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「一帯一路」構想にみる「中国第一主義」

日本は対抗意識捨て、大胆な構想力を持て

2017年5月23日(火)

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 中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議は、米国一極時代の終わりを告げる場になった。トランプ米政権による排外主義や2国間主義が世界の経済秩序を揺さぶるなかで、アジアから欧州、アフリカまでの広域経済圏はそれ自体、世界経済の拡大につながる可能性を秘めている。その一方で、英国の欧州連合(EU)離脱、トランプ大統領の登場と相次ぐ「自国第一主義」が根を張る危険をはらんでいる。とくに「一帯一路」構想は、経済戦略にとどまらず安全保障戦略がからんでいるだけに、国際政治をさらにきしませる要因になりかねない。

「一帯一路」国際会議の開幕式で演説する中国の習近平国家主席。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ユーラシア大陸に「中華経済圏」

 中国の習近平国家主席が就任以来、再三強調するのは「中華民族の復興」である。「一帯一路」構想はこの思想を具体化しようとするものだ。中央アジアから欧州に陸路のシルクロードが「一帯」であり、南シナ海からインド洋を通り欧州に向かう海上シルクロードが「一路」である。沿線にある70カ国を支援する構想で、ユーラシア大陸に「中華経済圏」をつくる狙いである。中国版の「マーシャル・プラン」(第2次世界大戦後に、米国が西欧を援助することで自国通貨や文化、商品を広めた計画)といわれる。

 5月14、15日に北京で開いた国際会議には、100カ国以上の1500人が参加した。ロシア、インドネシア、イタリアなど29カ国の首脳が集まった。習近平主席はシルクロード資金の増額や政策金融機関融資などで7800億元(約12兆6000億円)の追加資金拠出を表明し、中国主導を鮮明にした。

「北朝鮮」で米中の妥協

 この「一帯一路」国際会議で注目されたのは、トランプ米政権の姿勢である。もともと「一帯一路」構想は、オバマ前米政権が環太平洋経済連携協定(TPP)などによりアジア太平洋へのリバランス(再均衡)を進めるのに対抗して、中国主導を広域化することをめざしたものだった。この構想を、オバマ政権以上に警戒していたはずのトランプ政権が国際会議に政府代表を送り込んだのである。

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「「一帯一路」構想にみる「中国第一主義」」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト
明治大学 研究・知財戦略機構 国際総合研究所 フェロー

1969年早稲田大学政治経済学部を卒業し、日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、経済部次長、金融部次長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授などを歴任。2012年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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