤクルト400の特徴。
?乳酸菌シロタ株(L.カゼイYIT9029)
胃液や胆汁にも負けずに、生きて腸まで届きます。腸内では良い菌を増やし、悪い菌を減らして腸内の環境を整えてくれます。
?Newヤクルトには乳酸菌シロタ株を一本65ml中に200億個含み、ヤクルト400は一本80m中に400億個含んでいます。
?小腸で働いてくれる乳酸菌です。
?トクホマーク付き。
乳酸菌シロタ株とは
乳酸菌シロタ株はプロバイオティクスです。プロバイオティクスは「腸内フローラ(腸内菌叢)のバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物」(引用:微生物学者Fullerの定義)、つまり善玉菌の仲間なのですね。
ですが、乳酸菌=プロバイオティクスと言うわけではありません。プロバイオティクスの条件は厳しく、胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸内に到達できる、小腸下部や大腸で増殖することができる、ヒト(宿主)に有用な効果を発揮することができるなどがあります。これらの条件をクリアした乳酸菌シロタ株は、力強いお腹の味方ですね。
・ヤクルトの効果
?生きたまま腸へ届き腸内環境を改善の為に働ける。
?ビフィズス菌など善玉菌を増やして大腸菌など悪玉菌を減らせる。
?悪い菌を減らせると同時に、悪玉菌が作る有害物質を減らせる。
ヤクルトを摂ることで、善玉菌を直接補充してあげる事が出来ます。これにより、効率よく腸内環境を善玉菌が棲みやすい状態に整え、善玉菌が増えやすい環境へと導いてくれます。
ヨーグルト
乳酸菌の代表選手はヨーグルトです。お腹の善玉菌を増やすために手軽に摂れるのも便利ですので、次の2点に気をつけて選びましょう。
1)相性の良いヨーグルトを探す
ヨーグルトならどれでも誰のお腹にもぴったり合う、というわけにはいきません。人間が一人一人異なるように、腸内フローラも人それぞれで違います。そこで自分のお腹に合う、相性の良いヨーグルトを探すことが大切です。
ヨーグルト探しは大変に見えますが、お菓子を毎日食べる代わりに、週替わりでヨーグルトの食べ比べをしてみてはどうでしょうか?1週間食べると、たいてい2~3日で手応えを感じられます。お腹の張りが減る、排便が楽になる、おならの臭さが減る、何かしら良い兆候があったら、そのヨーグルトとは相性がいいのです。
2)どのヨーグルトを選ぶか
市販されているヨーグルトの数はかなり豊富です。そのなかから選ぶとなると悩むこともあるでしょう。せっかく試すのですから、トクホマークは付いているか、プロバイオティクスか、どんな効果が期待できるのかなど、表示項目をチェックするのも選ぶ目安になりますね。
プロバイオティクス機能が認められている乳酸菌株の例
カゼイ菌シロタ株、LG21株、ビフィズス菌BB12株、LKM512株、ブルガリア菌1073R-1株など
食品
ヤクルト、ヨーグルトとミルク由来の乳酸菌のお話をしました。ここで、植物からできる乳酸菌と腸内フローラ改善に役立ってくれる食品についてお話しましょう。
・植物性乳酸菌
?植物性乳酸菌とは
どの植物のなかにもあり、植物を発酵させる乳酸菌のことです。
植物性乳酸菌の特徴
作る工程で塩を使う、素材は野菜などで、乳酸菌が育つ環境としては栄養バランスは厳しい 状況です。ですが、この厳しさを生き抜いてくれた乳酸菌はとても強くて、胃酸などにも負けずに腸までしっかりとたどり着きます。
どんな物が植物性乳酸菌を含んでいる?
植物が発酵することで、出来上がった食品には味噌・麹・醤油などの調味料から、漬けものでなじみの深いぬか漬け、キムチ漬けなどがあります。この他にも発酵して出来上がった食品、甘酒、クサヤ、なれ寿司、サワークラウト、ザーサイなど、に含まれています。
腸内フローラ改善に役立つ食品
善玉菌が大好きなのは野菜、果物、発酵食品、お魚、オリゴ糖。あんまり好きではないのがお肉や肉の脂、油脂、甘いお菓子にスナック菓子etc.です。
それでは、野菜と果物ばかり食べれは良い腸内フローラが作れるのか・・・と言ったら、そうではありません。
・食物繊維(水溶性と不水溶性)をバランスよく摂る
水溶性食物繊維は海藻や果物に含まれるペクチンなどで、溶けた時にジェリー状態になり、便の移動を助けます。不水溶性食物繊維はイモ類、雑穀類、豆類などで、水に溶けず、水を含んで膨らみ便のカサを増やして腸を刺激してくれます。水溶性1に対し不水溶性2の割合が効果的な摂り方です。
・発酵食品を毎食に取り入れる
発酵食品は植物性乳酸菌の項でお話しましたが、ここでもう少し例を上げておきましょう。
お酒(日本酒、ワイン、シードル、ウィスキーなど)、甘酒、酒粕、味噌、納豆、コチュジャン、くずもち、かつぶし、アンチョビ、ピクルス、ナタ・デ・ココ、タバスコなど。
・オリゴ糖を含む食品を摂る
オリゴ糖は善玉菌の餌になるものです。オリゴ糖をお砂糖の代わりに使ったり、オリゴ糖を含む食品を食べるようにします。例)バナナ、玉ねぎ、ゴボウ、白ネギ、とうもろこし、アスパラガスなど。
こうして見ると、和食をお手本に、いろいろな物をバランスよく食べることが、悩むことなく腸内フローラ改善に役立つ食品を摂れそうですね。
まとめ
大分長い腸内フローラのお話になりましたが、いかがでしたでしょうか。
腸内フローラに関する研究は日々進歩しています。明日はどんな発見が待っているか本当に楽しみですね。発見を待ちながら、良い腸内環境作りを続けてゆきましょう。