もちろん憲法改正というのは口で言うほど簡単なことではない。現時点で合意に至っているのは大統領の権力分散、地方自治、基本権の拡充といった大きな方向性だけであり、その具体的な内容に踏み込めば、各政党間でその考え方はかなり異なる。たとえば権力分散に関して言えば、大統領と首相が権力を分け合う「二元執政府制」を考える側と、大統領の再任を認める側に大きく分かれる。ただいずれであっても大統領の権力を縮小し、大統領一人によって国全体が左右される発展途上国のような段階からの脱却を目指すという点では一致している。現在、世界で大統領制がまともに機能している国はないと指摘する学者も決して少なくない。韓国も例外ではなく、政党や有力政治家らが大統領の権力を手にしようと国全体が身動きを取れなくなることさえある。そのため何があろうと今回こそ憲法改正によって分権を実現しなければならない。地方自治も将来的には先進国のレベルに引き上げ、中央の権力争奪戦が地方に悪影響を及ぼすことがないようにすべきだろう。
もう一つのポイントは選挙区の見直しだ。政界ではこの問題を憲法改正と同時に推進するよう求める声が根強い。ただこれは政党間や議員らの利害関係が大きく絡んでくるため、スムーズに合意に至るとは考えにくい。何度も検討を重ね、改憲を阻害する要因にならないような配慮が必要だろう。
来年6月の統一地方選挙で憲法改正のた